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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第2節 盗賊討伐戦 前編

盗賊討伐戦を書いていたら長くなりそうだったので、いつものごとく前編、後編と分けることにしました。
カムイはどうやって盗賊を退治するつもりなんでしょうね・・・
カムイの非情な一面が垣間見れます。

7/27 誤字脱字を修正しました。
予想通りベトンから出発して1日目は何事もなくキャンプ地についた。
キャンプ地とは、村や町、都市間を繋ぐ街道には要所々々に休憩や、野宿ができる場所が設けられている。
大きな街道や通商の盛んな街道では、そういう街道のキャンプ地では複数の商隊が一緒になることも少なくないため護衛も協力して当たるのが普通なのだが、今このキャンプ地にはノップス商会の商隊しかいない。
それだけ、こちら方面への商いは少ないということだ。

ただ、数ヵ月後にはそれどころではなくなるのだが、この時はカムイを含め誰一人そんな想像をしていなかったがそれはまた別の話である。


ノップス、エバンス、カップス、リエーリア、カムイの5人は火を囲んでこれからのことを考えていた。

フィリックも話に入りたがったが、エバンスの『話の邪魔になる』と言ってナタリー、リーアと子供たちの面倒を見らされている。
その際『カムイはいいのか』って喰って掛っていたが、『お前と頭の出来が違う』と一蹴され面白く無さそうに離れて行った。

「あれで良かったんですか?」

もう少し言い方があったのではとカムイも言ってみたが『俺を含めこれまでが甘やかせすぎたんだ』そう言って気にするなと言われた。
兄弟間の話でもあるしそれ以上はカムイも何も言わなかった。

まずは、エバンスがこれからのことについて話す。

「俺たちには大きく分けて3幾つの択肢がある。1つ目はベトンに引き返しその間にヴューベルに応援を頼む方法。2つ目はこのまま進み盗賊を迎え撃つ方法。3つ目は盗賊共の拠点を急襲する方法」
「安全を考慮すれば1番目の選択なんでしょうけど、相手が判らないと軍も冒険者ギルドも人手を出して貰えるか判らないわ。新たに護衛を追加で雇うなら別でしょうけど」

そう言って、リエーリアはノップスのほうを見る。
ノップスは残念ながらといったように首を横に振る。

「うちのような中小商会では、君たち以外に冒険者を雇う余裕はないよ。それに1日2日くらいの遅れなら問題はないが、それ以上王都での営業再開が遅れると、信用問題が起こる可能性がある。そうなると我々商会としては死活問題になる」

そういって、1番目の案を否定する。
ノップスは、決して家族や従業員の安全を考えていない訳ではない。ただ商人にはそれに勝るとも劣らない矜持があるのだと。ノップスの顔は苦渋の表情に満ち溢れていた。

となると2番目か3番目の案ということになるが、今の時点では情報が少なすぎてどちらの作戦をとるにしても有効な手段が思い浮かばない。

「もう少し敵の情報があればいいんだが・・・」

エバンスが情報の少なさを嘆く。カップスもリエーリアもいい案が浮かばないようだ。
しばしの沈黙が周囲を多い、パチパチと薪を焼べる音だけが辺りに響く。
そんな思い空気を破るようにカムイが口を開く。

「少し乱暴ですが情報を得る方法ならありますよ」

その言葉に全員がカムイを見る。
皆が情報が足りないと頭を悩ませているのに、情報を得る方法があると言う。

「だたし、この方法を取ると結果如何によっては1番目か3番目の案を取らざるを得ませんが」

何を言っているのか判らない4人に対し『判らなければ教えて貰えばいいだけです』とニッコリ微笑むカムイだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイは、『判らなければ盗賊たちから教えてもらいましょう』と言った。

・これまでの様子から、もうすぐ斥候の交代の時間になるはずで、それ以降は朝まで交代はない
・斥候は2人で、Lvもそんなに高くないため黒狼隊ならなんなく生け捕ることができるはず。
・情報を提供するなら殺さずに役人に引き渡すだけ、もしくは場合によっては全てが終わった後に逃がしてもいいと取引する。
・Lvの高い方から、盗賊団の情報を尋問していって答えなければ、Lvの低いほうの目の前でさっさと殺してしまう。
・同様にLvの低いほうも尋問する。

