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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第14節 Eランククエのはずが道具屋再生? 後編

リアルのせいとはいえ、完全に配分を見誤りました。
後編は気が付くと1万5千文字を超えてました^^;
そのため後編はちょっと長めになっていますが、途中で飽きずに最後まで読んで頂けると嬉しいです。
この3日間、カムイはほんと寝ずに道具屋復活の準備に奔走する。

早速分かれた日の夜から、森に入ってポーション類の素材の採取をする。
ヴューベル周辺だけでなく、ルロワ村までリターンで飛んで不足しそうな素材を調達しに行ったお陰で、ポーション類に関する素材については、ポーションにする分、そのまま素材として販売する分はこの3日間で充分確保することができた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

1日目。
朝は、ギルドが開門する前にルイザの店に行く。
店に行くと、既にルイザとメリザが待っていた。
昨日帰り際に宿題とした図面はできていたようだが、心なしか眠そうにしていた。

「昨日は、ちゃんと寝ましたか?」
「昨日は、私もお母さんもあまり眠れなくて・・・」

図面を受け取りながら聞いてみると、案の定そんな答えが返ってきた。
恐らく店が昔のように復活できるかもしれないという嬉しさからの興奮半分、本当に復活できるのかという不安半分といったところだろう。

「昨日はまぁ仕方が無いでしょう。ただ、我々冒険者もそうですが何事も身体が資本です。寝ることも仕事のうちと覚えておいて下さい」
「寝ることも仕事のうち・・・」
「ハハハ、もっと肩の力を抜いてやらないと、今からそんなんじゃ3日間持たないですよよ?」
「そ、そうよね」

そう、まだ復活作業は始まったばかりだ。

「それに、目の下にクマをつけたままお客の前に出るわけには行かないでしょう?」

カムイは意識した訳ではないが、軽く笑ってウインクしていた。
その後、カムイは図面に目を落としたために、ルイザが顔を赤くして俯いていることには気が付かなかったが、傍らにいたメリザは『あらあら』と言って微笑んでいた。

カムイは、図面を見ながら、昨日借りたイズミルの資料を思い出しながら、頭の中で店の構図、商品配置を組み立てて行く。
ある程度、構想が固まったところで、『何か書くものありますか?』と言って墨と筆を借りる。
そして変更点を書き込んで行く。ただ、時間的に余裕はないので簡単な改造で済むようにしている。

・店の両側にあった商品陳列用のテーブルは取り払い、ラック状の棚に変更する。ラックも女性でも届く範囲に高さを抑える。
・その店の中央にある陳列用のテーブル間の通路幅を広くする。もちろん棚との通路もこれまでよりも少しだけだが広くする。
・あとは目玉商品用のテーブルを置く場所を確保するため、一部のテーブルを移動する。

これだけだ。
まぁ、他にも幾つか仕掛けは考えはあるが取りあえずは、店の中はこれで問題はないだろう。
とりあえず、2人は今日の仕事を頼む。

「今日、二人にはまず宣伝用のチラシを作ってもらいます。できれば、ギルドが閉まる前までに」
「二人ではそんなに数作れないわよ?」
「いえ、そんなに数は必要ありません。店の前、ギルドの掲示板、あと街の掲示板に張る分だけあれば充分です」
「そのくらいの数なら大丈夫だと思うけど、上手く書ける自信がないんだけど・・・」
「大丈夫です。サンプルは作ってきました。これと同じものを作成してください」

『ユーニウス月27日 トミヤ復活!! 超目玉商品、特価商品あり! 商品の発表は26日のチラシにて発表! その他数多くの商品を取り揃えてお待ちしております。 トミヤ店主 メリザ、副店主 ルイザ』

「そ、それは・・・」

トミヤの文字を見てメリザとルイザが困惑の表情を見せる。
トミヤは、祖父であるスマイラルが店を構えそれを息子のイズミルが継いだそうだが、『商売が上手くいかなくなってから外したみたい』と昨日、宿屋の女将や酒場にいた冒険者、近所の住民から話を聞いた。

「話は色々聞きましたが、俺としては道具屋ではなくトミヤとして復活させたいと思っています。メリザさんもそう思ってるからこそ、一度は外した看板を倉庫に仕舞っているんじゃないんですか?」

昨日、倉庫を確認したときに、大事に仕舞われていた看板を見付けていた。
メリザは、よもやトミヤの名前が出るとは思わなかった。
しかも、自分が『いつかは・・・』という胸のうちまで見透かされて。
メリザは覚悟を決めた。

(この少年(カムイ)に賭けてみよう。もし上手く行かなかったらルイザを嫁にでも引き取ってもらいましょうか・・・)

なんか、覚悟とは違う思惑も入っているみたいだったが、カムイの案でチラシを出すのを了解するメリザだった。

「次に図面に書き込んだようにテーブルを移動すること。壁際のテーブルは倉庫で在庫の保管に使用しますので、そちらに運んでください。力仕事になりますが大丈夫ですか?」
「お母さんと二人でならなんとかなると思います」
「どうしても難しいと感じたら、無理をせずそのままにしておいて下さい。これからは怪我を絶対しないように注意してください。あと、テーブルを移動したら埃が凄いと思いますのでこれを使って清掃をお願いします」

