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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第1章 ルロワ村編

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第11節 特産品を作ろう! 後編

8節あたりでそれとなくヒント的に匂わせてた話関連の後編になります。
今後の話の伏線になることも、2、3出てきますが、勘のいいかたは直ぐに判ると思いますので
 ( ̄b ̄;)シーーッ!! でお願いします。
塩とジャムは好評だった。
カムイは内心ホッとしていた。

(この感じなら、残りも大丈夫かな)

村人たちも次は何の話か気になるようだ。


「次は蝋燭と呼ばれるものです」
「蝋燭?」

またもや聞きなれない単語に、村人たちは戸惑いを見せる。

「これも実物があるんじゃろ?」

カムイが口を開く前に村長が早く見せろと言わんばかりに問いかけてきた。
カムイは苦笑いしながらも『イエリお願い』と言って、火を灯してない状態の蝋燭を持ってきてもらう。

「これは、村の近くに生えている(ハゼノキ)の実から搾り取った(木蝋)を加熱して熔かしたものを節を残した竹筒に流し込み、イグサから作った(灯心)を竹の筒の底まで届くように真ん中に差し込み乾燥させたものです」

(ハゼノキ)自体は、村の周辺に群生しているので珍しいものではなかったが、特にその実は食用ではなく逆に素手で触るとかぶれるため、村人からは敬遠される植物だった。そのため、そこから何ができるのか興味津々といった雰囲気があった。
カムイはイエリに軽く合図をし、蝋燭の芯に火を灯してもらった。
すると村人もようやく理解したのか『明かりか!』と声を上げ、イエリの手元を見つめる。

「そうです。蝋燭とは明かりを灯す道具になります。これまで菜種油を購入して使用していたと思いますが、蝋燭は見て頂いているようにこれまでより明るい上に菜種油より長時間灯すことができます。今灯っている15cm程度のサイズでほぼ半日灯り続けることが判っています。また、菜種油のように液体ではありませんので、溢して火が燃え移る心配もありません」

過去に、溢して火が燃え移るといった事故があったと聞いていたので、安全性も考慮していることを説明した。

「ただ、そのままだと安定して置いて使えないので、イエリが持っているような専用の蝋燭立てをゴージュさんに作ってもらう必要はありますが」

当然、このままだと転倒して周りが燃えるかもしれないため、そのための対策も説明する。
これについては、既にゴージュに相談してある。

「任せておけ。こんなの作業のうちに入らん」

そう言って皆の前で製作を請け負ってくれた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「では、次で最後になりますが、石鹸もどき(・・・)とリンスになります」
「石鹸じゃと!」

カムイがそう言うと、これまで以上に驚きの声が上がった。
それもそのはずで、聞いた話だとこちらの世界では石鹸は高級品で値段も相当するらしく、貴族とか富裕層くらいしか買えないそうだ。
それが村で作れる言われると、声を上げるのも仕方がない。

「カムイよ、本当に石鹸が作れるのか!」

予想以上の喰いつきに戸惑いつつ申し訳なさそうにカムイは言う。

「すいません。さっき言ったように現段階では石鹸ではなく同じ効果を得られる石鹸もどき(・・・)しか作れません」

そういって、1つの小瓶を取り出す。
そこには、水に浸された何かの果皮が入れられていた。

「これは、ムクロジの実の果皮を水につけた状態のものです。これをこんな風に振ると泡立ちます」

そういって、小瓶をシャカシャカと振っていく。
すると、ビンの中が泡でいっぱいになってきた。

「この泡が石鹸と同じ働きをし、汚れを落とすことができます」

そういって、ビンから作りたての泡を手に取る。
そして満遍なく手に塗ったあと、用意してあった桶に入れていた水で泡を落とす。

「一応、手だけではなく身体を洗ったり、頭髪、食器や衣服の洗浄にも使用できます。また。元々植物の果皮からできていますから使用した水はそのまま捨ててもらっても土とかに害はありません」

