挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

28/102

第6節 ヴューベルのギルド長

ちょっとリアルが忙しくなり更新とUPが遅れました。
6節は別の内容を予定していたのですが、構想を練ってる時間があまりとれませんでしたので、幕間みたいになって申し訳ありませんが、ギルド長の登場のみにさせてもらいました。
王都から戻ったあと、黒狼隊やノップス商会の面々と昼食を取った。
その際、黒狼隊のメンバーには、王都での出来事を伝えている。
カムイ一人だけで出来事に遭遇したのなら言うこともなかったのだが、相手が大手クラン(氏族)ということもあり、ナタリーが一緒に居たため万が一にも黒狼隊のメンバーに迷惑が掛かるかもしれないと思ったからだ。
が、エバンスはあまり気にした様子もなく『一応、気をつけておこう』と言っただけでそれ以上はなにも言わなかった。

昼食後1時間程の休憩をしてから、カムイと黒狼隊のメンバーは冒険者ギルドに向かっていた。
今日は、カムイはローブを着ずに普通に冒険者の格好を晒している。
いつまでも、ローブで隠している訳にも行かないし、この街を冒険者の最初の拠点にすると覚悟した以上は、好奇の目にも慣れる必要があるし住人にも顔を知ってもらう必要がある。
街ですれ違う住民たちは最初は驚いた顔をしたり、遠目から見ている住民は物陰に隠れながらヒソヒソを話をしたりしているが、昨日のギルド内の一件がすでに噂になっているのだろう、大きな騒ぎにはならなかった。エバンスたちも一緒だし、指にはめられているギルドリングも功を奏しているのだろう。

(こればっかりは、時間が解決してくれるのを待つしかないか)

周りの反応を見ながらため息を吐く。

それにしても、エバンスが言っていた会わせたい人と言うのが気になる。

「エバンスさん、俺に会わせたい人って誰なんです?」
「まぁ、会ってからのお楽しみだな」

聞いてもはぐらかされるばかりで一向に教えてくれない。

そうしているうちにギルドに到着し一行はギルドに入ると、それまで喧騒としていたギルド内が静寂に包まれる。
理由は判っていた。
昨日は、フードで顔を隠していたカムイが、今日は普通に顔を晒して入って来たために視線が集まる。
暫くすると、ヒソヒソと囁く声が聞こえてくる。

「あれが、昨日言ってた新入りか?」
「本当に、見た目は魔族にそっくりだな」
「でも、ちゃんと人族でリングが作成できたらしいぞ」
「まだ15歳なんだって。若いし可愛いわねぇ~」
「それに良く見るといい男じゃない」

男性陣と女性陣では若干反応の内容は異なるようだが、それでもカムイに興味津々といった感じである。

「オラオラ、井戸端会議なら他所でやりな。そんな暇があるなら仕事しろ。仕事!」

そう言いながら受付の後ろにある階段から一人の中年男性が声を上げながら降りてくる。
身長は180を超えたあたりに見えたが、服の上からでも判るほどの分厚い胸板に丸太のように太い腕と腿。
冒険者だろうか相当に鍛えられているようで、実際の体格よりは大きく見える。
しかも、そんな見かけの無骨さとは裏腹に、歩様にはまったくといっていいほど隙が無い。

(凄腕の冒険者のようだが誰だ?)

「こっちは今日の仕事は終わって、一杯やってるところさ。なぁ」
「おおともよ」

併設させている酒場にいた冒険者たちは、そんな男の言葉に応じる。

「そういうギルド長こそ、そんなところで油売ってていいんですかい?」

(ギルド長?どうりで・・・雰囲気が他の冒険者と全然ちがうはずだ)

「俺か?俺はほれ仕事後の一休みといったところだ。この後人と合う約束もあるしの」
「その割りには、カレリーナとシータが後ろで凄い顔してますぜ?いいんですかい?」

皆にそう言われ、ギルド長と言われた男は、恐る恐る後ろを振り返る。

「キルド長、仕事後の一休みとは仕事をしたちゃんとした人が言うセリフです!」
「そうですよ。一番仕事してないのはギルド長なんですよ!」
「うっ・・・」

カレリーナとシータにそう言われて、言葉に詰まる。

「い、いや、ほら今日は午後から黒狼隊のエバンスとのアポがあったじゃろ。じゃからこうして時間通りにだな・・・・」

そう言い訳しながらも目が泳いでいる。

「えぇ、そうですね。でもお約束は午後で午前中はたっぷり時間があったはずですが、書類の量が減っていないというのはどういうことなんでしょうね」
「まぁ、すでにエバンスさんもお見えなので、この話はその後でた~っぷり伺いますからね」
「なっ!?この後は赤娼館のエバちゃんと「「は?何ですか?」」・・・いえなんでもありません・・・・はぁ~」

なにか言いかけたが、2人に睨まれ凄まれて言葉を飲み込む。
どうやら、キルド長はいつもこんな感じで2人は頭が上がらないようだ。

(なんか威厳もなにもあったもんじゃないな・・・)

