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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第5節 王都見学

5節は王都での話は、リターンの登録だけにして、冒頭にあったエバンスやギルド長らとのギルドでのやり取りにしようとか思っていたのですが、王都での話が存外長くなったので内容を変更しました。

8/7 誤字脱字の修正及び、本文の流れに関係しない範囲での修正の実施
完全に肩透かしとなったテンプレで意気消沈した翌朝、毎朝の鍛錬中のエバンスに声を掛けられた。

「今日の午後もう一度ギルドに来てくれ。紹介したい人物もいるし」

特に、今日の予定を決めていた訳ではないので『判りました』と返事し、待ち合わせの時間を決める。
この時は、知り合いの冒険者でも紹介して貰えるのだろうと思っていた。

朝食後、昨日受け取ったハフリーとガットの懸賞金の分配をすることになった。
懸賞金は、結構高額が掛けられていたようでハフリーで金貨80枚、ガットでも金貨45枚、その他集めた武具や馬車にあった素材等で金貨12枚と結構な額で計137枚となり、6等分で配分することになったが、そうすると端数が出てしまった。
で、配分について端数をどうするかで揉めるのだが・・・と言っても、エバンスたちはカムイに、カムイは黒狼隊で分けるべきとお金の分配にしては珍しい押し付け合いになった。最終的にはナタリーの治療費という形でエバンスたちに押し切られてしまった。
そうまで言われては、カムイもいつまでも我を通すわけにもいかず『では、ありがたく頂いておきます』と礼を言って受け取った。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

午前中時間が出来たので、ナタリーに以前お願いしていたリターンの登録先にするために、王都セリュルブに連れて行って貰う事になった。
相変わらず騒動になるということで、ローブを深めに被ってから出かけることになった。
ナタリーにパーティ申請を出してもらうと、ギルドリング上にパーティ申請依頼受信中と表示されたので‘はい’を押す。
するとギルドリングの情報に、先日説明を受けた通りパーティ名が表示されていた。

======================================

 パーティ名:お友達
 冒険者ランク:Fランク

 クエスト達成数:0

 魔物討伐総数:0

 討伐レイド:0

 踏破ダンジョン:0

 踏破モニュメント:0

 踏破ラビリンス:0

 踏破タワー:0
======================================

(お友達って・・・)

ナタリーを見るとちょっと照れくさそうにしていたが、なにも言わないほうがいいなと思いパーティに参加できたことだけを告げる。

「実は外から街や村には戻ったことがあるんだが、街から街に転移するのは初めてなんだ。その場合も一旦街の外にでないとダメなのか?」
「いえ、大きな街には必ず教会があり、通常はそこに転移用のマジックサークルがあります」

どうやら、教会の敷地内にリターン魔法の使用が許可されているマジックサークルがあり、そのマジックサークル間を行き来するようだ。
街中にいきなり人やパーティが現れ、周囲の人間が驚くことがないようにとのことなんだろう。

「とりあえず、教会に向かいましょうか。実物を見てもらったほうが早いと思うので」

ナタリーの提案に従い、教会に向かう。
ヴューベルの教会は、王都側の門からそう離れていなく、しかも街から少し放れた閑静な場所にあった。
教会らしく、周りは街の中だが木々で囲われ厳かな雰囲気を漂わせている。
その教会の正面から向かって左側が少し拓けた場所になっており、そこの芝生の上に直径10m程の白いマジックサークルが描かれてあった。いや、この場合描かれていると言うよりも、紋様が浮かんで見えるといった方が表現的には正しいかもしれない。

「通常は、こうやって白いままですが、転移が始まると光りだします。そうすることで誰かがリターンを使ったんだろうなということが判るため、場所を譲ったりするための目印になります」
「それは判るが、王都の場合は人の出入りが多いだろうから大変じゃないのか?」

カムイは、王都もこれと同じ程度の大きさのマジックサークルだと思っての質問だった。

「王都のように大規模都市の場合は、教会が1軒なんとことはまずあり得ません。それに王都のマジックサークルはこれの倍以上の大きさがありますから、場所の譲り合いをしなくても何組も同時に転移が可能なんです。ただ、王都に移動する場合どこの教会に出るかはランダムらしいので難点といえばそのくらいですね」

