挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

序章 プロローグ

2/96

第2節 一念発起

まだ旅立つ前の準備段階です^^;

8/8 脱字を修正しました。
気づいたら、俺は見知らぬ森で佇んでいた。

(ここはどこだ・・・)

さっきまで、PCの前に座って『VRMMO フリーダムオンラインクローズドβ(ベータ)』を始めるべく準備をしていたはずだ。
それが、今は見知らぬ森に居る。

(落ち着け、落ち着け)

そう心に言い聞かせ、もう一度何が起きたか思い起こす。

(『VRMMO フリーダムオンラインクローズドβ(ベータ)』のDVDが届いて・・・)

(PCを起動してチュートリアルに従って、キャラを作成して・・・)

(なんかゲーム内で出来たらいいな的な希望を聞かれて・・・)

(始めるかと聞かれてYesを押した・・・)

そこまでは、覚えている。
しかし、それ以降の記憶がない上に今の状況である。

また、頭が混乱してきた。

(落ち着け、俺)


目を閉じ、深呼吸する。1回・・・2回・・・。少し落ち着いてきた。
そして、目を開けてもう一度周りを見渡す。

(どう見ても森にいるよな・・・)

少し落ち着いてきたのか、周りの状況が少しずつ目に入ってくる。

鬱蒼とした雰囲気の中、相当な年月を過ごして来たであろう木々が立ち並ぶ。
俺が立っている場所から、そう離れていない場所に澄みきった小さな泉が静かに水面を揺らしている。
その水面に向けて一条の光が差し込んでおり、その中をヒラヒラと蝶らしき生物も舞っている。
幻想的・・・、他に表現できる言葉が思い浮かばない。

(少なくとも、地元にはこんな場所はないよな)

自分が住んでいた場所は、大都会と言うわけではなかったが、それほど田舎と言うわけでもなかった。
そのため、ここが自分の家の近所ではないことは直ぐに分かった。
なんというか、空気の密度というか、鮮度がいつもとは違うからだ。

いつまでもここにジッとしている訳にもいかず、とりあえず辺りを確認することにした。

辺りを注意深く見渡しながら、少しずつ歩を進める。

泉の側を通り掛かったところで、フと泉に映った自分の姿が目に入った。

(!!)

俺は、そこに映った自分の姿を見て絶句した。

「嘘だろ・・・・」

そこには、見慣れた自分の姿ではなく知らない顔、いや実際には知った顔ではあるのだが現実にはありえない人物の姿があった。

真っ赤な長髪をポニーテールの一本結びにし、両眼には、それぞれ金と銀の瞳の少年。
そう、そこには手順(チュートリアル)で作成したキャラクターそのままの姿があった。

俺は無言のまま、髪、頬を触っていく。当然、泉に移った姿も同じように髪、頬を触る。

ここで俺はようやく起こった事の次第に辿り着く。

「まさか、俺はゲームの中に居るのか!」

≪この世界で生きる(・・・・・・・・)準備が整いました。本当に始めますか?≫

俺はまた、呆然と立ち尽くすのだった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

どのくらい時間が経ったのだろう。

(戻る方法はあるのだろうか?)
(戻るための鍵は? 世界統一? ボスモンスターの討伐? クエストクリア?)

自問自答を繰り返すが、そのどれもが正解でないことは容易に想像できた。
VRMMOの世界では、そのどれもが目的ではあるのだが、最終目的(・・・・)ではない。
どのように過ごすのかは、プレイヤーの意思に委ねられ、必ずしもゴールがあるとは限らないからだ。

現世では、よく転生ものやそれに似た漫画や小説は読んだ。
自分だったらどうしようかとか色々妄想までして楽しんだこともある。
その世界が今、リアルに目の前にあり夢や幻では片付けられない現状がある。

(これがフリーダムオンラインの中だとしてもまずは行動しよう)

時間の経過と共に落ち着きを取り戻し、現時点で自分に何が出来るのかを確認する。

これまで色々なゲームを体験してきた経験から、そこで使われていたコマンドを思いつく限り口にしてみる。

「ステータス」

すると、頭の中にチュートリアルで表示されたステータスが浮かんでくる。
しかも、その時に選択したスキルが取得された状態だ。

======================================
 名前:カムイ(男)
 年齢:15歳
 種族:人族
 クラス:ファイター
 職業:未設定
 状態:未設定

 Lv:1

 体力:40 魔力:23
 筋力:8 持久力:8 器用:3 俊敏:5 知力:4 運:2

 ボーナスポイント:0

【武具属性】
 [短剣 Lv1] [片手剣 Lv1] [軽装備 Lv1]

