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異世界で自由奔放に生きてみました~最強冒険者と呼ばれた男の波乱万丈転生譚~ 作者:西園寺☆桜

第1章 ルロワ村編

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第10節 特産品を作ろう! 前編

8節あたりでそれとなくヒント的に匂わせてた話関連の前編になります。
結構、説明的な内容になるので、退屈かもしれませんが^^;
カムイがルロワ村に滞在してから2週間が過ぎようとしていた。
最初は、カムイの風貌に腫れ物を触るように接してきていた村人たちも、イエリの一件や普段の様子から段々と警戒するような態度や雰囲気は薄らいでいっていた。
時折見せる、元の世界の生活習慣や知識には驚きや疑心を持たれたりしていたものの、生活に役立つことが多かったこともあり、徐々に村の一員として受け入れられていった。

カムイも、『異世界から来た』と言った自分に対し、村人がそんなことを気にすることもなく、暖かく接してくれるようになってきていることが嬉しかった。

(最初に『この世界の人間ではない』と正直に告白したことが良かったのだろうか)

告白した何日かは、『言わないほうが良かったか』とそのことについて随分悩んだりもした。

(いや、結局あの場で嘘をついてしまうと、嘘を隠すための嘘をつくといった悪循環を及ぼし不信感を与えただろうな)

嘘をついてさっさと村を出るということも考えとしては無かった訳ではないが、今ではこれで良かったんだという思いが強かった。
実際、あの集会以降誰からもカムイの過去について、聞いてきたり話題にされたりすることは一切なかった。

そんな村人たちに少しでも恩返しができればと、猟に参加したり、農作業を手伝ったりしているカムイだったが、もっと他にできることがないかと常日頃から思っていた。
何日か前に、お世話になっているルークとサリィにそのことを相談してみた。

「ははは、そんなつまらないことを気にしていたのか?」

真面目に相談したつもりなのだが、ルークに一笑された。

「カムイと狩猟に出た班は必ず大物を仕留めてくる。農作業にしても俺たちの知らない知識、特に身体への負担軽減に対する工夫は多いに助かっている。俺たちのほうが感謝したいくらいだ」
「そうよ。村の子供たちのことにしてもそう。カムイが護衛を兼ねて一緒に採取に出かけてくれるから親としては安心してられるわ。それと村長が申し訳なさそうに言っていたわ。『最近子供たちが森への畏怖の念や感謝を口にするようになった。聞いたら子供たちと採取に出かけた際にカムイが教えてくれたと。本来はワシらが子供たちに教えにゃならんことなんじゃがのぅ』って。だからカムイに感謝こそすれ、恩返しなんてことは考える必要はないわよ」

そう言われたカムイだったが、それでも『何か形に残るような何かを』とずっと考えていた。
その思いが形になりそうな転機が、先日の探索で訪れた。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

今日は、朝から雨で農作業が中止ということで、村長とルークに頼んで主だった村人に集会場に集まって貰った。今回は、子供たちにも一役買ってもらうため、ライ、アイナを含め何人かの子供たちにも集まってもらった。
村人たちは、なぜ集められたか説明を聞いていないため、『何の集会か』とザワついている。
その様子を見てカムイが口を開き、今日集まって貰った趣旨を説明する。

「すいません。今日集まってもらったのは、俺が村長さんにお願いしたからです」

そう言うと、全員の目がカムイに注目し静かになる。

「俺がこの村にお世話になり早2週間が過ぎました。その間、こんな素性も判らない俺に対して皆さんは暖かく接してくれて感謝しています。それで俺としては、なにかしら恩返しができないかとずっと考えていました。ルークさん、サティさんにも相談しましたが、二人からは『今でも猟や農作業で力になってもらっているから気にするな』と言われました」

そう言った時点で、『そうだそうだ』『気にすることないぞ』と同意の声が飛ぶ。

「ありがとうございます。それでも俺の気持ちとしては何かをしたいという思いが強かったんです。でもつい先日、幸運にも恩返しをできそうな手がかりを森で見つけることが出来ました。今日は皆さんにそれを見て頂こうと集まって貰いました」