そう言って、即席ながら雑巾と木の棒で造ったモップを無限袋から出す。
即席と言っても、ちゃんと先の雑巾が取り替えられるように金具で止められるようにしてある。

「これはなんです?」
「これは、極力埃が舞わないよう清掃ができるモップという道具です」

2人は『モップ?』ってなにみたいな顔をしている。

「実際に見てもらったほうが早いですね」

ルイザにバケツに水を汲んで来てもらう。
カムイは、雑巾の部分をバケツに水に付け、適度に絞りなから説明する。

「普通に掃き掃除をすると埃が舞いますよね?これを使えば、ホラこの通り埃が立たずに掃除ができます」

拭いては雑巾部分をバケツに入れ濯ぎ、また絞っては拭くを繰り返す。

「そして、何回か使用してると雑巾が相当汚れますので、こうやって新しい雑巾と取替えます。使った雑巾は洗濯してまた使うことができます」
「すごいわ!これ普通に家でも使いたいわ」

モップに喰いついたのはメリザだった。
ふむ・・・。店が軌道に乗ったら売り出してみるのもいいかも

カムイはそろそろギルドの開く時間なので『時々様子を見に来ます』と言って、ギルドに向かった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

ギルドに向かうと、カレリーナとシータは相変わらず冒険者の対応に追われていた。
そんな中、カムイを見つけたシータが処理の手を休めることなく声を掛けてくる。

「1番の作業テーブル予約してあるから使って!」

その言葉に手を上げて答えてから作業場に向かう。

昨日の帰り際に、カレリーナとシータにポーション類を大量製作するために、一番大きな釜がある作業机を確保して欲しいことを伝えてあった。
幸いにもある程度大きくなったクラン(氏族)は王都に拠点を移してしまうことが多いため、最近は1番大きな釜を使われることはほとんどないそうだ。
そんな訳で、今日と明日は1日占有できることになった。
カムイは早速、ポーション、ハイポーション、毒消ポーションを製作していく。
どれも目玉商品とする品質Aの商品だ。
ただ、道具屋としてはこれでは不十分なのはカムイも判っていた。
そう、品揃えだ。
品質Aとなるとやはりそれなりの値はするため、冒険者全員が買える訳ではない。
品質B、Cといった商品も必要なってくる。
ただ、ここで問題がある。そう本来ポーションの販売や製作を請け負って生計を立てている錬金術屋だ。
トミヤで品質B、Cの商品まで扱うと彼らの客まで奪う可能性がある。
このあたりは共生していくために、彼らとの話し合いが必要になってくる。

じつは、今日の昼に食事会と称して錬金術屋2件とメリザ、ルイザを交えて話し合いをする予定になっていた。
そのため、カムイは切りのいいところで作業を終了し、メリザ、ルイザを伴って指定した料理店に向かう。
今回の話は、再オープンまで隠しておきたかったため個室がある店を選んでいた。

店に予約したカムイだと告げると、個室に案内された。
そこには既に2人の男が待っていた。見た目は結構若い。
立ち上がって挨拶をしようとする2人をメリザが制して挨拶をする。

「お久しぶりですね、ニコルさん、シドニさん」
「「お久しぶりです。メリザさん」」
「ルイザも元気そうでなによりだ」
「ありがとうございます」

挨拶をして雰囲気を見る限り、現在でもそう悪くない関係のように見える。
2人は、見た目冒険者であるカムイのことが気になるようで、チラチラこちらを見てくる。
そんな様子に気付いたメリザがカムイを紹介する。

「あぁ、ごめんなさい紹介するわね。冒険者をやってるカムイくんよ。あなたたちも噂は聞いてるわよね」
「え、えぇ」
「なんでもBランクの冒険者に勝った新人と聞いてますが、思った以上にお若いんですね」
「カムイです。よろしくお願いします」

まずは、食事からということで、お互いに近況を話ながら食事を進めていく。
ここの会話を聞く限りでも、さっき抱いた雰囲気の悪さは感じなかった。
食事も終わり、店員に呼ぶまで誰も近づけないように言ってから今日の本題に入る。
メリザが話を切り出す。

