神暦299年3月。 私は、ヴァンパイアハンターの資格を得た。 空想の世界の住人と思われていた、モンスターや妖怪が人の前に姿を現した事件、「深紅のクリスマス」から300年近く過ぎた。 始めは無力だった人間も、次第に対抗手段を身につけていく。 そして、神暦62年。民間初の対モンスター会社が設立された。 その仕事に従事する人々を、モンスターハンターと呼ぶようになり、年々、細分化、専門化された。 そのハンター達の中でも、ヴァンパイアハンターは最高峰に位置する。すべてのモンスターに対応する知識と技量を持ち、破格の報酬を得る。まさにエリートだ。 そのヴァンパイアハンターの免許を、私は18歳1ヶ月という免許制度が制定されてからの最年少記録と共に得た。明日から、いや、たった今からヴァンパイアハンターを名乗れるのだ。 私はうれしさのあまり、この先に訪れる数奇な運命を、まだ知らなかった。