もどき(・・・)と言えど石鹸と同じ効果が得られると聞いて、村人たちはもう言葉もないといった感じだった。
そんな中、ようやく村長が疑問を口にした。

「話を聞いている限りでは、ワシが聞いている石鹸となんら変わりがないように感じるのじゃが、カムイは、それをもどき(・・・)といったが何が違うんじゃ?」

もっともの疑問だ。効果が同じであれば石鹸と言っていいのではないかと。

「まずは、王都とかで売られているのは固形物で、俺のはこうやって泡立てないと使用できないという点ですね。あとは、あまり一度に大量の泡が作れないといった点があります。試しに大きなビンでやってみたのですが水分が多すぎて振るのが大変だったのと、泡立ち具合も悪く、一度の大量の泡を作れずビンを小さくするしかなかったんです」

この辺は今後の課題だと言っておいた。
まぁ、それは生産数を増やしていけば、現時点ではあまり問題はないとは思っている。


「石鹸については判ったが、もう1つリンスと言ったか。リンスとやらはこれまで聞いたことがないんじゃが?」

次に、リンスについて問いかけがあった。
当然、まだこちらの世界では普及してないと思っての提案なのだから、聞いたことがないというのも仕方がなかった。

「リンスですが、これはあまり男性には関係が薄いもので、どちらかというと女性専用と言ったほうがいいかもしれません。簡単に言うと髪をサラサラにするといいますか、綺麗に見せるというか、そういった効果のあるも「「「なんですって!」」」のです」

カムイが言い終わらないうちに、女性陣から驚きの声と殺気に似た様な目線がカムイに注がれる。
見るとこれまで旦那の後ろにいた女性陣たちが、旦那を押しのけるように身を乗り出していた。
その迫力に、身の危険を感じつつも説明を続ける。

「先ほどの石鹸の泡で髪を洗ってもらった後に、このオイルを髪に満遍なく塗って頂きます。そんなにベタベタ沢山ぬるのではなくて、手にとって頂いて髪に浸透させるように塗って頂き、暫く間を置いてから再度水でオイルを洗い流して貰うだけでサラサラ感というかスベスベ感というか、男の俺では説明が難しいですがとにかく髪が綺麗になります」

そういって、先ほどの石鹸とは違う小瓶を取り出す。

「これは椿油(つばきあぶら)と言います。その名の通り、椿の花の種子から液状の油分を絞りとることで採取できます」

女性陣は、カムイが出した小瓶に一斉に注目する。

「その効果なんですが・・・・。アイナおいで」

アイナは、カムイに呼ばれて恥ずかしそうにしながら前に出てきて村人たちの方に振り向く。
するとさすがに女性陣たちからは『アイナの髪ってあんなにツヤツヤだったかい?』『なんか光ってないかい?』と反応が返ってくる。
男性人は『??』のようだったが。

「実は、アイナにはお願いして2日くらい前から椿油(つばきあぶら)を密かに使ってもらいました。その結果が今の状態です」

そういって、アイナの頭を撫でたあと、耳の後ろの髪を少し掬って手を離す。
すると、手から離れた髪はサラサラといった感じで元の位置に戻っていく。
その様子を見ていた女性陣たちは驚きの表情を見せる。
その目は真剣そのもので、目を合わせるの怖いくらいだ。
カムイは、なるべく目をあわさないように、直ぐにアイナに目を移し使った感想を聞いてみる。

「ア、アイナ使ってみてどうだい?」
「うんとね、いままでそんなことなかったのに髪を洗ったあと櫛がね全然引っ掛からないの」

そういって、嬉しそうに言ってさらに続ける。

「それでね、次の朝も昼も同じだったの」

そう言って笑ってくれた。

「アイナの髪を見ていただくと、光沢が輪のように見えるのが判りますか?」

そういうと女性陣の目が一斉にアイナの髪を凝視する。怖いよ皆!

「これを天使の輪にちなんで“天使のリング”とも言われています。」
「「「天使のリング!」」」

カムイがそう言うや否や女性陣たちが、どっとアイナの周りに集まってきた。
その勢いで、カムイは邪魔だとばかりに押し退けられる。『髪触ってもいい?』『ツヤツヤしてるのね』『私の髪も同じようになるかしら』とかいって、ワイワイ大騒ぎになった。

その様子を男性人は不思議なものを見るような目で眺めているしかなかったが、一向に収まる気配がないのを見かねた長老が『もうそのへんでいいじゃろ。またあとにしなさい』といって席に戻るように促す。
その声で、女性陣たちは渋々ながら席に戻っていく。
サリィだけは、『なんでアイナで、私じゃなかったのよ』とか試行の対象をアイナにされたことに不満を漏らしていたが、敢えて聞こえないフリをした。だって、目がマジだったんだから・・・。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「今日俺が話をしたかったのは以上なんですが、これを特産品にするにあたりお願いと相談があります」

