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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第10節 初めてのクエスト

初めてのクエストです。
まぁ、Fランクのクエストなんてたかが知れてるんで。
気楽に読んでもらえれば^^;
翌日、いつもの時間に起床し宿の裏庭に向かう。
昨日、日課の柔軟をやる場所にいい場所が無いか女将に尋ねたところ、宿の裏庭を使っていいと言うことだったのでありがたく使わせてもらうことにしたのだ。

(しかし、昨日の夕飯は豪勢だったな)

女将であるカミアのいう通り、量はそうでもなかったが質はけっして舌が肥えているわけでないカムイでも相当美味しいと思える料理の数々だった。

(カレリーナに紹介してもらって正解だったな)

日々の食事が美味しいというだけで、人は幸せを感じるものだ。

いつもの様に1時間という短い時間ながらも集中した柔軟体操を終わると、汗をかいた服を着替えるために部屋に戻ろうとしたところに、1階の窓からユスフィが顔を出し声を掛けてくる。

「カムイさん、朝食の用意ができましたよ~」
「ありがとうユスフィ。着かえたら行くよ」

着替えが終わり、1階のレストランに行くとユスフィがウェイトレスの恰好をしながら朝食を運ぶ手伝いをしていた。
泊まっている冒険者や近所の住民だろうか、食事が美味しいとの評判だけあって朝から賑わっていた。

カムイは、比較的空いているカウンターに座って、メニューを見る。
ただ、メニューには一品しか書いてなかった『モーニングセット』と。
飲み物は複数から選べるようだが、それでも一品にも係わらず朝から繁盛するということは、よほど美味しいのだろう。

「驚いたかい?」

不意にカウンターの向こうから女将さんが声を掛けてくる。

「朝からすごい賑わいですね。メニュー見ましたがモーニングだけなんですよね?それでこれとは・・・・ほんとカレリーナさんには感謝しないといけないですね」

すでに、モーニングで出てくる朝食が美味しいものと決まった言い方だ。

「アハハハそうだね。ところでカムイはどれにする?」
「あ、ミックスジュースで」
「あいよ。ちょっと待ってな」

朝から美味しい朝食が食べられて満足するカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

朝食後、カムイはギルドに向かう。

ギルドの入り口を入るとそこは今まで見たことがない光景が広がっていた。

ギルドの依頼ボードの前には人だかりができており、皆真剣なまなざしでボード貼られた依頼カードを物色している。中には目が血走っているものまでいる。

「馬鹿野郎!それは俺が先に手を付けたんだよ」
「うるせぇ!依頼書を取ったもん勝ちだ」

なんていう喧嘩じみた声まで聞こえる。

その状況は、受付カウンターも同様だった。1分でも1秒でも早く依頼を進めたい冒険者たちが、カレリーナとシータの前にごった返していた。
当のカレリーナとシータは慣れたもんで、出された依頼書と冒険者を比べては次々処理をしていく。
中には、『あんたたちじゃこのクエストは早いわよ』と言って持ってきた依頼書を却下するといったことまでやっていた。
昨日の説明で、基本的には全てにおいて冒険者責任と聞いたが、依頼については別のようだ。
それはそうだ、ギルドが許可した人員で失敗はともかく死人が出た場合に、ギルドの管理能力の責任が問われるからだろう。そう判断された冒険者には、さすがギルドでもクエストの許可を出さないようだ。

(すげーな・・・)

と入り口で見とれていると『邪魔だ!』とか言って無事クエストを受領できたパーティが、カムイにぶつかりそうになりながらギルドを出ていく。

「カムイ、こっちだこっち」

そんなカムイにギルドの奥から呼ぶ声が聞こえた。
声の方を見てみるとワッハーブが、カムイを手招きしている。
カムイは人込みを掻き分けながらワッハーブがいる素材買取カウンターまで『ハァハァ』言いながら辿りつく。

「どうだ、驚いたか?」
「毎朝こんな感じなんですか?」
「まぁな。依頼内容や報酬のいいものは、早くしないと他のパーティや冒険者に取られてしまうからな。彼らとしてはそれこそ死活問題だからな」

言われてみればその通りだ。少しでも内容が楽で報酬のいいものを選ぶのも冒険者の資質の1つだ。

「ワッハーブさんところは、暇なんですね」
「ここが忙しくなるのは、クエストが終わったパーティが戻ってくる午後以降だからな。まぁ、今のお前さんのランクのクエストは無くなることはないから、人が減ってから選ぶといい」
「無くならない?どういうことです?」
「あぁ、基本Fランクのクエストはギルドが依頼を出しているんだ。薬草や毒消草の採取といった楽な依頼を出して、本当に冒険者としてやっていけるかを試す試験みたいな感じのクエストなんでな。薬草の1つもまともに採取できない人間がこれから先冒険者としてやって行けるとは思えないからな。まぁその分報酬は諦めてもらうしかないがな」