「これから話す内容は、暫くは2人の胸のうちに仕舞っておいて欲しいんだけど、了解してもらえるかしら?」

メリザの真剣な表情に『判りました』と同意を示す。

「と言っても、今日の夕方には判ってしまうことなんだけど・・・。今月27日にトミヤを復活させることにしたわ」

二人は一瞬なにを言っているのか?といった顔をしている。

「いや、今でも道具屋は続けているのでは・・・」
「2人とも聞こえなかったみたいだからもう一度言うわ。道具屋ではなくトミヤ(・・・)を復活させると言ったの」

その言葉に今度こそ2人は何を言っているのか理解したようだ。

「「本当ですか!!」」
「シーッ!声が大きいわよ・・・。でも本当よ」

ニコルもシドニも慌てて口に手を当てる。

「今日、2人に来てもらったのは、虫のいい話だとは思っているんだけど復活に当たって2人にお願いがあって来てもらったの」

メリザの言葉を真剣に聞きながらも、どこか信じられないといった表情が見て伺える。

「主人が亡くなってから、2人、いえ2人の店には随分と迷惑を掛けた私が言えた義理ではないんだけど、主人が生きていた時と同様、いやその時以上にいい取引を今後お願いしたいと思っているの」

「たしかに、以前のようにトミヤさんから安定して素材が手に入るのであれば我々としても大歓迎なんですが・・・。ウチもシドニのところも冒険者頼りでなんとか食いつないでいる状態でしたから」
「しかし、本当なんですか?失礼を承知で言わせてもらいますが、これまでの状況から本当に復活できるとは到底思えないんですが・・・」

2人の疑問はもっともだ、先日までの店の状態を見れば到底信じられないだろう。

「そこから先は俺が説明しましょう」

そう言って説明を引継ぐ。

「さっきメリザさんが言ったことは本当です。27日再オープンに向けて現在準備中です。お2人が心配している素材等についても既に定期的に入荷できるルートも構築済みです」

(まぁ、俺が全部用意するんだけどね)

「今、取引できる素材類はポーション、ハイポーション、毒消ポーションであれば直ぐに準備できます。ご希望があれば、将来的にはエーテル系の素材も用意できますし、また、ポーション系以外の素材についても、受注形式でよければ準備もできます」

ニコルもシドニも俺の説明に驚いた表情をしている。
隣を見ると、メリザもルイザも聞いてない話が含まれていたので、目を丸くしている。

「まぁ、こういって直ぐに信じられないと思いますので、27日の再オープン時に店に来てもらえれば信用してもらえると思います」
「カムイくんのいった事は本当だけど、今日あったばかりの人を信用してとは言わないわ。その代わり私を信用してもらえないかしら」

そう言って、2人に頭を下げる。

「「メリザさん!」」
「あ、頭を上げてください」
「そうです。俺たち2人が生前イズミルさんにどれだけお世話になったか。もし本当にトミヤが復活するなら、こちらから取引をお願いしたいくらいです」
「ありがとう2人とも」

最終的には、27日の再オープンの様子しだいにはなったが、話はまとまった。
あと、品質Aのポーション類は2人の店では製作できる者がいないので、トミヤで販売することも了解をもらった。

そして、カムイはまたポーションの製作にギルドに戻っていく。

その日の夕方、ギルドや街の掲示板に‘トミヤ復活!’のチラシが張られることになる。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

2日目。
2日目も、ギルドが開門する前にルイザの店に行く。
いや、もうトミヤといったほうがいいか。

「おはようございます」
「「おはよう、カムイくん」」

昨日は、ちゃんと寝れたようだ。

「今日は、各テーブル、棚にこの木組みを組んでもらいます」

そう言って、無限袋から既に作成済みの木枠やら、仕切り板が出てくる。
これまで商品は、テーブルの上にザルを置いてそこにまとめて置いているだけだったらしい。そのままでもよかったが、折角トミヤを復活させるのであれば何か目新しい新しいものをと思い用意したものだ。

「カムイくん、私たち大工仕事なんてやったことないよ?」

ルイザが不安に言ってくる。

「大丈夫。クギなんか使いませんから」

そう言って、試しに棚に嵌め込み用の窪みを作る。
そして2人に説明していく。

「俺がこうやって棚やテーブルに窪みを作っていくから、ここに番号どおりのものを嵌めてこの木槌で叩くだけです。やってみるから見てて下さい」

無限袋から出した中から‘1’と書かれた木の板を探し、それをさっき作った窪みに手で押し込んでいく。

「手で押し込むと窪みに8割くらいは入りますから、あとはこの木槌で打って嵌めるだけです」

と、トントンと両端を叩いて出っ張りがわからないほど綺麗に嵌まっていった。

「どうです?簡単でしょう?」
「凄く綺麗に嵌るのね。しかも、引っ張っても取れないくらい頑丈なのね」

2人は関心して元々窪みのあった部分を触ったり、引いたりしていた。

「あ、そうだ、2人はもう1つ作業をお願いしないといけないので、俺が窪みを作ってる間にそれをお願いします」

それは、値札を作ってもらうことだ。
商品名、品質、値段に、素材に関しては採取日を記入する。
きちんと正しい情報を開示することは、客に安心を与えるからだ。
ただ、値段に関しては、正しい現在の相場をしらなかったので、ニコルとシドニに協力をお願いした。

