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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第2章 冒険者 黎明編

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第1節 大物の予感

第2章 冒険者 黎明編が始まります。
冒険者としての基礎、カムイの人物設定等の明確化等この章で確立していく予定です。

なお、第1章でNグレードの装備品をノーマルと呼んでいましたが、第2章以降ではノービス(Novice:初心者・新米)と呼ぶように変更しました。
ご指摘やご意見頂いた方にこの場を借りてお礼申しあげます。
(それに合わせて、第1章もそのように一部修正しています。)

7/23 カムイが黒狼隊のパーティに所属してたような記述になっていた部分を修正しました。
ルロワ村を出発して、ベトンに着くまでの間に途中野宿で1泊したが何事も起こらなかった。
黒狼隊のメンバーは護衛らしく周りに注意を払っているが、いざとなればカムイのマップ機能で知らせることもこできるのであまり心配はしていなかった。
今日は、このままベトンで1泊し、あとはヴューベルまで3日(野宿2日)の行程となる。

そのカムイはというと、客人扱いということで荷台でゆっくりしていた。
その間、ノップスの娘セフィールやその他従業員の子供たち相手に、村にいた時と同様に童話や昔話を聞かせている。
ノップス以外の従業員は、最初カムイの風貌におっかなびっくりといった感じで接していたが、子供たちが懐く様子をみて次第に声を掛けてくるようになっていった。
ここでも子供様様な思いをする。

翌朝、カムイはいつものように柔軟、鍛錬を行うのだが、今では黒狼隊のメンバーが加わり、柔軟、鍛錬を行い始めている。村でカムイの話を聞いて柔軟性の重要性を理解したようで、彼らなりに少しでも柔軟性が出ればと思っているらしかった。
いきなり、カムイのペースに合わせると思わぬ怪我に繋がるので『まずは、自分のペースを掴むこと』を言い聞かせている。

そんなカムイが、マップ上に気になる人影を見つけていた。
村の中には入って来るわけではなく、あくまで村の入り口の外からこちらを伺っているように見えた。
カムイたちを観察している風にも見えるが、商隊を見張っているように感じていた。
こちらの世界に来る前にライトノベルで転生物を何冊も読んだことのあるカムイとしては、こういった場合の相場は、盗賊の類の斥候ではないかと俄かに思い浮かぶ。

「村の外からこちらを伺う人間が2人ほどいます」

カムイは、エバンス、カップス、リエーリアにさり気無く小声で忠告する。
違ったらそれはそれで安全に目的地まで着ける訳だから問題はないはずだ。
フィリックとナタリーに言わなかったのは、彼らは経験が足りないと思っており、既にこちらが気づいていることを気取られたく無かったからだ。
それを聞いて、カップスが振り向こうとしたので、『気が付いてないふりして下さい』と動きを制する。

「ひょっとすると盗賊の類かもしれません。リエーリアさん、リーアに確認してもらうことはできませんか?」

妖精であれば、相手のLvや能力にもよるが、斥候程度であれば問題なく確認できると思ったからだ。
ただ、リエーリアは渋い顔して『ごめんなさい、あの子まだ寝てるのよ・・・』と申し訳なさそうに呟く。

(肝心な時に使えないなぁ、まったく)

そう心の中で呟くもいないものは仕方がない。
エバンスがこれからについて聞いてくる。

「取り敢えずノップスさんだけには伝えて下さい。杞憂で終わればいいですが、仮に盗賊だとしたら途中で襲われる可能性がありますから。これまで以上に警戒を強化しましょう」
「分かった。カップス、ノップスさんに伝えてきてくれ」

カップスは、頷いてノップスのテントに向かっていく。

「それから、これからは俺も警戒に加わります。どうやら探索範囲は俺が一番広そうですから」
「それはありがたいが、いいのか」
「そろそろ身体を動かさないと、鈍ってきますからね」
「ちなみに、カムイの索敵範囲はどのくらいなの?」
「そうですね半径500mくらいですね」

エバンスとリエーリアは口にこそ出さなかったが、ルロワ村の人々と同じく驚きの表情を見せる。
今まで黒狼隊での索敵担当は、リエーリアとリーアが担当していたが、それでも半径150mくらいだ。これでも普通のパーティに比べたら広範囲をカバーしている。
さらにそれを大幅に上回る半径500mなんて距離は他のパーティでも聞いたことがないが、カムイが嘘を言っているとも思えなかった。

「そんな話を聞くと、やっぱりうちのパーティに入って欲しくなっちゃうわね」

カムイは苦笑いをするしかなかった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

ノップスと相談し、予定通り出発することになった。

出発して護衛をしている間に、この世界の盗賊の扱いについてエバンスたちに確認した。
・襲ってきた盗賊については、返り討ちにして殺しても問題ない。
・生け捕りにした場合、奴隷として売られるため決まった査定額の賞金が出る。
・盗賊によっては賞金首になっている場合があり、首検分で確認できれば賞金がでる。
・盗賊の持っていた武具、道具その他については、返り討ちにした側が自由に摂取できる。
・ただし、人攫いで連れ去られた人々を救出した場合は、役人に保護してもらう必要がある。