なるほど、希望した誰もが冒険者になれる訳ではないようだ。
資質に欠けると判断されれば、取り消しもありえると。
いわばFランクは試行期間ということか。
まだ、受付では人垣が残っているため、ついでに聞いてみる。

「ここで色々素材買い取って貰えるじゃないですか?どの魔物からなにが採取できるのかみたいな本とか資料はないんですかね?」
「ん~コブリンやオークみたいなどこにでもいる魔物であれば、必要ならギルドでも冊子を配ってるがそれ以外となるなぁ。それこそ冒険者としての財産みたいなものだから、タダで教えるような奇特な奴はいないだろうなぁ。王都の王室図書館にはまとめた資料があると聞いたことがあるが、一般には公開してない秘蔵書みたいだから見るのはむりだろうしなぁ」
「やはりそうですか」

そういう情報は、冒険者に取っては命がけで集めた情報だ。
そんな情報をタダ、もしくは安価で出に入れようと考える方が甘いのは判っていた。

(まぁ、これもある程度は予想していた範囲だし自力で情報を集めるしかないか。)

そんな話をしているうちに、受付の列も落ち着いてきたようだ。

「じゃ、俺もそろそろクエスト受けに行ってきます」
「あぁ。お前さんなら大丈夫だとは思うが、くれぐれも油断だけはしないようにな」

その忠告に片手をあげて答えてクエストボードの前に進む。
そのクエストボードは、ハイエナに荒らされたようなすごい惨状になっていた。
幾つか残ってはいたが、報酬の割に難しい仕事だったり、手間が掛かると思われ旨味が少ないと思われたクエストだろう。
クエストボードの状態に苦笑いしながら、Fランクのクエストを探す。
すると、ボードの左下のほうに見向きもされなかったのだろう、綺麗な状態の依頼カードが2枚貼ってあった。おそらくFランククエストの定位置なのだろう。

===依頼カード=====================================
対象  :Fランク以上
内容  :薬草 5個
報酬  :銅貨2枚50銭貨
追加報酬:薬草1個追加毎に50銭貨
依頼期間:3日
特記事項:なし
依頼主 :冒険者ギルド
==============================================
===依頼カード=====================================
対象  :Fランク以上
内容  :毒消草 5個
報酬  :銅貨2枚50銭貨
追加報酬:毒消草1個追加毎に50銭貨
依頼期間:3日
特記事項:なし
依頼主 :冒険者ギルド
==============================================

なるほど、内容的には至極簡単なものだ。
それに3日も掛かって達成できないようであれば確かに冒険者の資質なしと判断されても仕方がないだろう。

カムイは、2枚の依頼カードを持って受付のカレリーナのところに行く。

「あら、カムイくん、クエスト?」
「えぇ。これをお願いします」

2枚の依頼カードを出す。

「1度に2枚も大丈夫?・・・ってカムイくんには要らない心配だったかな」

その会話にシータも割り込んでくる。

「そうよねぇ、カムイくんならもっと上の依頼でも大丈夫な気がするけどね」
「いえいえ、何事も経験が大事ですし俺は新人でから。ちゃんと依頼のシステムを理解しないと周りに迷惑を掛けますしね」
「みんなカムイくん見たいに物分かりが良ければねぇ」

中には勘違いして、登録してもっと早く上のランクのクエストをやらせろという者もいるそうだ。

「そういうのに限って、途中で大怪我をして冒険者を辞める羽目になったり、いつまでもCランク止まりだったりするのよ」

そういって笑っていた。

「はい。じゃ3日後までに採取したものは依頼カードと一緒にワッハーブさんに提出して。そうしたら報酬がもらえるから。依頼カードはワッハーブさんにサインを貰って受付に提出した時点で完了になるから」
「了解です」

そういって依頼カードを受け取りギルドを後にする。
その際、カレリーナから’植物採取のしおり’なるものを貰った。
なんでも新人には配布しているそうで『状態が良くないものは、報酬の減額になるから』とのことだった。


南門に向かうと、いつものようにフーキとマゴノが門の前で警護に立っていた。

「おぅ、カムイ。これからクエストか」
「えぇ、初クエストなんですよ」
「そうか、頑張れよ」

彼らは、仕事がら犯罪者や怪しい人物には声を掛け色々尋問はするが、それ以外ではあまり個人的なことに関しては立ち入ってこない。
昨日も、ノップス商会の見送りの際に王都側北門のワイズとビルートという門番を紹介されたが、既に冒険者登録を済ませていたので簡単な挨拶をしただけで、模擬戦のことも含めて個人的なことは聞かれなかった。
そういう風に訓練されているのかは判らないが、カムイにはそれが有難かった。
次際のところ、たった1日で模擬戦の話について相当話題にされ辟易していたからだ。

