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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第13節 Eランククエのはずが道具屋再生? 中編

前回のあらすじから、なんとな~く道具屋の再生にカムイが借り出されるのはバレバレでしたが、その通りになりそうですがどうなりますか・・・・。

※リアルで急遽外せない用事ができて執筆の時間が取れなくなった関係で更新が遅くなりました。
 また、そのため元々前・後編の2部構成にする予定でしたが、前・中・後編と3部構成に変更する事にしました。
 ご了承下さい。
「カムイくん、実は依頼とは別にもう1つお願いがあるの」

カレリーナからの言葉に『やっぱり・・・』との思いを抱く。
内容もある程度予想はできていた。

だが、美人2人と美少女に懇願されるような目で見つめられている状況では、とても男として『嫌』という言葉が口から出るはずもない。

「はぁ~。一応話は聞きましょう。でも受けるかどうかは別の話ですよ」

というと3人とも満面の笑顔で『それでいい』という。

(ま、まずい!そんな笑顔を見せられたら、断る勇気がますます萎えてくるぞ!)

「実はね・・・」
「待ってカレリーナ。それは当事者である私から話すわ」

カレリーナが話し出そうとするのを、ルイザが遮り自分で話すという。
それに対し、カレリーナも頷いて肯定を示す。

「カムイさんは、今の店の状態を見てどう思いますか」
「とても繁盛しているようには見えませんね」

カムイは、思ったままを口にする。

「そうですよね・・・」

ルイザも店を見渡しながら自嘲的に笑って見せる。

「店がこういう状態になったのは、鑑定機が動作しなくなったのが直接的な原因ではないんです。これまで、店は商品の仕入れから陳列までお父さんが中心で行っていました。当然、私もお母さんもお父さんの指示に従って手伝いはしていましたが、あくまでも店を仕切っていたのはお父さんでした」

父親の名前は、イズミルと言った。
昔を思い出したのだろうか少し涙ぐむが、直ぐに拭って話を続ける。

「しかし、作業中にお父さんが突然倒れ、そのまま亡くなってしまったんです」

(突然死かぁ・・・・急性心筋梗塞、クモ膜下出血あたりだったのかもな)

「一応、お父さんが残してくれた仕入れ先の情報やその他メモを頼りにしたり、カレリーナやシータのお願いしてお客さん目線からアドバイス貰ったりと色々試したんだけど上手く行かなくて、もうどうしていいか判らなくって・・・・。そんな中、カレリーナとシータが今日になって突然、依頼を受けてくれた頼りになる人が来るからって!」
「えっ!?」

(なんでそこで俺!?全然聞いてませんが??)

「そうしたら、本当にカムイさんが来てくれて・・・・」

ルイザの後ろで、カレリーナとシータがウンウンと頷いている。

「ち、ちょっと待って!待って!どいうことなんです?なんか既に俺が店の再建を手伝うことになってませんか!?」
「2人からそう聞いてますが、違うんですか?」
「無理ですって!俺はただのEランクの冒険者ですよ?それに仮に手伝ったとして失敗しても責任なんて取れませんよ!」

カムイは寝耳に水とばかり出来ないと言うが、ルイザはカレリーナとシータからそう聞いてるという。

「ちょっと待っててね、ルイザ」

俺はカレリーナとシータに両腕を掴まれ、店の隅に連れて行かれ、ルイザたちには聞こえないくらいの小声で話し始める。

「カレリーナさん、シータさん、これはいったいどういうことですか?」
「どうもこうも、今聞いた通りよ。知恵を貸して欲しいのよ」
「知恵を貸すもなにも、言ったように俺はただのEランクの冒険者ですよ?」
「でも、エバンスさんから『カムイは頭が相当切れるから困ったことがあれば相談するといい』って言ってたわよ」

とシータが言う。
当然、そんな話はエバンスから俺は聞いてない。

(エバンスの野郎余計なことを。普通なら俺に『何かあれば力になってやってくれ』って言うのがスジだろう。俺に負けたことを根に持ってやがったな!)

「それにカムイくん、ギルドで私の胸見たでしょう?ならこれくらいのお願い聞いてくれてもいいんじゃない?胸の大きい女性好きなんでしょう?」

カレリーナはそう言いながら、掴んだ腕に更に胸を押し当ててくる。
それを真似て、シータまで腕に胸を押し当ててくる。

「どっから、そんな話が出て来たんですか!?」
「「リエーリアよ!」」

(リエーリアもまだルロワ村でのこと根に持ってたのかよ!ひょっとして、ギルドでのあれは計算尽く!?)