撃退した場合でも、襲われた側で損害がでる可能性があるための救済処置の部分が多分にあるようだ。
ただ、よほど町や都市に近い場合とかを除いては、町につくまでに時間が掛かればなにが起こるか判らないのでその場で皆殺しが基本的だそうだ。

まぁ、なにも起こらないのが一番なので杞憂であって欲しいのだが。


用心深く護衛をしながらエバンスと小声で話しをする。

「例の2人はどうしている」
「付かず離れずですね。やはり盗賊の可能性が大きいと思います」
「そうか・・・。カムイはいつ狙ってくると思う?」
「そうですね。狙うとしらたヴューベルまでの中間地点のキャンプでしょう。暗くなる前が狙う側としては一番リスクが少ないでしょうから」

答えはエバンスと同じだったようで頷く。

(できれば控えたいが、場合によっては魔法の出し惜しみできないかも)

そう思っていたところに、カムイのマップに魔物を示す赤いマーカーが飛び込んでくる。
商隊に向かってきている訳ではないが数は全部で6。
見たところ1匹が5匹を追い立てているように見える。
このまま行くと、この先の街道で遭遇する可能性がある。

その状況をエバンスに伝える。
盗賊の件もあり全員が当然離れる訳には行かない。
かといって、このままでは街道で鉢合わせというのも良くないということで、足の速いカムイとリエーリアで街道に出てくる前に始末を付けるということになった。
そうノップスに告げて、カムイ、リエーリアは商隊から離れる。
リエーリアには当然のようにリーアがついてくる。

「遅れないでよね!」

今朝寝坊してリエーリアに怒られていたリーアが、まるでカムイが一番足手まといように言ってくる。
『この野郎』と思いつつ、ちょっとした悪戯を思いついた。

(ファストウォーク)

ファストウォークはLv1毎に俊敏ステータスに+2%の恩恵がメンバー与えられる。
通常のバフ(強化魔法)はパーティを組んだメンバーにしか有効にならないものがほとんどだが、一部ファストウォークのようにパーティに属していないメンバーにも有効になるものもある。
カムイは、自分とリエーリアにファストウォークを掛けて行く。
ファストウォークはMAXまで上げているため+40%の恩恵がカムイとリエーリアに与えられたことになる。ただし、精霊や召喚獣には適用されない。

これで全力疾走をすると、移動速度が+40%もされたカムイとリエーリアに当然のようにリーアが置いて行かれてしまう。

「遅いぞ、リーア!置いてくぞ~~!」
「あぁ~~ん、なんでそんなに速いのよ!待ってよ~~~~~!」

リエーリアは、このやり取りをヤレヤレといった感じで見ていたが、内心穏やかではなかった。リエーリアもファストウォークを唱えようとしていたのだが、先にカムイに唱えられてしまった。しかも自分はLv5だったことに加え無詠唱で魔法を唱えたことに驚いた。
こっちの世界では、無詠唱で魔法を唱えられるのはよほど高位の魔法職しかいないからだ。

(無詠唱でLv MAXっていったいどうなってるの?)

ますますカムイに興味が沸いてくリエーリアだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

カムイとリエーリアは先回りし、街道寄りに一旦待機し実際に街道に向かっているが確認する。発見したときと変わらず街道に向けて逃げてきているようだ。
距離が縮まってきたことにより状況も判ってきた。
カムイたちのいる場所からは200mほど先だったため、まだリエーリアの探索エリアに引っ掛かってもいない。

======================================
 名前:ゴブリン
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:5

 体力:85 魔力:70
======================================
======================================
 名前:オーク
 種族:魔物/ヒューマノイド

 Lv:8

 体力:100 魔力:75
======================================

ゴブリンもオークもそうLvは高くなかった。

「どうやら、追い立てられている5匹はゴブリンで、追い立てているのはオークみたいですね」
「そこまで判るの?」
「ここまで近づけば大体は」

(規格外ね。考えるだけ馬鹿らしくなってきたわ)

リエーリアはもう一々ツッコミを入れるのを放棄してしまった。

リーアはというと、追いつくのに精一杯でポケットの中でもうすでにグッタリしていた。これ以降は邪魔になるだけなので、リエーリアのポケットに入ってもらった。

「畜生~覚えてろ~~」

ただ、ブツブツ妖精らしからぬ恨み節が聞こえてきたが・・・・。


様子ばかり見ていても始まらないので、ファストウォークの有効時間もあることだし始末に向かうことにしする。

「リエーリアさんにゴブリンお願いしていいですか?」
「判ったわ」

二人は魔物の群れに向かって走り出した。
すぐに二人の視界には、魔物の群れが目に入ってきたが、ゴブリンもオークもまだ二人には気が付いていない。

カムイは、腰からソードブレイカーを抜く。
リエーリアも、細身のレイピアを抜く。
二人は、お互いに顔を見合わせ無言で頷き、戦闘に突入することを確認する。
カムイは、最初は全てのゴブリンの始末をリエーリアに任せるつもりだったが、思ったより密集して逃げてくるのを見て、ゴブリンの真ん中に突っ込む。
右手のソードブレイカーで1匹の喉を掻き切る。
そしてすれ違うタイミングで2匹が重なった時を見逃さずウインドを唱え2匹の首を撥ねそのままオークまで駆け抜ける。

