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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第1章 ルロワ村編

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第12節 遺跡の謎

遺跡探索の前フリになります。
あとは、浅薄ではありますが、こちらの世界感を少し垣間見れる記載を盛り込みました。
特産品の集会以降、忙しい日々を送ることになった。
村人たちも協力的で、猟や農作業のスケジュールに合わせて、担当日以外はカムイに特産品の製作手順を学んでいる。
特に、品質については、商品の評判や信用に係わるので、決して手順等で手を抜かないように注意する。

ただ、そうは言っても製作自体はそう難しくないため、今は実際に村で使ってもらった感想や意見を取り入れ、製品化に向けた改良とかを中心に進めている。
蝋燭は『目的に応じて違う太さの蝋燭を複数用意したほうがいい』とか、リンスは『髪の長さによって1回の使用量が違うので、異なる量のビンを用意したほうがいい』等々。

価格も大きさや量によって変えていけば、不公平感はないだろうということで決まったのだが、問題が価格をどうするかになると、カムイを含め皆黙ってしまう。
相場というものを知らないから仕方がないのだが、価格についってはノップスが来てから相談するとになった。

ちなみに、ノップスとは先の集会で出た村長の息子で、王都でノップス商会の代表をやっているらしい。妻はルークの妻サリィの妹でエリィと言うそうだが、聞くところによるとサリィに負けず劣らずこちらも相当気が強いそうだ。

「おっと、俺が言ってたってことは、内緒にしてといてくれよ」

とは、ルークの談だ。
とばっちりがくると怖いので、聞かなかったことにしよう。

あとは、近隣の村へは商品の売れ具合によって、展開するかを判断することになった。
作ったはいいが売れなかったら困るからということらしい。
カムイはそんな心配は全然してなかったが、その辺りの判断は村長に任せることにした。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

この日、カムイは村長に宅に向かっていた。

段々村人たちも作業に慣れはじめ、常にカムイが傍らに付いてなくても作業が進むようになっていた。

そのため、森にあった遺跡についてなにか知っていないか聞くためだ。

「村長、いますか?」
「どうしたカムイ、なにか用か?」
「ちょっと教えて欲しいことがあってきました」

簡単に事の経緯を話す。

「森の奥の遺跡か・・・。実はワシも良くは知らんのじゃ」

と村長は申し訳なさそうに言う。

「既に遺跡を見たのなら知っていると思うが、ワシの爺さんから聞いた話では生前からあんな風に入り口は崩れ、誰も入れないような状態だったそうじゃ」
「そうなんですか・・・」
「何度か崩れた岩を取り除こうとしたこともあったそうじゃが、上手く行かなかったとか聞いておる」

昔から村人たちも気にはなっていたんだろう。
なんとか入る手立てを講じようとしたことは想像が付く。
そうなると、手がかりは諦めるしか無さそうだと思っていると、『そう言えば・・・』と何かを思い出したように村長が呟く。

「崩れた岩の中に石碑らしきものがあったはずじゃが判ったか?」
「石碑?いえ、全然気が付きませんでしたが」
「相当古いものらしいから風化が進んどるかもしれんが、ワシが若かったころには苔とか掃えば辛うじて読めるような状態じゃった。ただ、書いてあるものが文字なのか記号なのか解らなかったし、所々削られたような跡もあったからのぅ。じゃが、カムイはワシらにない知識を持っておるようじゃからひょっとしたら解るかもしれんな」

最後に取って置きとも思えるような情報を得たカムイは、村長に礼を言い村長宅を後にした。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

翌日、カムイは朝から例の遺跡に来ていた。

「さて、まずは村長が言っていた石碑を探すか」

遺跡の入り口を塞いでいる岩には其れらしい岩板は見つからなかった。
かつては門であったろう残骸の周りや、遺跡の周りに転がっている岩などもひっくり返したりして探して見たが、やはりそれらしい石板は見当たらない。

「一種の謎解きだなこれは・・・」

肝心の石板は見つかってはいないものの、RPGのゲームをやってるような感覚にちょっとワクワクしている自分に苦笑する。

「見えている部分で見つからない場合の定番は・・・見えてない部分を探せ!だな」

まずは、入り口の壁にビッシリ生えている蔦の植物を取り除いていく。
左側を10mくらい取り除いてみるも何も見つからない。
左側をあきらめ右側を7mくらい取り除いたところで、下から50cmの当たりに石板らしき厚みのある石を見つけた。