これらが特産品となれば村が豊かになることは間違いないことを実感したのか、皆真剣に耳を傾ける。

「まずお願いの方ですが、今日見せた物は出来たばかりで言わば試作に近いものです。これを皆さんに使ってもらい、使い勝手はどうか、もっとこうして欲しいとかの意見が欲しいのです。どんな細かなことでも構いません。沢山意見が出るほどそれだけ売れる物が出来ると思って遠慮なく言って下さい」

これについては特に反対意見は出なかった。
女性陣からは、『リンスを早く使ってみたい』という声があちこちから漏れていたが・・・。

「もう1つは、特産品にするにはある程度の量を生産する必要があります。そのためには、俺以外でも作るようにできる必要があります。」

それはそうだ。特産品といいつつ、10個や20個で品薄になるようでは特産品とは言いがたい。
そのため、カムイ以外の村人でも生産ができるよう体制を作る必要がある。

「当然、猟や農作業がある上に、これらの作業を行うのは負担になると思います。そのため、塩やジャム、蝋燭、石鹸に関しては近隣の村にも製法を教えて、数を確保するのもいいかもしれません」

それは、ルロワ村だけ豊かになるとそのうち秘密はバレルだろうし、それで村同士で諍いが起こらないとも限らない。
それであれば、ある程度みんなで利益を分配することで、他の村を納得させ協力も得られ易いだろうと。
石鹸については、どうしようかと思ったが、衛生面に関することだけに技術供与してもいいだろうと説明した。
これについては、村長を含め村人たちで話しあってもらうことにしたが、概ねその方向で進むことになるだろう。
実はこれについては伏線も含んでいたのでが、この時点ではなにも説明しなかった。

そうすると、別の疑問が当然湧いてくる。
なぜ、リンスは駄目なのかと。

「リンス、塩以外は、庶民でも購入が出来るよう薄利多売でいこうと思っています」
「薄利多売?」
「そうです。1個1個の利益は少なくして価格を抑え誰にでも買えるように、特産品としての知名度を上げるとともに利益を確保する売り方です」

結局は、いくらいいものを作っても買ってもらわないことには知名度が上がらないし利益も出ない。
そのためには、まずルロワ村の特産品であるという知名度を上げることが大事だ。

「一方でリンスについては、購買層を貴族や富裕層に絞って売ろうと思っています。これは多少暴利でも売れると思っているからで、できればリンスについてはルロワ村だけの専売にしたいのです」

ただ、これに関しても知名度が低ければ買ってもらえないことは明白である。そこで、先ほどの薄利多売で売った名前を利用するわけだ。
ある程度の知名度や信用度があれは、貴族や富裕層たちの女性陣は、美に対してお金に糸目は付けないだろうと。
実は、万が一のための宣伝方法も考えているんだが、それは販売を始めてから様子をみてから実践できればいいと思っている。

「ただ、ここで1つ問題があります」
「問題とは?」
「当然の事ながら、これらを販売する商人の(つて)が俺にはありません。そのため、これらをどうやって販売していくのか。それが問題というか相談になります」

カムイとしては一番の悩みの種なのだが『そんなことか』とか『そうかカムイは知らなかったな』とか村人の反応は薄い。
すると村長が『それならなんとかなるじゃろう』と言う。
カムイは不思議そうな顔しながら聞いた。

「どうしてですか?」
「村に定期的の王都から行商人が来るのは聞いとるじゃろう?」
「ええ。私はまだ会った事はないので何とも言えませんが、失礼ながらその商人は信用できるんでしょうか」

カムイとしては、その商人から秘密が漏れるのを心配しての言葉だった。

「信用もなにもその商人は、ワシの息子とサリィの妹の夫婦じゃよ」

予想外の回答にあっけに取られるカムイだった。
後編は、蝋燭と石鹸とリンスでした。

あ、製作の工程は鍛冶編と同様にちゃんとした知識がある訳ではなくそれっぽく書いただけですので、この点(記載)に関する指摘、ツッコミはご容赦下さい^^;
(明らかな嘘はないかと思ってはいますが・・・)

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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