「Lvの高い同僚があっさり殺されれば、Lvの低いほうは助かりたくて情報をしゃべる可能性が大きいでしょう。もしそれでもしゃべらなかったら場合は、さっさと2人目も殺して1番目の案でベトンに戻りましょう。これは、しゃべった場合でも今の戦力では太刀打ちできないと判った時点でも同じです」

ノップス、エバンス、カップス、リエーリアは声も出ない。
カムイがいった少し乱暴なやり方とは、盗賊を脅して情報を得るということだった。
実は、この時点でもう1案腹案があったが、それは黙っていた。

「仮に、尋問の結果対抗できる人数であった場合はどうするの?」

4人のうち、カムイに一番免疫のあるリエーリアが恐る恐る聞いてきた。

「その時は、今晩のうちにアジトを急襲し電撃戦を仕掛けます」
「電撃戦?」
「そうです。今回の作戦は敵の殲滅が目的ではありません。結果的にそうなれば何もいうことはありませんが、あくまでも速攻で敵の戦闘力を削ぎ士気を低下させることが目的です。そのため、速攻で大暴れしたら即離脱します。ただ、できればエバンスさんには頭目と思われる人物を動けなくするくらい暴れては欲しいですが」

そういって、笑いながらエバンスに目配せをする。
如何にこちらの被害を最小限にし、敵にダメージを与えるかが鍵となる。

このとき、冒険者の3人はある種の戦慄を覚え、背中を冷たい汗が流れていた。

(これが冒険者にもなっていない15の少年の考えることか)

「ち、ちなみに、カムイが奇襲を判断にする人数はどれくらいを考えてる」
「そうですね、斥候を除いて15~20人くらいでしょうか。そのくらいであれば俺たち6人で撹乱できるでしょう」

上手く行けば殲滅できることも考えていたが、アジトの地形とかそのあたりが判らないので、そこまでは口にしなかった。
結局、ノップスを含めエバンス、カップス、リエーリアはこの作戦に同意する。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

次に役割分担へと話が移る。
ノップスは、非戦闘員なので家族や従業員の取り纏めをお願いする。

「斥候の捕獲と尋問ですが、言いだしっぺの俺とエバンスさんでやりましょう。さすがに女性陣には任せるような仕事じゃないですしね」

まるでそれが妥当かのように言うカムイ。

「それでカップスさんにお願いがあるんですが、今回は奇襲なのでその重装備ではなくて軽装備もってないですか。もしあるなら着替えて欲しいのですが・・・」
「たしか、昔使ってたのがまだあるはずだ。判った、着替えておく」
「すいません。それでリエーリアさんには、フィリックとナタリーに今回の作戦の趣旨を伝えて貰えますか。特にフィリックは、さっきの件で頭冷えてない可能性もありますので撤退の合図を聞き逃さないように十分注意する様言ってもらえますか」
「判ったわ」

あとは、斥候の交代時間を待って行動を起こすこのみだ。


暫くして斥候の交代時間がきた。
交代した要員が十分離れたことを確認し、見張り役を確保するようにカムイとエバンスは動き出す。エバンスには予め1人の隠れている場所を詳細に教えておいた。カムイも隠密を発動してもう1人の斥候の確保に動く。

隠密のお陰で難なく近づくことができ、背後から後頭部と首の境目あたりに手刀を叩き込む。昏倒したところをすばやくロープで縛り上げる。
その間にも遠くのほうで『テメェ何しやがる!』と声が聞こえたが、暫くしてロープで縛り上げたエバンスが斥候を抱えてやってきた。
そして2人を木にもたれかけて並べる。

「さて、これからですね」
「あぁ」

手筈通り、まずは2人の目を覚まさせる。
目を覚ました途端に『ロープを解け』『俺たちが誰か知ってんのか』とか喚き出したので、『盗賊だろ?』といってエバンスが縛り上げたほうを2、3発ブン殴ったら静かになった。
これでようやく交渉に入れる。