と笑いながらナタリーは説明してくれた。

(これの倍?どんだけデカイんだ。そんな話を聞いたら、早く王都を見てみたいという気になるじゃないか)

ソワソワし始めたカムイの様子からそれを感じたのか、

「待ちきれ無いようなので、そろそろ行きましょうか」

と笑顔でナタリーに言われ、バツが悪そうに『頼む』と言ってナタリーをマジックサークルの中に入る。するとナタリーの全身に魔素(マソ)が集約しはじめたと感じたと思った次の瞬間、その魔素(マソ)がカムイを包み始める。

(複数人で使ったことが無かったから判らなかったが、こういう感じで一緒に運ぶメンバーを選定してるのか)

そう感心している間にも、準備は完了したようで、

「では、行きます。リターン!」

ナタリーの詠唱と共に2人の身体は虚空に消えるのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

2人の視界が一瞬霞んだように見たえたあと、目の前には先ほどのヴューベルの町並みとは違う景色が広がっていた。
2人が転移された教会は、小高い丘の上に建っている教会だったため、王都が一望とは言えないまでも広大な街並みを見ることができた。
ナタリーは、普段から王都で活動していることもあり平静を装っていたが、カムイはヴューベルでさえ驚いたのに、それ以上の街並みに圧倒される。

(これが王都セリュルブ・・・)

「おい!転移が終わったんなら場所を空けろ!」

その声にハッと我に返り『すいません』といって、慌ててマジックサークルから外に出る。
たしかに、ナタリーの言うとおりヴューベルの倍近いマジックサークルがそこにはあった。
王都だけあって、引っ切り無しに転移していったり、転移してくるパーティや人々。
ただ、見ると明らかに冒険者ではないパーティや人々も含まれている。

「ナタリー、あのパーティは?」

そういってカムイが指差すパーティを見たナタリーは、『あぁ』と言って説明してくれた。

「あの方たちは、運送業の方たちですね」
「なるほどね」

そう言われて納得した。
現代社会でも輸送に掛かる時間、コストは商売に大きく影響する。
交通機関が発達した現代社会でもそのような状態なので、こちらの世界で時間、コストを大幅に削減できればどのくらい稼げるか計り知れない。
カムイは、今回の特産品に関してはそうするつもりだが、各国をリターンで回れるようになれば、3点、もしくは4点輸送で大儲けできるだろうなとも考えていた。
ただ、現時点ではそんなことをするつもりはなく、本当に困窮した時だけにしようとは思っているのだが。

とりあえず、王都に着いたのでリターンで選択できるか確認してみる。
今、リターンに登録してあるのは、ルロワ村とヴューベルだったが、選択肢にベトンとセリュルブが表示されたので、慎重にセリュルブを選択した。
ここで、間違えてベトンを選んだなんてことになったら笑い話にもならない。

[リターン(3/3) Lv1]

リターンは、Lv1毎に3箇所の登録ができるため、無事登録できたようだ。

「無事登録できたよ。ありがとう」

カムイは、ナタリーに礼を言うと、少し頬を赤くしながら『いいえ、大した事はしてませんから』と俯き加減で呟いた。
その返事の仕方がなんか気まずいと思ったのだろうか、

「用事も済んだので帰りましょうか」

と言うナタリーに対し、

「え?」

『なんで?』と首を傾げるカムイ。

「え?」

そのカムイの返答にナタリーも疑問符を投げ返す。

「せっかく王都まで来たんだし、少し散策しようよ」
「え?でもエバンスさんとの約束があるんじゃ・・・・」
「それは午後ってことだしまだ時間あるでしょ。ナタリー案内してよ」
「ち、ちょっと、カムイさん!」

カムイは、強引にナタリーの手を引いて街中に向かって歩き出した。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

結局、カムイの押しに負けて王都を案内することになったナタリーだが、諦めた感というよりは少し恥ずかしそうに、カムイの後を付いていく。

(こ、これって、ひょっとしてデ、デート??)