だんだんと新しくなっていく店内。

一通り窪みの作成が終わったので、嵌め込み作業をお願いしカムイはまたポーションの製作にギルドに向かった。


今朝は、店での作業に時間が掛かったので、ギルドについたころにはいつもの喧騒は収まった後だった。

こっそり、カレリーナとシータにチラシの反響具合を聞いてみた。

「目玉商品とかが気になるようだったけど、これまでがこれまでだったからそれほど大きな話題にはなってないわね」
「そうですか」

まぁ、この反応は予想した通りだった。

「明日目玉商品を見たときの冒険者の反応が楽しみですね」

昨日のように作業場に行こうとして、ふと立ち止まりカレリーナとシータに注意しておく。

「これから、その目玉商品製作しますけど、覗きにきちゃダメですよ。明日の楽しみにしといて下さい」
「「え~~~~~~!」」

おやつのおあずけを言われた子供のような声を出す2人だった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

3日目。
とうとう準備の最終日になった。
今日は、トミヤで最終準備と確認を行う予定だ。

さっそく、各棚に商品を入れていく。
まずは、これまで店にあった商品で売れそうなものを配置して、ルイザとメリザに作って貰った値札を付けていく。
値札を付けていくうちに、全ての商品ではないがなにかが足りないと思い始めた。


「ルイザさん、何も書いてない値札用の紙って、まだありますよね?」
「余分に作って置いてと言われたからあるけど、どこか間違いとかありました?」
「いえ、そういう訳ではないんですが、書くものと一緒に持ってきてもらえますか?」

ルイザは、訳も判らずカムイに言われた通りにする。
受け取ったカムイはおもむろに『オススメ!素材の剥ぎ取りにこの1本!』と書いて短剣の棚の目立つところに取り付ける。

「あのう・・・それはなんの意味があるんでしょう?

カムイが何故そんなものを貼ったのか、理解できずにメリザが聞いてくる。

「売れない道具には、なにかしら売れないだけの理由があります。この短剣は品質Cですので、武器としての短剣が欲しければ武器やに行けばもっと品質のいい短剣が置いてあります。でも道具屋にあるということは武器ではなく別の用途で使う、そう『素材の剥ぎ取りならこれでも十分ですよね?』とアピールする訳です。そうすることで武器屋の商品とは異なる価値を客に認識させ購買意欲を刺激する訳です」
「へぇ~」
「さっきもいいましたが、売れないのには売れないだけの理由があります。そのヒントは、客同士の会話の中やお客との会話の何かもしれない。それは冒険者でも一緒です。なぜこのクエストが高額報酬なのに人気がないのか。ひょっとして報酬の割りに難易度が高いんじゃないかとかなにか原因があるはずです。ただ、こればかりは経験を積んでいかないと中々最初は判り難いものです。迷ったらニコルさんやシドニさんに相談してみといいと思いますよ・・・っと手が止まってましたね。続けましょうか」

そう言って、また商品の陳列を始める。
既に、どこになにを置くかは決めてあり、それを順番に置いていく。
以前はまとまりがなくバラバラに配置されていたものを、必要な生産スキル単位にまとめて配置することで、客にどこに何があるか判りやすくした。

店の左側の棚には、採掘、園芸で必要なつるはしやスコップ等の道具類
店の右側の棚には、革細工や裁縫で必要な魔物の皮や糸類

これらはさすがに今のカムイでは用意できなかったが、先代イズミルが倉庫にストックしてあったものを用意してもらった。
これらの商品については、ストックが無くなれば終わりでは困るため鍛冶屋とか製作依頼や交渉、クエストで依頼を出す等の入手経路のを確保する課題が残っている。
現状ではそこまで手配する余裕はないので、この3日間を乗り切ったあとに2人になんとか頑張ってもらうしかない。

次に向かって左テーブルの3分の2には、鍛冶、彫金で使用する鉱石や木工で使用する木材類
最後にメインとなる錬金術で使用する素材を、左テーブルの3分の1+右側テーブル全てに配置する。
特に錬金術のエリアに力を入れたのは、素材の種類もさることながら品質A~Cの素材を用意し、一部の冒険者だけでなく、まだスキルが上達していない冒険者を含め満遍なく利用してもらえるように配慮したからだ。

一通り、目玉商品を除いて配置は完了した。

「ところで、目玉商品の値札はどれです?」
「これです」

他の商品と同じサイズの値札をルイザが差し出すと、即効でダメだしする。

「却下!」
「えぇぇぇぇぇぇ~~」
「だって目玉商品ですよ? もっとドドーンとでっかく目立つようなやつ作って下さい。・・・・そうですね・・・最低コレの縦横5倍の大きさくらいのやつを。目立たないようだと何度もダメだししますから」
「そ、そんな~。だったら、はじめからカムイくんが作ればいいじゃない」
「全て人に頼るのは感心しませんね~。今後のことも考えて自分でやって下さい」

ルイザは泣きそうな顔でメリザを見るが『さてと、お洗濯しなきゃ』といって逃げられてしまう。
結局、カムイに6回もダメ出しされてようやく完成させることができるのは、夕方近くになってからだった。