ここで、カムイは魔法を使った失態に気が付く。

(しまった!絶好の位置だったから思わずウインド使っちまった。さっきのファストウォークもマズったな~。スキルは極力秘密にしときたかったんだけど・・・・)

そんなカムイの後悔もオークたちの咆哮にとりあえず目の前の敵に集中する。

コブリン3匹が声も出す間もなく崩れ落ちるのを見て、初めて残りのコブリンもオークもカムイとリエーリアに気が付き威嚇の声を上げる。

「ギャギャ!」
「グアァァァァァァァ!」

オークは、威嚇にも怯むことなく自分との距離を詰めるカムイに向けて、ほとんど丸太と言っていいほどの直径1mも在りそうな棍棒を振り下ろしてくる。

(2mちょっとといったところか)

カムイは、オークの大きさを推測しながら、振り下ろされた右腕と身体の間を素早くすり抜ける。
その際、棍棒を握っていた前腕の深指屈筋(指の第一関節を曲げる筋肉)と浅指屈筋(指の第二関節を曲げる筋肉)、指伸筋(指を伸ばす筋肉)を深く斬り付ける。これにより、握るために必要な筋肉が機能しなくなり手から棍棒が落ちる。
オークは何故棍棒が手からこぼれたのか判らなかったようだが、もう片方の左腕で落とした棍棒をもう片方の手で拾おうと背を屈める。
全てはカムイの狙い通りで、屈んだ位置はそこはちょうどオークの喉を狙うのにいい高さであり、難なくオークの喉を深々と掻き切る。オークは喉の位置を誘導されたとは露とも思ってないだろう。
さきほどのゴブリン同様、オークも声を発することなく崩れ落ちた。

後ろを振り返ると、リエーリアがすでに2匹のゴブリンを始末した後で、討伐部位の剥ぎ取りを行っていた。

「私がゴブリン2匹の間に、ゴブリン3匹にオーク1匹仕留めるなんて、お姉さん自信なくしちゃうわ」
「なに言ってるんですか。俺がオークに近づく前に終わらせておいといて」

そういって肩を竦める。

「ところで、オークの討伐部位も右耳でいいんですか?」
「そうよ。ヒューマノイド系は基本的には右耳ね」

そう聞いて、リエーリアを真似てオークの右耳をナイフで切り取る。

「ところで1つ聞いていい?」
「なんでしょう?」
「さっきオークが棍棒落とした時なにしたの?」
「なにって、オークの腕を斬り付けただけですが?」
「それは判るわ。ただ経験上、あの程度の深手でオークが棍棒を落とすとは信じられないわ」

カムイは、『あぁ』成程と合点がいった。

「リエーリアさんは、自分たちを含めたヒューマノイド系の人体構造ってどこまで知ってます?」

そう聞かれて、心臓の位置とかそういった当たり前の答えをカムイは期待していないであろうことは感じていた。

「さっきオークの腕を斬ったのは、深指屈筋、浅指屈筋、指伸筋という筋肉です」

そういってもリエーリアは『?』でなんのことか判らない。

「深指屈筋、浅指屈筋、指伸筋というのは、手を握ったり開いたりするときに使う筋肉のことです。これを傷つけることで、指の動きを麻痺させることができます」
「そんなこと、初めて聞いたわ。あなたはどうしてそれ(・・)を知ってるの!?あなたは一体何者なの?」

リエーリアは、そんなことは聞いたことがなかった。
いや、この世界のだれに聞いても答えは得られないだろう。
しかも、さっきは無詠唱でウインドの魔法まで使っていた。

「どうしてって言われても困りますが、強いて言えば生きるために祖父から教わりました」

まさか、学校で教わったとは言えないし、いったところでこっちの世界の学校でそこまで教えているとは到底思えない。

「生きるため・・・」

これ以上アレコレ言っても理解してもらえないだろう。

「さっきの3つの筋肉ですが、左右対称であることを含めて覚えておくといいですよ。3つのうちどこか1か所だけでも傷つけば有利に運べますから」

この話はこれで終わりと言うように話を〆る。
そろそろ商隊が通る頃ということで『そろそろこの場を離れましょう』と街道に向かって走り出す二人。
カムイの後ろを付いていきながら『この子このまま育ったらどうなるんだろう』とボソリと呟くリエーリアだった。
「おっかなびっくり」って普段から使ってる気でいましたが、実は甲州弁だったんですね。知りませんでした^^;

冒険者登録前ですが、護衛任務に付くことになったカムイ。
魔物はカムイの無双で無事撃退できましたが、次はいよいよ盗賊退治になります。

あと人体(腕の筋肉)の話は、ネットでちょこっと調べてそれらしく書いただけなので、細かな指摘はスルーして貰えると^^;
(そんなのばっかりでスイマセン)

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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