【戦闘補助】
 [攻撃速度向上 Lv1] [異常状態抵抗 Lv1]

【生産】
 [鍛冶 Lv1] [錬金術 Lv1] [採掘 Lv1] [園芸 Lv1]
 [鑑定 Lv1]
======================================

表示されるような予感はあったのだが、やはりこうしてステータスが表示されると、ゲームの中に居ることを実感してしまう。
しかも、これには続きがあった。

======================================
 攻撃力:10(0) 防御力:8(0) 魔法力:5(0)
 命中率:6(0) 回避率:5(0) クリティカル率:4(0)
 攻撃速度:4(0) 詠唱速度:3(0) 魔法抵抗力:3(0)

 主武器:未装備
 副武器:未装備

 頭:未装備
 胴:未装備
 脚:未装備
 手:未装備
 足:未装備

 首:未装備
 耳:未装備
 指:未装備
======================================

自分の戦闘能力とか装備品まで見れるようだ。
まずは、最低限の情報は確保できそうだ。

「インベントリ」

次に、アイテムが収納できる空間を呼び出してみる。
すると、こちらもステータス同様にインベントリに入っている内容が浮かんできた。
どうやら、装備品、素材、アイテムと整理されているようだ。
しかも、初心者用なのか武器、服、ポーション類が入っているのが分かった。
あとは、お金だ。
銀貨99枚、銅貨999枚、銭貨(せんか)999枚が入っていた。
察するに、銀貨>銅貨>銭貨(せんか)といったところだろうが、現時点ではこれがどの程度の価値があるのかは不明だ。

『どうやって取り出したり収納するのだろう?』と思っていると、腰に巾着袋をぶら下げていることに気がついた。
手を入れてみると大きさ以上に、袋の中に手が入っていく。
試しに短剣をイメージしてみる。
すると、袋の中で手に吸い付くように何かが納まる。
袋から手を抜くと、そこには短剣が握られていた。

どうやらそれはマジックアイテム(魔道具)で、戻す場合には単に袋に入れるだけでいいようだ。

マップ、システム、メッセージ、GMコール、ログアウト等使えそうなコマントを口にしてみる。
が、使えたのはマップのみであった。
マップに表示されたのは、自分がいるであろう場所を中心として円を描くような範囲が表示されているのみで、他の場所はグレーの表示で隠れていた。グレーの部分は、実際にそのエリアに入らないと表示されないのだろう。
拡大、縮小もできたが、表示されている範囲が実際にどの程度の距離なのかは、実際に歩いてみないと判りそうもなかった。
ちなみに、ログアウトと言ったときに元の世界に戻れるかと淡い期待をしてみたが何も起こらなかった。
予想通りだったけどね。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「まずは、情報収集からだな」

これ以上ここに居ても始まらないため、移動することにした。

「おっと、忘れずに装備しなきゃ」

移動する前に、インベントリに入っている装備品を取り出す。
取り出した装備品を見ると、その情報が脳裏に表れる。
これは[鑑定]スキルを持っているからだろう。

見習い用ダガー(N) 攻撃力:3
見習い用シャツ(N) 防御力:2
見習い用ズボン(N) 防御力:1

あまり期待はしていなかったが、予想通りの性能に『まぁ、こんなもんだろうな』と思わず苦笑いをしてしまった。
名前の後ろにある(N)は、グレードを示しているのが分かる。

装備してもう一度ステータスを確認する。
ちゃんと装備された情報に書き換わっていた。

======================================
 攻撃力:10(3) 防御力:8(3) 魔法力:5(0)
 命中率:6(0) 回避率:5(0) クリティカル率:4(0)
 攻撃速度:4(0) 詠唱速度:3(0) 魔法抵抗力:3(0)

 主武器:見習い用ダガー(N) 攻撃力:3
 副武器:未装備

 頭:未装備
 胴:見習い用シャツ(N) 防御力:2
 脚:見習い用ズボン(N) 防御力:1
 手:未装備
 足:未装備

 首:未装備
 耳:未装備
 指:未装備
======================================

シャツ、ズボンを着てからダガーを腰横のシースに収める。
ただ、なんとなくしっくり来ない。
少し考えてからフォルスターを腰の後ろに回し、横向きに固定する。
何度か逆手で抜いたり、戻したりして感触を確かめる。

「ふむ、こっちのほうがいいか」

(まずは、この世界で生きることを考えよう。戻れるかどうかは神のみぞ知るだ)

そうして俺はこの世界での一歩を踏み出した。
一念発起いちねんほっき
これまでの考えを改め、あることを成し遂げようとして、一大決心することを表す

次話から少し冒険が始まります。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