カムイにはさらさらそんな気はなかったが、ナタリーの脳内はそんな妄想を抱いていた。

「ほら、ナタリーが案内してくれないと判んないよ。」

そういって自分の隣に来るよう促す。ナタリーの顔は真っ赤で今にも湯気が立ち上りそうだった。

「ところで、この辺はどのあたりなの?」

カムイにそう言われてようやく我に返る。

「こ、この辺りは、し、商業区です。ノップさんの店もこの区画にあります」

どうやら、王都は商品を売買する店が集まった商業区、鍛冶場や皮細工、木工所等の集まった工業区、住民が住んでいる居住区があり、あとは一般の人は余り入れない貴族街、軍用区など目的に応じて区画が決められているそうだ。

「冒険者ギルドはどの辺にあるんだ?」
「あれですよ」

そう聞くとナタリーは指で1つの建物を指差し、今いるところからそう遠くない所にレンガ造りの3階建ての建物が見えた。

(王都といえどもギルドの造りは無骨なんだな・・・・)

「あそこに、ギルドマスターも常駐しています」
「ギルドマスター?ギルド長となんが違うんだ?」

そのあたりの説明は、ギルドでは聞いてなかった。

「ギルドマスターは各国に1人しかいません。で、その国のギルド責任者ということになります。ギルド長は、各街にあるギルドの支部長になります」

なるほど、ギルドの最高責任者があそこにいるのかと思いつつ、自分で聞いて置きながら関係ないやと失礼なことを思っていた。

「ところで、ここが商業区ってことは装飾品売ってる店あるよね?」
「それはありますけど」
「リーズナブルな価格でしかも冒険に役立つ装飾品の店って知らない?」

それならと黒狼隊がいつも利用している店を紹介する。

「いらっしゃいませ!おや、ナタリーじゃないかい。今日は一人かい?」
「友達が装飾品が見たいというから、連れて来たの」
「おや、そうかい。ナタリーの紹介とありゃ少しはサービスしないとね」

といった会話が後ろのほうで聞こえていたが、カムイはお構いなしに店の中に入る。
そこには、所狭しと装飾品が並べられており、鑑定をしてみると確かにナタリーの言うとおり性能はソコソコと言った感じの品揃えだった。
ただ如何せん、この性能でこの値段が相場として妥当なのかは今のカムイには判らない。
この世界で生きていけばその辺りは自然と身に付くと思っているが、とりあえずは手持ちの金額との相談しかないので、ナタリーにはリーズナブルナな価格の店と言ったのだった。

結局、カムイが選んだのは、2点だった。

守護の腕輪(D) :防御力 +10、魔法防御力 +8
妖精の首飾り(D):風属性 +12

合計で金貨4.5枚の所をサービスで金貨4枚におまけしてもらったので、お礼をいい店を出た。

「そろそろ戻ろうか」
「そうですね」

そう言いながら、もと来た教会に戻ろうと歩き始めた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

もう少しで商業区から教会への道に入ろうかという辺りで、一人の冒険者が前から歩いて来ていた。
その冒険者は、身長2m近くあり筋肉の塊と言っていいほど筋骨隆々の獣人で、しかも道は緩やかとはいえカムイのほうが上っているところだった。

ドン!

前から歩いてきた冒険者とすれ違うところで、その冒険者がワザとカムイにぶつかってきた。
この男、大手クラン(氏族)に属していることをいいことに、こうやって当たり屋の真似毎をしては相手から金品を巻き上げるので有名な冒険者だった。
金品を取られた冒険者も相手が大手クラン(氏族)ということで泣き寝入りするケースが殆どだった。

本来、体格差や相手が下り坂だった状況を考えれば、カムイが転がるか尻餅を付くことが予想されたが、実際にぶつかった衝撃で転んだのは獣人の男だった。
男は何故自分が転んでいるのか状況が良く判っていないようだった。
その間に2重、3重の野次馬が集まってくる。
その中には『またかよ』『気の毒にな』とか言ったカムイに向けた同情の声が漏れ聞こえてきた。
逆にカムイは、

(もう俺にはテンプレこないのかと思ったよ!)