門を出ようとしたところで、マゴノが言い忘れがあったのか声を掛けてくる。

「あぁそうそう、日没になると門は閉めちまうからそれまでには帰ってこいよ」
「判りました」

そう言ってカムイは街を出る。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

暫くは街道沿いに歩いていたが、南門が見えなくなったところで左脇に逸れ森に入る。
マップ上には薬草、毒消草をはじめ、色々な素材が表示されていた。
そのため、クエストについては簡単に終らせることができるのだが、当然のことながらそんなことをするつもりはなかった。

「ますは、素材を集めるは当然として地理の把握だな。できるだけマップは開放したいな。後はどんな魔物がいてなにが素材になるのかの情報も集めたいな~」

当然のことながら、魔物を示す赤いマーカーも点在している。
そう言ってファストウォークを唱えたあと、街を起点に半時計回りに街から遠ざかるように疾走し始める。
そして20km程距離進んだり、行き止まりだったりしたら引き返すを繰り返してマップをどんどん解放していく。
錬金術のお陰で、採取しながらほとんどの素材の用途は判ってはいたが、中には何に使うのか判らない素材も含まれていた。
が、お構いなしにマップに写っている素材は片っ端から採取していく。
その間、コブリンや、オークといったこれまでに遭遇した魔物から、初めて遭遇する魔物もいたが全て狩っていた。
ちなみ、この3日間で遭遇したのは新しい魔物は以下だった。

======================================
 名前:オーク グラント
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:15
======================================
======================================
 名前:バーベット バット
 種族:魔物/バーベット バット

 Lv:18
======================================
======================================
 名前:ケロフ ウルフ
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:20
======================================
======================================
 名前:トリムデン
 種族:魔物/節足動物

 Lv:19
======================================

オークグラントを除いて皆カムイよりLvが高かったが、単発での出現だったため問題なく狩ることができた。
ただ、ゲームで慣れていたとはいえ実際に自分よりでかいトリムデンが出たときには流石に鳥肌が立った。

マップの方はというと、この3日間で街を中心に20km程の距離をコンパスでグルッと北門まで半円を描いたような範囲まで開放していた。
その間、ダンジョンと思われる入り口を3つ、遺跡とおぼしき廃墟を1つ見つけていただが、それは後日のお楽しみとしてまずはマップの開放を優先した。

3日目を向かえクエストとマップ開放の目的を果たす頃には、Lvも2つほど上がっていた。

夕方、ギルドに向かいワッハーブに依頼カードと薬草、毒消草をそれぞれ5個提出する。

「カムイにしては、時間が掛かったじゃね~か」
「まぁ、色々ありまして」

素材を確認しながら聞いてくるワッハーブに苦笑いで答える。

「どれも、問題なさそうだな。ちょっと待ってろ」
「あ、ちょっと待ってください」

そう言って奥に報酬を取りに行こうとするワッハーブを引き止める。

「どうした?」
「できれば、これらも査定をお願いしたいんですが」

そういって、ケロフウルフの牙や皮、トリムデンの毒袋等クエストの間で狩った魔物の素材をテーブルに積んで行く。
詰まれた素材の数を見て呆れるワッハーブ。

「お前、薬草取りにいってたんじゃねーのかよ・・・」
「アハハハハ」

そう言いながらも手際よく査定していく。

「そうだな、素材だけで金貨3枚と銀貨230枚、銅貨500と銭貨30枚ってとこだな」
「そんなに?」

カムイはあまりの高額に驚いた。

「お前がもってきた毒袋は、めったに手に入らない貴重な素材なんだ。持ってる魔物自体はそうLvも高くないんだが、毒袋のある場所が急所の近くなんでなベテランでも狩った際に潰しちまうことが多いんだよ。で、どうする?」
「その金額でお願いします」
「判った」

そいうって、この前と同様に報酬の入った袋を奥から持ってくる。

「ほら。クエストの報酬も一緒に入れておいた」
「すいません」
「それとこれ」

依頼カードを差し出す。
依頼カードには、ワッハーブのサインがされていた。

「それをカレリーナかシータに渡せばクエスト完了だ」
「ありがとうございます」

そう言って依頼カードを受け取り、シータに提出する。

「確かに。これでクエストは完了ね」

受け取ったシータは、内容を確認し問題ないことをカムイに告げる。

「あと1回、Fランクのクエストを完了させればEランクに上がるから頑張って」

そう言われながらギルドを後にするカムイだった。
当然のことながら、ただクエストをこなすだけではなく、情報収集は基本中の基本ですね。
次節も似たような感じですが、ある発見をすることで思わぬ展開が待ち受けます。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。


ギルドリング:八岐大蛇
======================================

 冒険者ランク:Fランク

 クエスト達成数:2

 魔物討伐総数:23

 討伐レイド:0

 踏破ダンジョン:0

 踏破モニュメント:0

 踏破ラビリンス:0

 踏破タワー:0
======================================
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