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王子様と改造人間 quatre




 アウィが惨敗し、ハイゼの番となった。
「なめすぎだぞ。折れるかひび入ったんじゃないか?」
「うるせぇな、打撲だよ、多分・・・・・・。あいつ、スピードだけで
威力は全然本気出しやがらねぇし。あー、まじ久しぶりに負けると
きついもんがあるな」
「しかも女に」
 アウィの心を読んだかのようにハイゼが言うと
「・・・・・・はぁ。せいぜい惨めな姿さらさないよう頑張れよ」
 ため息混じりにアウィがいって
「ご忠告どうも」
 ハイゼは済ました顔で返し、二人はブロック内の出入り口で入れ替わった。








 







 二人は向き合うと
「よろしく」
「よろしくお願いします」
 軽く一礼した。




















 一礼から一言も交わさず、二人の戦いはたんたんと幕を開けた。
 今、二人はブロック中央から離れたところで向かい合わせになっている。
 ハイゼは、リボルバー式の銃を左手に、メーベルをじっと観察していた。
対するメーベルは、ハイゼの手元の銃を注視している。
 しばらくして
「お前って、腕は使わないの?」
 突然ハイゼがメーベルに話しかけた。メーベルは驚きつつも
「はい。イジャスラフ先輩やアウイさんみたいに万能型になれればよかったんですけど」
 しっかりと返事をした。
「ふーん、ま、いいんじゃねぇの。足だけでそれだけできれば」
 表情を少しも崩さずにいったその言葉に
「そう、でしょうかね・・・・・・」
 なんともいえない返事。
「・・・・・・もうチーム申請はしたのか?」
「いいえ。お二人はどうなんですか? 毎日申し込みを断ってるみたいですけど」
「もちろんまだだ。期限も間近だしえり好みばかりしてるわけにはいかないんだけど、
妥協もできないしな。弱くて足引っ張るような奴はごめんだし、強くても
俺らと連携できない奴もだめ、いい奴いないんだよ」
「そうですよね、お二人の場合なおさら難しいですもんね。実戦とかもあるから
お二人のレベル考えると、やっぱり気の合う友達とかってわけにもいかないし。大変ですね」
「それはお互い様。お前も苦労してんだろ」
「お二人ほどじゃありませんよ、それに私はもう諦めてますし」
 メーベルのおなじみといってもいい苦笑いをハイゼはただ黙ってみていた。





















 一方、ブロックの外では
「先輩、試合始まってますよね?」
「ああ」
「俺、あいつがまともに会話してるの社交辞令みたいなときしかみたことないんすけど、
なんか企んでるんすかねぇ」
「企むか・・・・・・、まぁメーベルじゃ色仕掛けも何もきかんだろうが」
「ですよねぇ、見た感じ」
 男二人でそんな会話のやり取りが続いていた。
「でも、はやくあいつがメーベルにどう対処するか見てみたいな」
「右に同じく、でも先輩、あいつ勝てると思いますか?」
「いいところに気がついたんだけどな、ハイゼも詰めがまだまだ甘い」
「はい?」
 イジャスラフにわけがわからないというようにアウイがそういうと
「あいつは正真正銘のサアの適合者ってこったよ」





















「そろそろ、始めるとしよう」
「そうですね」
 お互いの目つきが一瞬にして変わった。
「おい、本気でやって平気なんだな?」
 ハイゼが確認し
「どうぞ」
 メーベルが微笑む。
 その数秒後、ハイゼは目にもとまらぬ速さでメーベルに向け銃弾を数発
はなった。メーベルは、即座に五メートルほどジャンプしかわす。ブーツから
出た光がさらさらと下へ落ち消えていった。
 ハイゼは、間髪入れずまた的確にメーベルを狙い打つ。スアで出来た光の銃弾は、
ブロックに当たり消えていく。
 メーベルは元の位置に戻っていた。
「お前、実は体力ないだろ?」
 ハイゼがそう言った直後メーベルは驚くものの
「流石ですね、すぐに気づいたのはあなたとイジャスラフ先輩ぐらいです」
 そういうと真剣な眼差しになり、右足を一歩後ろに下がらすかしないかの瞬間、
ハイゼはすぐ発砲した。
 メーベルはそれを右に交わしたが、交わした場所はブロック中央で、
さっきメーベルがいた場所からハイゼに半分も近づいた場所だった。
 ハイゼは舌打ちし
「少しタイミングがずれたか」
 そうポツリもらす。




























 ハイゼが舌打ちしたころ
「ハイゼまさかあいつの動きが見えてる?」
 さっき惨敗したものが愕然としていった。
「どう、だろうな。でも、ハイゼはメーベルの癖をちゃんと見抜いてるのは確かだな」
「くせぇ?」
「ああ、直しようもないジンクスみたいなもんだな、あいつにとって」
「癖ねぇ・・・・・・」
 アウィは訝しげにメーベルを見る。























 アウィがメーベルを訝しがってるころ
「さっきの攻撃はくやしいです。・・・・・・もしかして見えてます?」
 メーベルが顔を白くしていった。
「さぁな、でも次は決める」
 ハイゼはそう言って、メーベルの胸のほうに銃口を突きつける。
「それは怖いですね、それなら私も次で決めます」
 いい終わるかしないうちに、メーベルはその場から消えていた。ヒュンヒュンッと、
メーベルがブロック内のあちこちを回り、光がそこらじゅうに舞う。
 ハイゼは目をつむり深呼吸した。肩の力が一気に抜ける。そして、銃を両手で握った。
 再び、ハイゼは目を開けると周りに目もくれず一心に地面に集中した。そして、
こつんとかすかに地面に何かが当たった音がした瞬間、すぐに音のした方向に
銃口を向け
「もらった!」
 間近に迫ったメーベルに向け発砲した。


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