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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第7節 果たされた約束 前編

いよいよカムイとエバンスの模擬戦です。
でも、いつものごとくで申し訳ありませんが、7節中に戦闘を終わらせるつもりで書いていたのでが、1節では終りそうもないと諦め、前編、後編に分けることにしました。
さてさて、どう展開することやら・・・・

8/14 誤字脱字の修正。本文の内容に影響のない範囲での言い回し等の修正
冒険者ギルドの訓練場。
冒険者の育成や訓練のために併設された直径30m程の円形の訓練場だ。
魔法の訓練用には作られておらず、あくまで武器を使っての戦闘がメインの訓練場のようだった。
訓練場は、エバンスの言っていた通り誰も使っておらず、訓練用の人形や的が訓練場の隅のほうに設置されているだけだった。

「こんな場所がギルド内にあったんですね」

カムイは、素直に感心する。

「最近は、冒険者になろうなんて若い者も少なくなってな。以前ほどは使われていないんじゃよ。新しい武器の試し切りとか、新規や急造パーティの連携確認とかな」

ギルバードは、少し寂しそうに語った。

生活が豊かになってくると、就ける職の選択肢が広がる。
そんな中、わざわざ生命の危険すらある冒険者になろうなんていう若者は減っているそうだ。
ただ、それで冒険者が居なくなるかというとそういう訳でもない。
冒険者が狩りやダンジョンで採取してくる素材やアイテムは、一般生活には欠かせないものばかりだし、街の人たちから持ち込まれるクエストにしても冒険者でないと対処できないものばかりだ。
やはり、一番稼ぎがいいのは冒険者であることには間違いはない。一攫千金を狙う者や家庭や個人的な事情があり仕方なく冒険者になる者はいるが、やはりそれは一握りであって『命には変えられない』といったところだろう。


だが、今日の訓練場はいつもと雰囲気が異なっていた。
噂が噂を呼んで、観客席には溢れんばかりの冒険者や街の人たちでごった返していた。
たかがBランクとFランクの冒険者の模擬戦のはずだが‘満員御礼’状態になっていた。

その興味はただ1点、カムイだ。
『魔族に似た冒険者を見てみたい』という一般人の野次馬と、『実力はどの程度あるのか』といった冒険者からの値踏み。
いろんな思惑が渦巻く中、ギルバードを含むエバンスとカムイが訓練場に現れると大歓声が起きる。
そのほとんどの視線がカムイに向けられる。

(うわっ!?勘弁してくれ・・・これじゃ針の筵だよ)

一斉に視線を向けられたカムイは困惑を隠せない。
ある程度は覚悟していたが、ここまであからさまにほぼ全員から見つめられると居心地が悪い。
それでもやることは決まっているため、柔軟などで闘いに向けて準備を始める。

一方のエバンスとギルバードも困惑している。
まさか、このような大袈裟なことになっているとは思わなかった。

(もっと穏便に済ませたかったのだがなぁ。まぁこんなことで萎縮するタイプとは思えないが・・・・・・)

いつもと変わらぬ雰囲気で準備運動を始めているカムイを見る。、

(それより、俺が負けるなんてことのほうがよっぽど洒落にならんぞ)

逆にプレッシャーを感じつつエバンスも闘いに向けて準備を始める。

ギルバードは、ギルバードで苦笑いを浮かべながら観客席を見渡している。

(何時以来じゃ。こんなに人が入るのは。しかも領主のロトクルイド男爵まで来ておるではないか。皆よほどカムイに興味があるらしい。普通に考えたらFランクの新人なんじゃがのぅ・・・)

そう思いつつ、内心唯では済まないような気がしているギルバードだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

観客席は、仕事終わりや休暇だったりした冒険者や、カムイの風貌に興味津々な住民がほとんどを占めていたが、その中に少し事情の違う2組がいた。

1組はロトクルイド領主であるロトクルイド男爵のグループ。

「スフライド、お前からみてあのカムイという少年どう映る」

スフライドと呼ばれた男は、ロトクルイド領第一近衛隊隊長である。
男爵自身もある程度腕に自信はあったし、領主として人を見る目にも自信がある。
代表執事のコロバルトも、護衛としての腕はそれなり立つし執事経験からの人物評は信頼できるが、それでもやはり専門家であるスフライドの意見も聞きたくて急遽連れてきていた。

「まだ始まっていませんので今の時点ではなんとも。だた、昨日登録したばかりのFランクにしては落ち着いているというか、場慣れしているというか新人とは思えない雰囲気はありますね」

そう言いながら、カムイの準備運動を注視している。

「武器はなんに見える?」
「短剣でしょう。腰に短剣を差しているようなので。しかも2刀を準備しているように見えます」
「2刀じゃと?双剣使いということか?」
「そこまでは判断できませんが、もし本当にあの年で双剣が使えるとなると、この試合面白い展開があるやも知れぬかと」
「フム、先入観は正常な判断を狂わすが、期待しても良さそうではあるな」

