ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― (5/19)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― 
作:金城 ユウ



自己嫌悪


「ふう」
 私は、行きつけの喫茶店でため息をついた。あの後、警察に拘束され、朝まで取調べを受けたのだ。自分でも、よく訳の分からない事件の顛末を説明し、その責め苦から解放された時には、朝の通勤ラッシュも一段落していた。
 ハンター協会から派遣された弁護士の談によれば、一時、殺人の容疑もかかっていたらしい(容疑自体は、今回組んだハンターの助手が記録した映像で晴れた)。私は、もう一度大きなため息をついた。
「秋穂ちゃん。どうしたの?」
 マスターが声を掛けてくる。マスターの本名は、石原昭二いしはら しょうじさん、今年で47歳になる口髭がダンディーな、おじさまである。脱サラして3年前に、この『リーフ』という喫茶店を始めた。そのお客さん第1号が、当時女子高校生をしていた私だ。それ以来、毎日のように通い詰めている。
マスターは、私の目の前に、オリジナルブレンドのコーヒーとシナモントーストを置く。
「マスター、トーストは頼んでないよ〜」
「サービス。それとも、いらない?」
 笑ってそう言うマスターに、私は即答する
「いただきます!」
 マスター手作りのパンを使用したシナモントーストは、この店の代名詞みたいなもので、非常に人気がある。これを食べる為に、朝早く通ってくる常連さんもいるくらいだ。
 いつもは、これを食べると「しあわしぇ〜」となるのだが、今日は気分が乗らない。理由は……昨夜の自分への自己嫌悪だ。
 ヴァンパイアから逃げたこと自体は、間違っていないと思う。不意打ちされ、こちらが圧倒的に不利だったのだ……
 問題は、その逃げ方だ。素人のように恐怖に支配され、闇雲に走り回り、あまつさえ逃げ場を無くし追い詰められた。右手にはヴァンパイアに対し有効な武器を持ち、ポケットには予備のマガジンもあったにもかかわらず。である。
 本当に、穴があったら入りたい。それどころか、穴を掘ってでも入りたい気分だ。
「はぁー」
 私は、ここに来て、何度目かのため息をついた。


昨夜の醜態に落ち込み気味の秋穂でした。
やればできる子なので(笑)、すぐに復活しますけど。
シナモントーストは、私が好きなだけです(笑)
なんだか食べたくなってきたな。丁度お昼だし作るかな。











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