「じゃ、俺はこれから明日再オープン用のチラシ貼ってきますので、時間があるときに商品の値段を覚えて下さいね」

そう言って商品の一覧表を渡す。

「それは任せておいて!」

餅は餅屋じゃないが、もともとは商売人の妻と娘である。自信があるのだろう。
ただ、リストを見ながらルイザが気になることを口にする。

「ねぇ、カムイくん。この最後の超目玉商品ってなに?聞いてないんだけど?」
「あぁ、それは気にしなくていいです」

笑いながら、店の前のチラシを新しいチラシに変えながら答えるカムイ。

「じゃ、行って来ますね」

カムイが出て行ったあと、気になったルイザはカムイが張り替えたチラシを見に表に出る。

そこに書かれていた商品と値段を見て唖然とし、カムイが出て行ったあと店ではルイザとメリザが大騒ぎしているとは露知らず、普段どおりギルドに顔を出すカムイ。
流石に昼前だし人も疎らだ。

「カレリーナさん、約束どおり新しいチラシ持ってきたので貼り替えていいですか?」
「いいわよ」

そういいつつ、カレリーナもシータもカムイが自信満々に言ってた超目玉商品というのが気になって、貼り替えてるカムイの側に寄ってくる。
そして、チラシの超目玉商品を見て驚く。

「カムイくん、これ本気なの!?」
「えぇ、本気ですよ」

そこに書かれていたのは・・・。


『明日27日 トミヤ復活!!

27~29日限定 売切れ御免! ただし、お一人様2点まで!
目玉商品 毒消ポーション 品質A 限定200個 銀貨 2枚
目玉商品 ポーション   品質A 限定200個 銀貨 8枚
目玉商品 ハイポーション 品質A 限定100個 銀貨20枚

27日限定 売切れ御免! ただし、お一人様1点まで!
超目玉商品 エーテル   品質A 限定 50個 銀貨100枚
超目玉商品 ハイエーテル 品質A 限定 30個 銀貨300枚

今回は、多くのお客様に商品をご提供したいと考えておりますため、
お一人様1種類のみの購入とさせて頂き、購入限度数を制限させて
頂いております。
なにとぞご理解のうえご了承お願い申し上げます。

もし、クラン(氏族)やパーティ、個人を含み不正を見つけた場合は、
お客様の名前を公表した上で、販売を即中止させて頂きますのでよろしく
お願い致します。

その他数多くの商品を取り揃えてお待ちしております。

トミヤ店主 メリザ、副店主 ルイザ』


カレリーナもシータも信じられないと言った顔をする。

「どれも市場の半値じゃない」
「私なんかハイエーテル 品質Aなんて見たこと無いわよ」
「私だって同じよ」
「まぁ。今回はトミヤ復活をアピールするためのものですからね。このくらい注目度がないと」
「なんか明日が逆に心配になって来たわ」

午後は街中がこの話で持ちきりになったのは言うまでもなかった。

この日の夜遅く、トミヤの看板が店の正面の屋根に取り付けられ、明日の再オープンの準備は万端となった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

再オープン当日。
あいにくの小雨模様だが、いつもより早めにトミヤに向かう。
するとどうだろう、小雨の降る中開店1時間前だというのにすでに100人を超す冒険者が並んでいた。
何人かに聞いてみたが、目的はやはりエーテル系だという。
しかも、なぜか王都にまで噂が流れていて、王都からやってきたという冒険者までいた。

(見積もりが甘かった!これはちょっとどころの混乱じゃ済まないかも・・・)

そんな思いをしながら、トミヤへ急ぐカムイ。
ところが、偶然にも列の中に見慣れたパーティを見つける。
黒狼隊のメンバーだ。
どうやら向こうもカムイに気が付いたようだ。

「こんなところで何してるんですか?」
「何って見りゃ判るだろ。トミヤの目玉商品を買うために並んでんだよ。ところであれから調子はどうだ?」

エバンスはさも当たりまえのように答える間に、他のメンバーも『おはよう』とか挨拶をしてくる。

「どうもこうもないですよ、いったい誰の・・・・」

と言いかけたところで、いいことを思いついたとばかりにニヤッとして、右にエバンス、左にリエーリアと強引に肩を組んで列から離れる。
2人は突然のことに驚きながら『お、おい、順番が・・・・』とか言っているがお構いなしに引っ張っていく。

「黒狼隊のメンバーがいてちょうど良かった。ごらんの通り予想以上の反響で人出が足りないんですよ。報酬は払いますから手伝って下さい」

突然のカムイの依頼に嫌な顔をするエバンスとリエーリア。

「今日俺たちは客として・・・「なんで俺がこんな目に遭ってるか知ってます?」」

少し怒ってるような雰囲気を演出する。

「誰かさんが、カレリーナさんやシータさんに要らないことを吹き込んだからですよ?『カムイは頭が相当切れるから困ったことがあれば相談するといい?』お陰ですっかりカレリーナさんやシータさんの相談役ですよ!」
「そ、それはだな・・・」
「え?なんです?」