そんなカムイ評をしている所に、もう1組の事情の異なるグループである黒狼隊の会話が聞こえてきた。


カップス、リエーリア、リーア、ナタリー、フィリックの黒狼隊のメンバーである。
事前にエバンスからカムイと模擬戦をやることは聞いていたがこの騒動に正直驚いていた。

「兄貴は勝てるよな?」

実際に手合わせをしたことのあるフィリックが心配するように、カップス、リエーリアに聞いてくる。
普通であれは、BランクとFランクの模擬戦なのでBランクのエバンスが勝つといいたいところだが、相手はあのカムイである。
実際になにを仕掛けてくるか、皆目見当が付かないだけに即答できない。

「リエーリアはどう見る?」
「正直判からないわ。カムイのこれまでの行動が本気だった(・・・・・)のかすら最近は疑っているのよ」
「まさか!あれでもまだ実力を隠していると?」
「そう思えるだけで確証はないわ。ただ、カップスあなたはエバンスと付き合いが長いんでしょ?実戦や模擬戦でエバンスがショートソード(・・・・・・・)を使っているところを見たことある?私は初めてみるわ」

そう言われて、訓練場で準備しているエバンスを見る。
確かにルロワ村での模擬戦ではロングソードを使おうとしていた。
だが、今日はショートソードと盾という装備で挑もうとしていた。

「確かに力が付いていない若い頃は使っていたが・・・まさか、エバンスもカムイはこれまで本気を出してなかったと思っているのか?」
「少なくとも私はそう見るわね。武器をショートソードに変えたのも、カムイのスピードに対応するためじゃないかと思ってるんだけど・・・」
「たしかに、カムイの厄介さはスピードではあるが、うまく力勝負に持っていければ・・・」

そんな話の途中で、リーアが口を挟む。

「あら、カムイの力も相当なものよ?」

カップスがエバンスに有利な力勝負にと言ってるそばからである。

「え?リーア何か知ってるの?」
「なに言ってるの?リエーリアたちだって見てるわよ。あ、そっか、リエーリアはナタリーの看病してたから見てないか」
「どういうこと?」
「盗賊を退治した時よ。盗賊を処分するさいゾンビ化をさせないために穴に死体を運んだじゃない?カムイ平気な顔して一度に2、3人は担いでたわよ」

リエーリアは、カップスの顔を見る
カップスは覚えてないとばかりに首を横に振る。
意識のある人を運ぶより、気絶した人や死体を運ぶ場合には何倍もの力が必要なのは、誰もが経験上知っている。
お世辞にも筋肉質とは言いがたいあのカムイが軽々と2、3人を運ぶなんてことは、実際に聞いても信じられなかった。

「ますますこの試合先が見えないわね・・・・経験差でどこまでアドバンテージが取れてるかくらいしか言いようがないね」

そうリエーリアが呟いたとき、一人の執事らしき人物が黒狼隊のメンバーのところに近寄ってきた。


「お話中のところ失礼致します。黒狼隊のメンバーの方々で間違いありませんでしょうか?」
「そうですが・・・」

リエーリアはメンバーに振り向き『誰か知ってる?』と無言で問いかけるも皆首を横に振る。

「これは失礼致しました。私ロトクルイド領主トプランド・ロトクルイドの代表執事をしておりますコロバルトと申します。以後、お見知り置きを」

メンバーは驚いた。
いきなり領主の執事が現れたのだ。

「盗み聞きしたようで失礼かと思いましたが、皆様方がお話していた内容に我が主が大変興味を持ちまして。是非一緒に観戦したいと申しておりましてご同席をお願いできないでしょうか?」

そういって、ロトクルイド男爵がいるほうを目配せする。
そこには、こちらを見て軽く会釈するロトクルイド男爵がいた。

「如何でしょうか?」

そこまで言われて領主の誘いを断る勇気のあるメンバーは誰もいなかった。

「私共でよければ・・・・」

そう返すのが精一杯だった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

闘技場の外で行われていた様子にお構いなしに、カムイとエバンスの準備は終りを迎える。

揃って中央にいるギルバードの元に歩み寄る。
それを見て、ギルバードがルールの確認を行う。

「ルールは、アクティブスキルと魔法の禁止。どちらか片方がギブアップを宣言するか戦闘不能になるまで行う。僅差の場合はワシが判定を下す。それでいいか?」
「問題ありません」
「問題ない」

カムイとエバンスがそれに承諾の意を示す。

「それでは2人とも、正々堂々と闘うように」

そう言って2人を一旦開始線まで下がらせる。
それを見届けてから、開始の合図を宣言するのだった。

「はじめ!」
案の定というか、野外のストーリーを書いていくうちに戦闘までたどり着きませんでした^^;
なんか、引っ張るだけ引っ張てるようで申し明けありません。
8節は、本当に本当に戦闘開始になります^^


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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