などと歓喜の表情を隠しながら倒れた冒険者に『大丈夫ですか?』といって手を差しだす。
そこで、男はようやく今自分が置かれている状況に気が付く。
カムイが差し出した手を払いのけ、慌てて立ち上がる。

「痛て~じゃなえぇか、この野郎!」
「ぶつかって来たのはそちらだと思いますが?」
「うるせぇ!俺を誰だと思っている!」
「知りませんね」
「俺は、クラン(氏族)黄金の獅子の「あぁ、そういうのはいいので要件だけ言って下さい。金ですか?」」

何か言おうとしているところをワザと遮り、早く要件を言えと面倒くさそうに突き放す。
金と言われて、目的は果たせそうだと思ったのか、

「判ってるじゃね~か。こっちは出すもんさえ出して貰えれば文句はねぇんだよ」

と大きな声を張り上げる。
それに対してカムイは、男の後ろにいる人垣に向かって『少し空けて下さい』と言って人垣にどいてもらう。
それを見ていた男は、

「テメェなに「一回死んでろ」ゲボォォォ・・・・」

とセリフを言い終わる前に鎧の上からカムイの前蹴りを腹に喰らって、20m程転がって動かなくなってしまった。
一応手加減したので、死んでいないはずだ。
一瞬何が起きたのか判らないといった静寂のあと歓声が上がる。『ざまみろ』『いい気味だ』とかの声も混じる。
だが、話はこれで終わりではなかった。

「はぁ~・・・。そこのローブの人、黄金の獅子っていうクラン(氏族)はこんなグズしかいないんですか?」

そう言って、カムイの後ろの人垣のローブを着た男に声を掛ける。

「いえ、私は「惚けてもムダですよ。さっきから殺気が漏れっぱなしですよ」」

ローブの男は驚いた顔をする。
確かに、カムイを試すように周りに気づかれない程度の殺気を数度投げていた。
まさか、Fランクのカムイに気が付かれるとは思ってもいなかった。
ちなみに、何故男がカムイを見てFランクだと判ったかというと、ギルドリングはランクにより色分けされている。

Sランク ゴールド
Aランク シルバー
Bランク ブロンズ
Cランク レッド
Dランク イエロー
Eランク グレイ
Fランク ホワイト

カムイが、その辺りの話を知るのは後日になるのだが・・・

(本当にFランクかよ。たしかに殺気は出したがCランクにも感知されないように抑えたのに)

ローブの男は観念したようにカムイの前に出てきてフードを取った。
すると周りからざわめきが起きる。

(なんだ?)

そのざわめきにカムイが戸惑いを見せる。

「黄金の獅子の副盟主をやらせてもらっているジャイロアという」

(副盟主!だからさっきのざわめきか)

「ヴューベルでソロ冒険者をやっているカムイと言います。故あって今はフードを取れませんがお許し下さい」
「いや、こちらこそ今回の件では迷惑を掛けたようで、この通り申し訳なかった」

そう言って素直に頭を下げる。

「謝罪は受け取りました。ただ、1つ忠告しておきます。大手だからと言って好き勝手やっているとそのうち大きなしっぺ返しが来ることをお忘れなく」

カムイは、これだけ周りの一般市民まであの男がやっていたことを知っているということは、当然他のメンバーも何かしらの形で知っているはずだと。にも関わらず放置していたとなるとクラン(氏族)ぐるみの可能性が高いと考えていた。また、他のメンバーも含め似たり寄ったりの行為を行っていることも容易に想像がつく。
カムイがPK(プレイヤーズキル)を行うクラン(氏族)の次に嫌悪するタイプだった。
だからクラン(氏族)の名前を貶める行為は後々首を絞めるぞと忠告したのだった。

「忠告痛み入る。肝に銘じておこう」

ジャイロアもカムイが言わんとしていることは直ぐに理解し、苦々しい顔をしながら忠告に礼を言う。

(この借りは必ず返す!)
(いつでも相手になってやる!)

カムイとジャイロアはお互いを見つめたまま視線で会話をする。

そして、カムイはナタリーとヴューベルに戻って行くのだった。
リターンの登録だけのはずが、書いているウチに案外長くなり、かといってそれだけで終わらせるとちょっと半端な長さかな?ということで、ここで簡単にプチテンプレ入れてみました。
後の章で色々関係するクラン:黄金の獅子も登場させる機会もできたので、これはこれでよしとしました。

あと、ランクによってギルドリングが色分けされているのも付け加えました。


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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