「貴様らが、ベトンからうちの商隊見張ってんのはバレてんだよ。大人しくこっちの質問に答えるなら役人に引き渡すだけにしてやる。断るなら即殺す」

エバンスが凄みの聞いた声で2人を脅す。
盗賊としては先輩なんだろう、エバンスが連れてきた盗賊は声が震えながらも粋がってる。

「誰が貴様らに言うか!俺たちに何かあったら仲間が黙っちゃいねーぞ!」
「そうか喋る気はないんだな。自分の命より仲間の命のほうが大事か・・・」

そういって、腰のロングソードを抜く。
その瞬間、盗賊の目が見引かれ頬が引き攣る。
まさか、本当に直ぐに殺されるとは思っていなかったようだ。

「ち、ちょっとまグッ」

それ以上、盗賊はなにも喋らなくなった。
喉には深々とエバンスのロングソードが突き立てられた。
付きたてたロングソードを抜き、血のりを拭きながらもう一人の盗賊の喉元にロングソードを向ける。
さすがに、直ぐ隣で仲間が反抗したら有無を言わさず殺されたのだ、震えながら懇願する。

「な、なんでも喋る!だ、だから殺さないでくれ!」
「初めからそう素直になれば、こいつも死ななくても済んだのにな」
そういって、隣の死体を見る。

震えながらも、こちらの質問に答える盗賊。

「お前らの盗賊団名は?」
「赤い蠍団」
「赤い蠍団どっかで聞いたことがある名前だな。ま、いっか次ぎ頭目の名は?
「俺らは頭としが呼ばないが、誰かがハフリーと言ってたのをき、聞いたことがある」
「ハフリーだと!?だとすると副頭目はガットとか言ってなかったか?」
「た、たしかそんな名前で頭から呼ばれてた」
「知ってるんですか?」
「面識はねぇが、元CランクとDランクのクソ野郎だって噂はな」
「でだ、団員は今何人くらいだ」
「お、俺たちを入れて18名だ」
「とすると残り16名か・・・・。構成は判るか。大まかでいい」
メイジ(魔法攻撃職)3名、ヒーラー(回復職)2名であとはファイター(物理攻撃職)だ」

ここまで情報が得られれば大収穫だ。
カムイとエバンスは最後の質問だと言って口を開こうとしたとき、1匹の妖精がカムイの頭の上にちょこんと座りこういった。リーアだ。
カムイは念のため、腹案として交代した要員の後をリーアにこっそり後を付けるように、お菓子で交渉して(釣って)いたのだった。

「盗賊団の居場所判ったよ!」
「人数はどのくらいいたか判ったか?」
「15人くらいだった」
「ローブ系の装備着てた人いたか?」
「4~5人くらいいたかなぁ~」
「判った。もう戻ってもいいよ。ありがと」
「お菓子、忘れないでよね!」
「判ってるって」

そう言って妖精の去って行く後姿を見送る。

「情報としては、大体合っているようですね」

エバンスもそれを聞いて頷く。
そして、盗賊に向き静かに言葉を開く。

「喜べ。お前さんが嘘を言っていないという裏が取れた」
「そ、それじゃ!」
「ただ」
「ただ?」
「最後に聞こうとしていた一番重要な情報が、お前さんに聞く前に既に手に入っちまった」

それが何を意味するのか判ったようで、ガタガタ震えだした。

「だ、騙したな」
「人聞きの悪いことを言うなよ。一番聞きたかった情報がお前さんの口から聞けなかっただけだよ」

そういって、ロングソードを盗賊の喉につき立てた。


カムイとエバンスは、斥候を拘束する前に情報が得られても得られなくても2人とも殺すつもりだった。
もちろんそう進言したのはカムイだ。
エバンスは『そこまえする必要があるのか』と最後まで気乗りしなかったようだが、情けを掛けたが上に後で復讐されるといった後顧の憂いを絶つためだと結局はカムイに説得されるのだった。


後で判ったことだが、ノップスの持っていた賞金首一覧に赤い蠍団のハフリーとガットには、冒険者ギルドから賞金が掛けられていることが判った。

これを聞いたカムイは、自分で電撃戦と言っておきながらこの賞金首なんとか出来ないかを思案するのだった。
盗賊退治に、こちらから電撃戦を仕掛けることを選択したカムイたち。
でも、賞金にちょっと目がくらんでるところが気になります。
良からぬことを考えなければいいんですが・・・・

恐らく誰とはいいませんが、足を引っ張るのも出てくるはずです^^;


お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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