反論する隙は与えない。

「そ、それはエバンスのことでしょ!私は関係ないじゃない!」

リエーリアが抗議をしてくる。

「ほう・・・・自分には関係ないと。じゃ聞きますが、いつ俺が『胸の大きい女性好き』っていいましたっけ?」
「うっ・・・」
「俺がギルドの中外でどれだけセクハラされて、挙句には『手伝わないと』と脅されて・・・それでも関係ないと言い張るんですね?」

話は少し誇張・・・いや大分誇張しているが、この2人を脅すにはこのくらい話しを盛ってもいいだろう。

「いや、しかし・・・」
「しかしも案山子もありません。元々の原因を作った2人には店の手伝いをして貰います。いいですね!」

あまりのカムイの迫力に反論すらできずに、結局黒狼隊のメンバー全員を店に強制連行するのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

トミヤに黒狼隊のメンバーと入ると、そこにはあまりの行列の長さに右往左往しているメリザとルイザがいた。
カムイが店に入ってくるなり慌てて近づいてくる。

「カ、カムイさん表の行列見ましたか!なんか大変なことになってますよ!」

自分たちの予想を超えていたためにすこしパニックになっている。

「落ち着いて。そう思って頼りになる助っ人を呼んでますから大丈夫ですよ」

そういって黒狼隊を紹介する。
そこで、メリザがエバンスのことを覚えていたらしく、それを口にするとエバンスが驚きの表情を見せる。

「あら、あなた前に何度か薬草を買いに来てもらったわよね」
「そうです。でも驚きました。4~5年前に2、3度利用しただけなのによく覚えていましたね」

まだヴューベルを拠点に活動していた頃に2、3度利用したことがあるらしかった。

「落ちぶれたと言ってもこれでも商売人の妻ですからね。1度だけならともかく2度3度と利用してもらったお客様の顔くらいは覚えられないとやっていけないわよ」

そう言って笑う。
このやり取りで少しは落ち着いてきたかな?
そうしている間に黒狼隊のメンバーには、それぞれ仕事を割り振る。

「カップスさんは、行列に割り込み等不正をする者がいないか目を光らせてください。フィリックは、これを持って列の最後尾で次々来るお客を並ぶように誘導してほしい」

2人は判ったと言って店を出て行く。

「エバンスさんは、店の前に居てもらって挙動不審な人物がいないか目を光らせて下さい。万引きとか色々トラブルが起きる可能性がありますので。あと、絶対商品に因縁をつける輩が出てきますので、そっちの対処も場合にはお願いするかもしれません」

エバンスは、頷いて店の正面に陣取る。

「リエーリアさんとナタリーは、店内を見回りながら少なくなった商品をルイザさんに伝えて下さい。そうすれば、奥から商品を持ってきますのでその補充とかもお願いします」
「判ったわ」
「判りました」

(いやぁ、一時はどうなるかと思ったけど、黒狼隊がいてくれて助かったよ。さぁこれからが勝負の時間だ)

 △▼△▼△▼△▼△▼△

いよいよ開店時間が迫ってきた。
メリザさんはガラでもないからと最初は固辞していたが、やはちトミヤの再出発にあたっては、お客の前での店主の一言が欲しかった。
短くてもいいということで説得し、なんとか引き受けてもらった。

「再オープンに先立ちまして、店主であるメリザさんから皆様にご挨拶をお願いします」
「トミヤ店主メリザでございます。小雨の振る中、新生トミヤの為に朝早くからお並び頂き、感謝の念が耐えません。主人イズミルが死去したあと、贔屓にして頂いていたお客様を始め皆様には大変ご迷惑をお掛けしました。これからは、ご迷惑をお掛けした分のご恩返しを含め新生トミヤとして娘ルイザ共々頑張ってまいりますので、これからもご贔屓のほどよろしくお願いします。」

メリザとルイザが揃って頭を下げると、拍手が巻き起こった。
メリザとルイザが店の中にはいると、カムイが大きな声で宣言する。

「それでは、新生トミヤ、オープンです!」

その声にあわせて、店の入り口に張られていた幕が取り払われ店内が露になる。
今日は、4枚の引き戸は危ないのですべて取り外している。

オープンの声と同時に、並んでいた客が一斉に店の中に押し寄せてくる。
お目当ては、やはり超目玉商品と目玉商品だ。
木枠のゲージの前はすぐに人だかりができる。

「慌てないで、ゆっくりお願いします」

という声も、『押すんじゃねーよ』『いてーなこのやろう』『早く前をあけろ!』といった罵声にかき消されるが、リエーリアとナタリーがうまく誘導してくれていた。
なにより、メリザとルイザのレジの処理が尋常じゃなく正確で早いため、ほとんど会計待ちが起こらなかったのが混乱を少なくした一番の要因だったろう。
ただ、リエーリアとナタリーがエーテルが無くなるたびに悲しそうな顔をするのには苦笑いをしてしまったが・・・。

