ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― (11/19)PDFで表示縦書き表示RDF


ヴァンパイアハンター日誌 ― 新人ハンターとヴァンパイア ― 
作:金城 ユウ



2回目の実地試験


 15:00時。私とレイは、先日アルバイトで引き受けたグレムリン退治の報告書を届けた後、ハンター協会に来ていた。のだが、とある事情で30分も待たされていた。
「あー暇だ。暇だ。だいたい、呼び出しておいて待たせるなんて、何考えているんだ」
 レイが、ソファーにふんぞり返って言う。
「レイ。少し静かにして。言っていたでしょ。私と組むはずだったハンターが、事故で大怪我したんだから仕方ないじゃない」
 しかし、私の本心を言うと、延期になんて、とんでもない。ここで延期になったら、何週間またされるか。それだけ、準備に時間がかかるのだ。
「待たせて、悪かったね」
 ドアが開いて、40代半ばぐらいの男性が入ってきた。
「葉月 秋穂さんだね?」
「は、はい。よろしくお願いします」
 私は、ソファーから立ち上がり頭を下げた。
「そちらの方は?」
 レイの方を向き、男性が聞いた。
「はい。助手の、レイ=ブラッドです」
 私が紹介すると、レイは「どうも」と片手を上げた。(ちょっと、待たされてイライラしているのは、あなただけじゃないのよ)
「すみません、礼儀知らずで。後で、よく言って聞かせますから」
 すると、男性は笑っていった。
「いや、こちらこそ、待たせてしまったね。おっと、申し遅れたが、私は、スターク=鈴木といいます。よろしく」
「いえ、こちらこそ、よろしくお願いします。鈴木さん」
 私は、もう一度、頭を下げた。
「では、早速ですが、仕事の話に入りましょうか。次の実地のターゲットは、下僕クラスのヴァンパイアです。バックアップは、ハンター会社『銀鎖社』から二人。助手は、二人まで。その経費はハンター自身が担うこと、報酬は成功報酬で、350万クレジット。必要経費込みです。詳細はこちらの資料をご覧下さい」
 私は、A4サイズの資料を受け取りザッと目を通す。
 事件ランクB、ヴァンパイアによる殺人。その後、被害者のゾンビ化により死亡者二人、重軽傷者四人。ヴァンパイアは、逃亡。
 ヴァンパイアの駆除を最優先。なお、任務遂行時の周囲への被害、人的被害は、ハンター協会が負うものとする。
 つまり、責任は協会がとるから、思いっきりやってよしってことね。制限がない分やりやすいが、それだけ、危険でもある。
「駆け出しのハンターには、重くないか、この仕事」
 今まで黙っていたレイが、口を開いた。
「ヴァンパイアが1体だけならいいが、他のヴァンパイアの介入があったら、手におえないぞ」
「どうします?秋穂さん。決めるのはあなたです」
 鈴木さんが言う。そうなのだ、試験とはいえ仕事選ぶのは私だ。一瞬、前回、ヴァンパイアと対峙した時のことを思いだし、体が震えた。
 レイの言うこともわかる。だが、ヴァンパイアハンターが、ヴァンパイアから逃げるわけにはいかない。
「やります。やらせてください」
 私の、このセリフで、二回目の実地試験は、ヴァンパイア退治に決まった。


すいません。しばらく放置してしてしまいました。

なにやら不運続きの秋穂ちゃん。試験は大丈夫なのかな?
続きます。











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