ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― (2/19)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― 
作:金城 ユウ



逃走


 ビルとビルの間の裏路地を、私は逃げていた。
 ごみ箱を倒し、服が汚れるのもかまわず走る。「こんなはずじゃなかったのに」という思いが心を占める。
 そう、こんなはずではなかったのだ。
 私の初仕事は、ベテランハンターと組んでのワーウルフの駆除だった。アルバイトでハンター助手をしていた時に、何度か経験したこともあり、楽勝な仕事だった。ヴァンパイアが現れるまでは……


 私は、愛用のCZ−75で、ワーウルフの頭部に銀の弾丸を打ち込んだ。とたんに、ワーウルフの動きが止まる。
 銀製の武器、弾薬はハンターの標準装備だ。驚異的な回復力を持つモンスターも、銀によりつけられた傷は回復出来ない。詳しい理由はまだ解明されていないが、あらゆるモンスターに、銀が有効だということは実戦で証明済みだ。
銀の弾丸は高価で、無駄遣いはしたくないのだが、安全には代えられない。慎重に心臓を狙い、さらに2発打ち込んだ。
「よし、よくやった」
 今回、組んだハンターが、笑いながら近づいてくる。
「サポート、ありがとうございました」
 私は頭を下げた。新人の場合、2、3回はベテランのサポートを受けて仕事をする。ハンターの免許を発行するハンター協会の規約にもあり、サポートをしたハンターが保証人となった営業許可書を貰わなければ、自由に仕事を受けることも出来ない。
 つまり仕事の内容で、先輩ハンターの信頼を勝ち取らなければならない。
「それじゃ、夕食でも食べて帰るか」
 そう言って笑ったハンターの頭が、突然爆ぜた。まるで、出来の悪い映画を見ているようだ。
「我が狩場を荒らす愚か者どもが!」
 黒い服の上に、黒いマントをした男が、2m程の高さに浮いていた。そして、瞳が紅く光る。
「ヴァンパイア……」
 ヴァンパイアの瞳を見てしまった私は、蛇に睨まれた蛙のように身動きが出来ない。頭の中で、逃げろと警鐘を鳴らすが、体がいうことを聞かない。
 薄ら笑いを浮かべたヴァンパイアが、少しずつ近づいてくる。ヴァンパイアの手が、あと数センチで私に届くという時に、携帯電話が鳴った。同時に金縛りが解ける。体の自由を得た私は、ヴァンパイアを突き飛ばし、走り出した。
 考えがあったわけではなく、ただ本能に従って逃走したのだ。


主人公いきなりピンチです。
さて、逃げ切ることが出来るでしょうか。

以降、物語の補完です。
2種類の免許が出てきます。
ひとつめは、ヴァンパイアハンターの免許。
ふたつめは、営業許可書。

ヴァンパイアハンターの免許はハンターの証しであるが、これだけで自由に仕事を請けることは出来ません。
ハンター協会の斡旋か、ハンター会社に所属しないと仕事にありつけないのです。

営業許可書を取得後は、自由に仕事を請けることが可能になります。

取得条件はハンターもしくはハンター会社の2名以上の保証人の推薦が必要。
ただし、保障人はハンター協会が指名することになっています。











ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




BACK | TOP | NEXT


小説家になろう