目玉商品は、さすがに15分もしないうちに売り切れてしまったが、その後も他の素材を買い求める客が途絶えることがなかった。
中でも、錬金術用の素材で採取日が書かれているのは好評だった。

オープン2日目も順調だった。
超目玉のエーテル系の商品はないものの、目玉商品のポーション系は、今日も明日の分用意してある。
この日も目玉商品や他の商品を含め順調に売り上げを伸ばした。


このまま順調に3日間終えるかと思っていたが、オープン3日目にトラブルが舞い込んできた。
目玉商品であるポーション系の争奪戦をやっている客の後ろから『紛い物を掴ませやがって!店主を出しやがれ!』と騒ぐ一団が現れた。

(なんかテンプレっぽいぞ~)

そこで、メリザと一緒にカムイも店の外に一緒に出る。

「店主のメリザでございますが、如何しましたか」
「如何もへったくれもねぇ!チラシには品質Aのハイポーションだと言うから買ったのに、実際には品質Cだったじゃねーか!どうしてくれる!」
「おかしいですわね。品質管理はきちんとしておりますので、品質Cが紛れることはないのですが・・・。何かのお間違えではないでしょうか?」

そこにエバンスが動こうとするのを手で制して、カムイがメリザの前にでる。

「仕入れおよび、品質管理をしている者でございます。お客様の持ってらっしゃるハイポーションを見せて頂いても?」
「おお、鑑定でもなんでもしやがれ!」

カムイは、ハイポーションを受け取ると鑑定を行う。

「ふむ・・・確かにこのハイポーションは品質Cのようですね」

そう言いながらハイポーションを持ってきた男に返却する。
カムイの言葉に周りがざわつきはじめる。

「やっぱり騙して・・・「ただし、これはトミヤで製作したハイポーションではありませんね」」
「何だと!てめぇ俺たちが言い掛かりを付けてるといいてぇのか!」
「そう申しました」

と付け加えると、『なぜそんなことが判るのかと』一層まわりがざわつきはじめる。

「てめぇ、そこまでいうなら、これがトミヤで製作してないものと証明できるんだろうな」
「簡単でございます」

自信満々で答えたカムイは、店の内外に向かってこう答える。

「今、どの種類のポーションでも構いませんが、トミヤで買ったお客様、これから買おうと手にお持ちのお客様、お手数ですがお手持ちの管の裏をご覧頂けますでしょうか」

客が一斉に管の裏を覗き込む。そこには○の中にトの字が入った印があった。

「試験管の中に○の中にトの字が入った印が入ってるぞ!」

と一人が言い出すと、同じように周りも入っていると言い始める。

「しかもこれ、管の中に文字を書いているんじゃなくてガラス自体で加工してる?」

腕のいい錬金術師だろう、カムイの仕掛けに驚きの声を上げる。

「その通りでございます。我がトミヤではこのような悪質な営業妨害から店を守るために特殊な技術を用い全てのポーション系商品にはその印を入れております。しかし、残念ながらそちら様の管にはその印がございませんでした」

カムイにそう言われ、男たちは黙ってしまう。
そして、男たちに向き直り丁寧な口調から、一転して低い声で脅すように言い放つ。

「これ以上なにか言いたいことがあるか?このまま素直に帰ればよし、さもなくばそこのエバンスさんにボコられるか、そとも俺にボコられるか好きなの選べ」

男たちは『ヒィ!』といって逃げ帰ってしまった。
それを見たメリザが客に声を掛ける。

「お騒がせして申し訳ありませんでした。まだまだ商品はございますので引き続きお買い物をお楽しみください」

というとワッと歓声があがった。

(なんか美味しいところ持っていかれた?)

メリザの強かさに、やられた感を抱くカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

慌しい3日間は、あっという間に過ぎていった。
今店の奥では、メリザとルイザが売上の集計をしている真っ最中だ。

カムイと黒狼隊のメンバーは、店の前で今回の3日間をお互いに労っていた。

「急遽手伝わせる羽目になってすいませんでしたね。でも助かりました」
「ほんとよ。もうクタクタよ」
「言っときますけど、原因の一旦はエバンスさんとリエーリアさんにあるんですですからね?」
「判ってるわよ。悪~ございました!」
「なんか全然反省の色が見えないんですが・・・まぁ、手伝ってもらったのでチャラということにしときますよ。それと報酬の件ですが・・・」

そう言って、無限袋からハイエーテルを出す。

「それは・・・」
「ハイエーテルですよ。これが目的だったんですよね?」
「いいのか?」
「どうせ、あの順番だとエーテル系は買えなかったでしょうからね」

そういって肩をすぼめて見せた。

「なんか逆に悪いな・・・」
「要らないなら無理にとは・・・「馬鹿、冗談に決まってるだろ。それに男なら一度出した物は引っ込めるな」」
「どんな理屈ですか」

全員で笑い合う。
そのあと、真剣な顔でカムイが改めて例を言う。
そして、一人一人と握手を交わす。

「今回は本当に助かりました。今度会うときは王都ですかね?」
「そうかもな」

最後に今回リーアが居なかったことについてリエーリアに聞いてみた。
なんでもお菓子の食べすぎで顔とか丸くなっているそうだ。

「こんな顔カムイに見せたら絶対笑って弄られるに決まってるわ!ダイエットよダイエット!」

と言って王都に残ったそうだ。
丸くなった妖精ってのも見てみたかったが、今度合うときを楽しみにしていよう。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