「相変わらずですね、ギル」
「お前さんが、今日なんか指定してくるからデートの約束潰れてしもうたじゃないか」
「それは、普段の行いのせいでは?」
「ぬかせ」

そう言って二人はガッチリ握手を交わす。
そうして、エバンスの後ろにいるカムイに視線と移す。

「お前の言っとった面白そうな小僧とはそついつか」
「あぁ、カムイだ。昨日冒険者登録したばかりで、王都の黄金の獅子に喧嘩を売ってきた(・・・・・・・・)新人だ。カムイ、この人は「ギルバートじゃ!」」

エバンスの言葉を引継ぎ名乗るギルバート。

「本人が一番疑問に思っとるが、なぜかギルド長をやらされておる。しかし、登録初日にあの(・・)黄金の獅子に喧嘩を売るとは・・・」
「カムイです。それと、誤解があるようなので訂正しておきますが、喧嘩を売られたので買っただけ(・・・・・)ですから」

そう言って、ギルバートと握手をする。

「ちなみに、ギルは元Aランク冒険者だ」
「もう何年も前に引退はしたがな」
「抜かせ、覇気は全然衰えてないくせに」

元Aランク冒険者と聞いて、さっきの階段の身のこなしに合点がいった。

(元Aランクでしかもギルド長、エバンスは随分親しいようだがどんな関係なんだろうな)

エバンスは、ギルバートのことを‘ギル’と呼んでいたことから、ひょっとすると昔一緒にパーティでも組んでいたのかもしれない。

「ところで、そのカムイとやらを紹介するためだけ(・・)に、ワシに時間を取らせた訳ではあるまい?」
「あぁ、本題は別のところにある」

そう言ってエバンスは、カムイに対し今日の目的を話す。

「明日には俺たちは商隊の護衛で王都に戻らなければならない。だが、ずっと心に引っ掛かっているものがある」

カムイもなんとなくだが、エバンスが言おうとしていることに気が付いた。

「模擬戦ですか」
「そうだ。ルロワ村ではフィリックの我侭を聞いたために対戦することが出来なかったが、どうしても王都に戻る前に一度手合わせをしたくてな。どうだ、受けてくれるか」

この申し出はカムイとしては想定外だったが、カムイ自身もあの模擬戦については思うところがあった。
フィリックの申し出を断り、あのままエバンスと対戦していればどういう結果になっていたのだろうかと。
それに、エバンスに再戦を申し込まれてから身体が熱くなってきている自分の気持ちが抑えきれなくなってきているのを感じていた。

「こちらからお願いしたかったくらいです」

そういって模擬戦の再戦を承諾する。

「今日の午後は裏の練習場も空いていたはずだしそこを借りたい。それにギル、あんたには模擬戦の審判をお願いしたい」
「本気か?」

Bランク冒険者と昨日登録したばかりのFランク冒険者の模擬戦。しかも申し込んだのはBランク冒険者。どれを取っても前例が見当たらない。

「頼む」

エバンスは、短くギルバートに答える。
それだけで、エバンスが本気であることが判る。
ギルバートは、ギルド職員に練習場の確保を命じるのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

エバンスとカムイの模擬戦の話は瞬く間に冒険者間で広まっていく。
エバンスの相手がカムイでなければ、いくらエバンスから対戦を申し込んだとしてもこれほど注目を浴びることはなかったかもしれない。
普通に考えればBランクとFランクの対戦であり、Fランクがとても敵うとはとても思えない。
だが、カムイの容姿が魔族に似ているというだけで『何かが起こるのでは?』という妙な期待感に溢れていた。


そして、ここにもう一人その話に興味を引く男がいた。

「なに?もう一度いってみろ」
「昨日話題になった、例の魔族に似た新人冒険者が模擬戦を行うようです。相手はBランクのエバンスという冒険者です」
「エバンス?聞いたことがあるな」
「はい。王都を中心に活動しているようですが、Aランクになるのもそう遠くないといわれている冒険者のようです」

話を聞いているのは、ロトクルイド領の領主であるロトクルイド男爵、トプランド・ロトクルイドその人である。
報告をしているのは、代表執事コロバルト。

「コロバルト、出かけるぞ」
「観に行かれるのですか?」
「うむ、どうもその魔族に似たという新人冒険者、名はなんと言ったか」
「たしか、カムイと」
「カムイか。なぜか妙に気になってな」

トプランド・ロトクルイドが男爵の地位に就いているのはもちろん彼自身の才覚でもあるのだが、こういったときの勘というか鼻が利くところが大きいことは、長年連れ添ったコロバルトは知っている。

「すぐ手配します」
「頼む」

(魔族に似た新人冒険者か・・・・駒として役立つか見極められればいいが・・・)

カムイの知らないところで、別な思惑が動き始めるのだった。
まぁ、よくある話で、ギルドで一番偉いのはギルド長ではなく、受付嬢というパターンでした。
7節はいよいよルロワ村では実現できなかったエバンスとの模擬戦です。
どういう結末になるか、ご期待下さい。(あ、しまったハードル上げちゃったか!)

あと、流れ的にロトクルイド男爵を登場させるタイミングが出来たと思って、予定外ですが登場してもらいました。まぁ本格的に絡みだすのはもう少し先の節になる予定ではありますが・・・


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