ハニートラップに引っ掛かったと、カムイは思わず天を仰ぐ。
結局、2人にしてやられ『女は怖い・・・』という思いだけ残し手伝う羽目になってしまった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「お手伝いすると決めたからには、メリザさん、ルイザさんには耳の痛い話も沢山出てくると思いますが、それを聞く覚悟はありますか?」

カムイは、手伝うとしたからには一切手を抜く気はなかった。
2人は緊張しながらも真剣な顔で頷く。

「では最初にお聞きしますが、今の置いてある商品は誰がどうやって決めてますか?」
「一応、私とお母さんとで相談して決めてます」
「そうですか・・・」

もう一度店の中をグルっと見渡すカムイ。

「そうですね、2人はご主人イズミルさんが生きていた時に扱っていた商品は当然覚えていますよね?」
「「も、もちろん(です)!」」
「では、イズミルさんが商品として置いていなかった(・・・・・)ものを、こちらに集めてもらえますか?」

2人はカムイに言われた通り、記憶を頼りに商品を次々に指定場所に持ってくる。
その様子を見ながら、カムイだけでなくカレリーナ、シータも唖然とし出す。
結局、集められた商品は、全体の3分の2近くにもなった。
ルイザとメリザもまさかこんなにあるとは思っていなかったのだろう、声が出ない。

「まず、今集めてもらった商品は、残念ながらいくら経っても売れません」
「「・・・・・」」
「何故だか判りますか?」
「・・・お父さんが扱っていなかったから?」
「それはイズミルさんがそうしていたと言うだけで、答えじゃありません。ヒントではありますが・・・」

カムイにそう言われるが、何がヒントなのか判らないルイザもメリザは答えを出せない。

「ごめんなさい。・・・・判らないわ」

本当に判らず下を向いて呟くように声を出すのがやっとだった。

「簡単です。どれも本来道具屋で扱わないもので、他でも手に入る商品だからです」
「「あっ!」」

カレリ-ナとシーナはカムイが何を言わんとしているが判ったようだ。

「カレリ-ナさんとシーナさんはなんとなく判ったようですが、ここにある商品類は本来道具屋にあるようなものではなく、他でも手に入るものです。イズミルさんが残した仕入れ情報にもどこにも記載はないはずです」

そこまで言われて、ルイザとメリザもようやく理解する。

「本来、道具屋って誰がお客になります?」
「錬金術のスキルを持つ冒険者や、スキルを持ってない冒険者にそれらを供給するために錬金術を活かした店を構えた人たちでした」

たしかにイズミルが残した仕入れ情報やメモには、そこに集めた商品はない。
しかも、商品を卸したり販売したりした記録には、カムイの言った通りの人たちの名前があったのを思い出す。

カムイに言われ店の隅に集めた商品は、そういった関連の商品ではなく、どうにかして店を立て直したいと色々な冒険者や王都から商売としてやってきた他の商人たちから聞いた流行りとかを聞いてルイザとメリザが仕入れたものだ。
結局は、それが逆に店を苦境に陥れる原因となっていた訳だ。

「結局は、自分で自分の首を絞めてただけなんですね・・・・。せっかくお父さんが残してくれた貴重な財産(資料)がありながら・・・」

道具屋の娘として悔しいのか、涙をポロポロ流す。

「「ルイザ・・・」」

カレリ-ナとシーナが心配して、ルイザを挟むようにして肩を抱きながら慰める。

「なら、ルイザのお父さんが仕入れてた情報を元に、商品を揃えればまた客が戻ってくるって来るってことね!」

ルイザを元気づけるためでもあるんだろう、シータが明るい声で言う。
だが、カムイの反応は薄い。

「基本的にはそうなんですが・・・・」
「何か問題でもあるの?」
「一度落ちた信用を取り戻すのは並大抵ではないということです」

カムイからの一言は、全員が理解したのか沈黙がその場を支配する。
おそらく、イズミルが亡くなってから、没落一方だった道具屋の信用は今はガタ落ちだろう。
これまでの信用はまったくとは言わないが、通用するほど商売というか商売人(・・・)は甘くないと思ったほうがいい。

「ま、方法が全然ない訳ではないんですがね」
「「「本当!!」」」

カムイ自身が難しいと言いながら、方法はあるという言葉にカレリ-ナ、シーナ、ルイザが歓喜の声を上げる。

(要は、これまで以上の信用を勝ち取ればいいだけなんだけどね。)

そのための、施策もカムイの頭の中では出来つつあった。

「店は、改装中ということで3日間休みにして下さい。その間、外から中が見えないように幕でも張りましょう。カレリ-ナさんもシーナさんももう関係者ですので、ギルドの規定範囲内で手伝ってもらいますよ」

今日は夜も更けてきたので、大まかでいいのでイズミルが店のどの辺にどんな商品を置いてたかを明日の朝までに思い出すことを、ルイザとメリザの宿題とした。
変わりにカムイはイズミルが残した資料を一晩借りることにし、今日は解散となった。

さぁ、これから3日間は忙しくなるぞ。
なんかハニートラップに捕まったみたいな形で強引に道具屋の再生を手伝う羽目になったカムイ。
やるからには手を抜くつもりはなさそうです。
後編で店の改造と新装開店を目指します。


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