黒狼隊を見送ったあと、トミヤの中に戻る。
もう売上の集計は終っていてもいい頃だろう。

集計を行っているであろう部屋に向かい『カムイです。入りますよ』といって部屋に入るが、メリザとルイザの様子が少しおかしい。
思った通り集計は終っているようだが、2人とも呆けたようにボーッとしている。

「メリザさん、ルイザさん大丈夫ですか?何かありましたか?」

そう声を掛けると、ようやくカムイの存在に気がつく。

「あ、カムイくん。お疲れ様」
「お疲れ様です・・・って2人ともボーッとしてどうしたんです?」
「え?あぁ、ごめんなさい。3日間の売上が余りにも多すぎて驚いてただけよ」
「で、最終的には売上はいくらあったんです?」
「えっと、銀貨43255枚と銅貨7614枚」
「そりゃすごい!」

目玉商品の銀貨26000枚を除いても3日間で金貨17枚、銀貨262枚、銅貨614枚分の売上げになる。
いくら目玉商品があったからといって、カムイもここまでとは思っていなかった。

「でも、本当の再建は目玉商品がない、明後日以降からですよ」
「判ってるわ。せっかくお父さんとあの人が守ってきたトミヤですもの。今度はルイザとしっかり守っていくわ」
「私も頑張る!」

この様子であれば大丈夫だろう。
そうそう、ニコルとシドニだが、1日目、2日目の様子を見てたのだろう、2日目の夜に2人して現れ今後の取引について継続していきたいと申し出てきた。
なんとか3店でWIN-WINの関係を築いて欲しいものだ。

で、こっからが話の本番だ。
今後を含めた売上の配分についてだ。

「ところで、今回の売上の配分とこれからの仕切りについての相談なんですが・・・」

と切り出すと真剣な表情になる。

「俺としてはまずは店の経営が軌道に乗るまでは6:4でどうかと思っています」

もちろん6割がカムイの取り分だ。
その割合の意味にルイザはよく判ってないようだったが、メリザが驚きの表情をする。
結構無茶な割合を提示されるのではないかと思っていたのだろう。

「随分こっちに有利だけど、本当にそれでいいの?」
「幸いにも卸業者がいない直販ですし、店が軌道に乗るまでには色々物入りでしょうから。もともと俺としては素材の販路を確保するも目的の1つだったので、トミヤには成功してもらわないと困りますしね。当然、店が軌道に乗ったと思ったら見直しはさせてもらいますが」

カムイの言葉に暫し考えを巡らすメリザ。

「ここは素直にカムイくんの好意に縋らせてもらうわ」
「では商談成立ということで」
「これからもよろしくね」

カムイとメリザはガッチリ握手をする。

このまま、めでたし、めでたしで終れば良かったんだが、最後にメリザが爆弾を落とす。

「本当は、カムイくんがルイザを嫁に貰ってくれれば、こんな話をしなくてもいいんだけど・・・」

ルイザは最初メリザが何を言ってるのか判らなかったようだが、急に顔を真っ赤にして慌て出す。

「お、お母さん、急になに言い出すの!」
「あら、満更でもないと思ってたんだけど違ったかしら?」
「えっ!?その・・・」

(このおばさん何いっちゃってくれてんの!ルイザもとりあえずそこは否定だろ!)

その時、カムイの背後から声がする。

「メリザさん、それはダメよ!」
「そうそう」

振り返ると、カレリーナとシータがいた。

「2人ともなんでここに?」
「エバンスさんが、今日は終ったって教えてくれたから様子を見にきたの。それよりもさっきの話は聞き捨てならないわ」
「そうよ、先にカムイくんに目を付けたの私とカレリーナなんだから。いくら幼馴染のルイザでもこれは譲れないわ」

そう言ってカレリーナとシータが、俺とルイザの間に割って入る。

「そ、そんなの関係ないよ!私だって負けないもん!」

3人があれこれと話始める。
その様子を見ながらメリザが暢気に『あらあら、モテモテなのねカムイくん』なんて言ってるし。

その様子を見ながら、3日間で一番疲れた気がするカムイだった。
本節シリーズは、ここまで長くするつもりは無かったのですが、書いていくうちにこうなってしまいました。
一応、書く前にラフストーリーは組み立てているのですがね・・・。
まだまだ精進が足らないと言う事でしょう。

次回は、ようやく初ダンジョンに挑戦する予定です。
ラフストーリー見直さなきゃ!

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。

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