王子様と改造人間 un
『なぁ、俺達とチームを組まないか?』
そうアイツと声を掛けたのが、もうずいぶん昔のことのように
思えた。
「なぁなぁ、ハイゼ。この際もう二人だけで組もうぜ。俺らに
ついてけるやつなんていねぇって。今ここに史上最強ペア誕生!
それでいいじゃねぇか? 」
「学校側が同意すればな」
「なー、俺らも助かるのに」
とある世界ドミナのとある国の学校では、第九学年になると三人
チームを組んで実習という必修科目が課されていた。その学校の名は
ホルス。この学校は、ハヤブサを象徴とする、個人個人のより優れた
能力向上計る学校だ。
その実習のチーム登録の期限が、五日後に迫っていた。
そんな中、まだチーム登録をしていないその二人には、毎日
「なぁ、友達だろ? 入れてくれよー」
毎朝
「王子、私をぜひチームに」
毎晩
「ねぇ、王子、お・ね・が・い」
あるときは二人のどちらかの男友達が合掌して懇願し、またある
ときは二人の同学年の中ではあまりによいルックスのために、清楚で
内気なお嬢様やプライドが高い美人な女や高嶺の花・マドンナと
呼ばれる女子達も含め、というより同学年の女子大半が精一杯
かわいくアプローチし、そしてまたあるときは服がはちきれん
ばかりの巨乳な女などが色仕掛けをしてきた。
そんな者達を、王子と呼ばれる二人の少年は、丁寧に、ときに
粗雑にそのような申し出もろもろを断ってきた。
バッタバッタと申し出を切り裂く二人は、今や学園一注目の
ルーキーであり、通称一人を黒王子、もう一人を金髪王子とみなは
呼ぶ。
黒王子、アウィ。本名アウイ。笑顔が絶えない、マイペース人間。
顔立ちが言うまでもなくよく、明るい性格のために男女問わず友人が
多い。背は年齢の割には高いほう。勿論漆黒の短髪。
金髪王子、ハイゼ。容姿端麗、クールで知的なオーラを放つ。背が
高く、肩ほどあるブロンドの髪の持ち主。物静かで、なかなか笑顔を
見せないのがまた魅力。
そんな二人が、学校の廊下をまた通行止めにしていると
「こら、道を空けんか! 」
ベテラン中年男教師は一喝した。白いポロシャツに下はジャージ
という格好の、メタボ白髪オヤジは、即座に空けられた道をずんずん
進んでいく。
その後ろを、さっと着いて行く生徒がいた。
滑らかなミディアムストレートの黒髪、茶色の瞳。背は低く、
表情はどこかぶすくれているかのように見え、おせじにもかわいい
とは言えない。
その少女を見た何人かが、少女が少し離れた後
「あれ、例の改造人間でしょ? 」
「任務かしら? 」
「定期健診じゃない? 」
「いいわよね、特別扱いで・・・・・・」
などなどの囁き声が飛び交った。
それが、俺とアウィの、改造人間、別名メーベルとの初めての
出会いだった。
これは、十六夜本編より少し前のお話。
メーベルの過去やハイゼとアウィたちの活躍が描かれています。
三人がどのようにチームとしての日々を過ごし、そして何故メーベルが
二人とは違う道を辿り今に至るのか・・・・・・。
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