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「まずは、これを見てください」

そう言ってカムイは無限袋から白い塊を取り出す。

「これは、皆さんもご存知だとは思いますが、ゴージュさんが鉱石を採掘している場所から西に向かった所にある白い地層から採取したものです」

村人もその場所は知っていたようで『その場所は知っているが、ゴージュに聞いても鉱石類ではないと言っていたが?』と声が上がった。
これにゴージュ自身も頷く。

「そうです、これは鉱石ではありません。岩塩と呼ばれる塩の原料になる石なのです」

カムイがそう言うと、少しの静寂のあと『嘘だろ?』『信じられん!』と言った声が、あちらこちらから上がる。

「そう言われるだろうと思い、俺とゴージュさんで実際に塩を作ってみました。ゴージュさんお願いします」
「判った」

ゴージュは前もって用意していた幾つかの小さい麻袋を取り出す。

「これは、カムイの言うとおりその岩塩とやらから作った塩じゃ。ワシも手伝ったから間違いない」

そう言って判りの村人に舐めて確認するよう手渡していく。
村人は、手渡された麻袋の中の白い粉を一つまみし口に含んだあと一様に驚きの表情を見せる。

「!確かに塩だ」
「しかも、いつも使っているものよりこの塩のほうが美味しく感じる」

あちらこちらから驚きの声が上がる。

「作り方も至って簡単です。これは私が説明するよりゴージュさんから説明してもらったほうがいいですかね」

カムイは自分が説明すると難しく聞こえるかもしれないと、ゴージュに説明をお願いしていた。

「カムイの言うとおり簡単じゃった。まず、その塊を細かく砕く。ハンマーでも木の棒でもなんでもいい。細かく砕くと中に塩以外の石やら木クズが紛れているので、それを取り除いたあと、お湯に溶かして水分が無くなるまで煮詰めていくだけじゃった」
「そんなに簡単なのか!」

なんともあっさりした説明だったが、簡単に出来るという意味では伝わったようだ。
本当は、ちょっとだけ一手間が必要なのだが、実際に製造するときに説明すればいいだろう。

「これまで塩は商人から買われていたようですが、高価だと聞いています。それが村で自給自足ができるとなればその分を他の物の購入に充てることができる。いや、俺の見立てでは相当量の岩床だと思いますので、塩を販売というかこれだけの品質の塩であれば村の特産品にできると思っています」
「「「おぉぉぉぉ~」」」

確かに、村でこれまで買っていた塩に比べると、粒子の細かさといい、塩なのにほんのり感じる甘みといい品質は格段に上だった。
その言葉に村長をはじめ歓喜の声があがる。
これまで、これと言った特産品が無かったこともあり、皆少し興奮ぎみだった。
ただ、特産品にするにしても岩塩の採掘、塩の製造等色々考えないといけないこともあるため、詳しい話は後日改めて皆で話をすることになった。

 △▼△▼△▼△▼△▼△

「さて、次はジャムという食べ物です」
「ジャム?」

聞きなれない言葉に、村人は首を傾げる。

「これも実際に食べて頂いたほうが判りやすいでしょう。ライ、みんな、村長さんたちみんなに配って上げて」
「「「「は~い」」」」

そう言って、子供たちは一斉に大人たちに赤いドロッとした何かが乗っているパンの切れ端を渡していく。その赤くドロッとした感じが何かを連想させるのか、顔を顰めるものまでいた。

「そのパンの上に乗っている赤い固形物がジャムです。子供たちに手伝ってもらって作ったものです。どうぞ食べてみて下さい」

子供たちが作ったと聞いて、少しはホッとしたのかパンと一緒に口に入れる。
食べた途端に、塩の時と同様に驚きの声が上がった。

「!あ、甘い!」
「美味しい!」
「「「「やった~!」」」」

その反応に一番喜んだのは子供たちだった。
自分達で作ったものが、美味しいと褒められたのだ。
皆満面の笑みを称えている。

「これも作り方は簡単です。子供たちと採取した野いちごを適当な大きさに潰し、それに水と蜂蜜を加えて煮ていくだけです。先ほどの塩と違い水分を全て無くなるまで煮詰めるのではなく、先ほど食べて頂いた程度に水分を残すのがコツです」

「ブルーベリーなんかも美味しかったよな!」
「うん!」

そんな子供たちの言葉を引継ぐように、カムイが補足する。

「今回は野いちごを使いましたが、ライが言ったように他の果物でもできますので、色々試していけば種類は増やせると思います」

この辺りの果物に関しては、カムイはまだ良く判っていなかったこともあり、村人たちに試行錯誤してもらおうと考えていた。

ジャムをもっと食べたそうにしている大人たちの顔を見ていると、塩とジャムに関してのプレゼンとしては上手くいったようだ。

(次以降も興味を引けたらいいんだけどね。)

と要らぬ心配をするカムイだった。
前編は、塩とジャムでした。
後編は、アレとアレとアレの予定です^^;

あ、製作の工程は鍛冶編と同様にちゃんとした知識がある訳ではなくそれっぽく書いただけですので、この点(記載)に関する指摘、ツッコミはご容赦下さい^^;
(明らかな嘘はないかと思ってはいますが・・・)

お読み頂きありがとう御座います。
誤字脱字等ご指摘があればよろしくお願いします。
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