第39話
「なんじゃとぅ!!(怒)
こ、小僧の分際でワシに勝とうなど・・・
100年早いわっ!」
生意気アクアに短気なラルドは軽くブチキレ反撃の口撃。
そんなラルドを軽く睨むと、鼻から息で、再び本棚のほうへと別の本に手をかけるアクア。
アクアちゃまのじゃまちないでくだちゃい、とマリンが小さな体で吼えていたり、そんなやり取りをしばらく続ける中
この書庫へとやってきたもう一つの足音・・・
「あそこって、ここのことだったのか?」
きょときょとと書庫へと入ってきた足音の主は
「アメジちゃま!」
三角耳をぴんと立てたマリンの声にアメジが「よっ」と片手上げて応え、そのほうへとアクアとラルドも振り返る。
「おおっ、アメジ殿!」
アメジを目にするととたんにご機嫌顔になるラルド。
「ああ、ここには昔からよく来ていたからな。
書店よりもずっと揃いがいい。」
本を片手にアメジのほうへと向きかえってアクアが答える。
「なにぃ?!
昔からじゃと!?貴様!
いつからここに不法侵入しとるんじゃ?!
おのれぃ・・・ボコボコのグチョグチョにしてくれるわ」
「だめでちゅ!」
ぷるぷるしながらも毛を逆立てながらマリンが主人をかばう。
「まあまあラルじい、今は緊急事態だし。
大目にみてやったらいいんじゃない?」
手をひらひらとさせながらラルドの無駄な怒りを冷やそうとするアメジにラルドも(アクアにムカツキながらも)納得するのだった。
あたしは調べごととか苦手だし、とりあえずパトロールでも続けておこうかな。
真剣に本を見ているアクアの邪魔をしないほうがいい、とアメジは寺院から出て行こうとした時
「アメジ!」
アメジを呼び止める声にアメジは振り向いた。
その声は書庫から飛び出してきたアクアだった。
息を切らしながらもアメジが声を出す前にアクアは言った。
「お前は・・・どうすれば
俺を認めてくれる?」
アクアのいきなりの問いかけにアメジは「へ?」と理解不能な表情を返した。
アクアの前に壁はある。
それはひとつでなく、過去の壁、父の存在という壁
それらを乗り越えても尚、立ちはだかる無数の壁
それらを見ないように、今までのように生きていくこともできる。
でももう、アクアは壁から目を逸らすことをしたくなかった。
そのたった一つの想いがアメジであり、今また、アメジという壁もまたアクアの中で大きく立ちはだかっていたのだ。
黒水晶と戦いたい
その想いを後押ししてくれる力が欲しい
アクアはアメジにそのための言葉を欲したのだ。
言葉にできないアクアのその想いを、アメジは本能的に感じ取った。
こいつにたしかな言葉を返さなければ・・・・
そう思ったアメジの口から発せられた言葉は
「かっこいい生き様っての、見せてみなよ。」
ふいに口から出たその言葉に、実は一番驚いたのはアメジ自身だった。
「かっこいい・・・生き様・・・」
「そう、自分でかっこいいって思える生き様よ。
アンタもう少しポジティブになんな。」
アメジの言った言葉に一瞬戸惑ったアクアだったが、軽くフッと笑みを浮かべるとすぐに書庫へと戻った。
アメジのいい加減な言葉は少なからずアクアに力を与えた。
アクアの姿を見送った後、アメジはどきっとした。
「かっこいい生き様って・・・・
とっさに出た言葉とはいえ、なんであたしは・・・・
オヤジの口癖をっ・・・・・」
アメジから変な汗がだらりと伝った。
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