ブックリスト登録機能を使うには ログインユーザー登録が必要です。
  アメジスト 作者:しらせ
第49話
モンドは今二つの気持ちの間で揺れていた

黒水晶とは戦いたくない

だけど、シルバの元にすぐにでも走りたい

だけど、黒水晶は・・・・

どちらの気持ちも強かった

でも選ばなければいけない、きっとどちらを選んだとしてもなにかを失うことになるかもしれないが

「おれは・・・おれは・・・・」

目を伏せたまま、モンドは思った
なにより大事な物を

その数秒後、自分を見上げているプラチナのほうへと向いたモンドは


「なあ、プラチナ・・・・おれに

力・・・貸してくれるか?」

プラチナは青い瞳を輝かせながら答える

「もちろんです!私の力を引き出せるのはマスターただ一人。

このプラチナの意志はマスターと同じです!」

モンドの呼びかけに嬉々として答え、駆け出したプラチナを追うようにアメジとモンドも駆け出す。

「ふっ、モンドめ。」
その少し後をトパーズが追いかけた。


階段を駆け上りながら、モンドは隣を走るアメジを見ながら

「アメジ・・・お前さ・・・・」

「へ?なに?」

「なんか・・・お前

・・・・かっこよくなったよな」

そう言ってアメジに笑顔を向けるモンドにアメジも笑顔で返しながら

「モンド、アンタもね!


だけど、ほんとにかっこよくなるのは

これからじゃない?!」

それに無言で頷きながら、モンドたちは黒水晶へと走った。


一方、黒水晶と戦っている水晶使いたちは
ジストとタルの参戦で善戦していたものの、戦いなれていないシルバの負傷によって、再び苦戦を強いられていた。

シルバは黒水晶に捕まったような形で、黒水晶の後方へと蹴り飛ばされた後は、そのままうずくまってしまった。

黒水晶2体がジストたちの前に壁のように立ちふさがり、シルバは皆から隔離されたような状況になっていた。

さらに他の巫女達はほとんどが水晶を使い果たした状態になり、しばらくにらみ合いの状態が続いていた。

「むぅ・・・アメジはなにしてるたるか?」

タルがそうぼやいた時、あの声がタルたちへと届いた


「おまたせー、さああたしが来たからにはもう安心よー!」

その姿にそこにいたジスト以外の水晶使いたちは驚いて、その姿を確認した。


「あれは、アメジ・・・か?」

「まさか・・・・」

「早く、来るたる!巫女がいないとタルたち戦えないたるよ!」

さらにアメジと共に駆けてきた存在にも驚いた

「モンド?

あのダメダメ小僧が、戦えるのか?」

モンドの性格をよく知る者たちは不安な顔をみせたが

「むっ・・・

マスター、さあ見せてやりましょう。私に水晶を!」

黒水晶を前に燃え上がるプラチナ

想像以上に巨大なバケモノにモンドの腰は引き気味になったが

「アメジ。黒水晶の後方に、負傷した巫女が・・・」

ジストが現状をアメジに伝える、それを耳にしたモンドが恐れながらもそのほうを確認すると

「シルバ?!」
遠目ながらも確認できたその姿は自分の妻であるシルバ!

それによって高まる心臓音と熱くなる心
震える体のまま、拳をぎゅっとにぎりしめたモンドはプラチナの名を呼ぶ

「プラチナ、いくぞ!

シルバを助けるんだ!」

「はい、マスター!」

そんなモンドを見ながら、アメジもドクロ水晶を取り出し駆け出す。

アメジの動きに合わせ、ジストも水晶を籠めタルへと向ける。

攻撃のモーションへと移りだしたアメジたちに気づいた黒水晶は地面を蹴りながら羽ばたく、二体ともアメジに警戒を強め、攻撃の意志を同時にアメジへと向ける。

「しまった、二体とも!」

アメジに危険が!と焦る水晶使いたちにジストが伝える

「彼女なら、大丈夫です。」

「そうたる、アメジに意識いっているあいだに攻撃するたるよ!」

「えっええ?

ところでアンタは一体だれなんだ?見たことない顔だが・・・?」

「こまかいことはきにしないたる!」

アメジが光の道を描きながら地を駆ける。力強いその足から、めいっぱい地球から水晶の力を得るように
挑戦的なアメジの水晶は、黒水晶を刺激するようだ、黒水晶たちは敵意むき出しでその巨体は追いかけてくる。
ぶわっ、とアメジに覆いかぶさるように巨大な黒い影がふってくる。

周りにいたものはアメジが黒水晶に潰されたかのように見えた。

「アメジーーー!!」

思わず叫んだモンドにジストが

「大丈夫です、アメジなら・・・・ほら」

ぶわぁと土煙上がる中、風のようにびゅう、と飛び出してきたのは光の帯を纏ったかのようなアメジ

一瞬不安にかられ、一安心したモンドだが、ふと不思議に思いジストを見た。

アメジの描いた道に、ジストの水晶をうけたタルが輝きを放ちながら乗る。

「モンド!なにやってんの?!

アンタも早く!」

アメジの声にはっとしたモンドも慌てて

「そ、そうだ・・・えっと・・・」

戸惑っているモンドにうしろから

「水晶を集める!」

「トパーズのじっちゃん!」

モンドのうしろに立つトパーズはモンドを勇気付けるようにアドバイスを送る。

「水晶使いの基本で一番重要なことだ。

お前はこれだけは得意だったろう。さあ、本番も練習も同じだ。

お前は優秀な聖獣がついているのだから、プラチナに安心してまかせるといい。」

プラチナもこくりと頷く

「わ、わかったよ。

ありがとうトパーズのじっちゃん。おれ、

一人じゃないもんな。プラチナがいて、そしてアメジもいて


こんな心強いことってないよな。

おれも・・・親父やオルド伯父さんみたいにかっちょよく戦えるよな」

モンドには生まれ持っての水晶使いとしての強い能力が備わっていた、それはアメジと同等である。

ただ、めんどくさがりなその性格が壁となっていたのだ。

目覚めたモンドはきっとだれよりも優れた水晶使いになれる。

プラチナはだれより強くそう信じてきたのだ。

主人を誇れる日を心待ちにしていた。そしてついに・・・・


「いっけぇーーーー!!プラチナ!」

集めた水晶をモンドは放った。

モンドはコントロールはいまいちだったが、優秀なプラチナは上手く動いて、放たれた水晶を体に受けた。

パァァァ

強く輝くそのプラチナの姿に驚きつつも、モンドはさらに勇気付けられた。

「モンド!今のうちにシルバを!」

アメジの線に乗ったプラチナを確認したアメジがモンドに叫ぶ

「シルバ!」

黒水晶がアメジを追っている今、シルバの近くには黒水晶はいない。

モンドは土煙舞う中、シルバの元へと走った。
小説家になろう 勝手にランキング



+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。