「ビンゴかな!」

急いで石板の周りの蔦を取り除いていく。
出てきたのは、横に倒された状態の縦1m横50cmくらいの石板だった。
とりあえず石板を起こし入り口の側に立て掛ける。
石板は、村長の言った通り苔と埃にまみれており、そのままではとても読める状態ではなかった。

カムイは、用意してきた煤払いと手ぬぐいで丁寧に石板の表面を綺麗にしていく。
綺麗にしていく段階で、村長の言っていた通り何か所かワザと削り取られたような跡が見えるが、文字もハッキリ読めるようになってきた。
その文字は、カムイの見覚えのある文字だった。

「これはローマ字?」

それは一見すると現代でも使用しているローマ字に見えた。

「ローマ字に似てるが何かが違う・・・」

しかし、ローマ字にしては違和感がある。何かが違うと。
今度は、少し離れた位置から全体を俯瞰するように石板を見て、違和感の正体に気が付いた。

「古代ローマ文字か!」

古代ローマ文字は、現代ローマ字の元とさえ言われているが、その綴りは若干異なっている。
例えば、”感謝”を現代ローマ字で表すと”kansha”または”kansya”と表記されるが、石板上では”cansja”と表記されている。
カムイ自身は転生前はオタクではない(と自分では思っている)が、MMORPGなどでは、日本史や世界史が題材になるものが多かったため、一通り雑学としての知識は持っていた。
ま、本人としてはこんなところで役立つとは思っても見なかっただろうが。

石板には、豊穣の森の恵みへの感謝とその森を与えてくれた神への感謝が書かれていた。
ワザと削り取られたような部分はおそらく神の名前が書かれていたのだろう。
最後の一文に『豊穣の森への感謝と、それを与えたもうxxxxxxへの感謝をここに奉る』とあり、この言葉と神の名が中に入るためのキーワードだろうと当たりをつける。

「ただ、その神が誰かが問題だな」

幾つか候補は浮かんでいる。

「迷っても仕方がない。高位神から順番に当てはめてみるか」

豊穣の女神 ケレス
農耕神 マルス (ギリシャ神話ではマルスは戦神だが、ローマ神話では農耕神として崇められている)
狩猟の女神 ディアナ
農耕の神 サトゥルヌス

「ん~、他に関連する神様っていたかなぁ~」

さすがに雑学としての知識で勉強したからと言って、専門家ではないのでこれ以上の名前が思いつかない。
諦めかけたその時、1つの思いが閃いた。

「そういえば、この世界の暦は古代ローマのヌマ暦を使ってたよな」

以前、村にお世話になるときにルークから暦について教わっていた。

1月 マルティウス、31日
2月 アプリーリス、29日
3月 マーイウス、31日
4月 ユーニウス、29日
5月 クィーンティーリス、31日
6月 セクスティーリス、29日
7月 セプテンベル、29日
8月 オクトーベル、31日
9月 ノウェンベル、29日
10月 デケンベル、29日
11月 ヤーヌアーリウス、29日間
12月 フェブルアーリウス、28日間

その際、『3月のマーイウスは豊穣の女神マイアの月』と教わった。
ひょっとしてという思いと、ダメでもともとの思いから唱えてみた。

「豊穣の森への感謝と、それを与えたもう豊穣の女神マイアへの感謝をここに奉る」

すると、これまでとはガラリと雰囲気が変わり、魔素(マナ)が崩れた入り口辺りに集まったかと思うと、直径1m程のマジックサークルが形成された。
どうやら、これが中に入るための入り口のようだ。

思うに、神殿内には誰もが入れる訳ではなく、いわゆる神官とか高貴の人間のみ入れる等の合言葉的な意味合いで使われていたのだろう。
ただ、なぜ入り口は閉鎖されるように崩され、石碑から女神の名前が削られていたかの理由は不明だが、今のカムイにはそんなことはマジックサークルが現れた時点でどうでもいい話だった。

「やっと冒険者らしいことができそうだ」

その期待に逸る気持ちを抑えながらマジックサークル足を踏み入れるのだった。
次節は、1章最大の見せ場の戦闘シーンを盛り込んだ遺跡探索になります。
そんなことを言って、自分でハードルを上げてるような気がしないでもありませんが^^;
1節で終わるのか、何節かに分けるかは今のところは書いてみないと判らないです^^

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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