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太陽の下
今日は久々の快晴だった。
昨日まで灰色に汚れていた空は透き通った空色になり、それを待っていたのだろう太陽が嬉しそうに光り輝く。
こんな日に薄暗い室内で本を読んで過ごすのは失礼だろうと、幼心に僕は外に飛び出した。
日の光を身体いっぱいに受け、丸まっていた身体を思い切り伸ばす。
魔理沙が見ていたら「似合わないな」と笑われてしまいそうだが、紅魔館の魔女ではないのだから、僕も時にはこんな事をしたくなるのだ。

「あらあら、穴熊の店主がそんな健康的なことをしているなんて、異変の前触れかしらね」

純白の日傘を差し、清楚ながら女性らしいラインを強調させた衣服を着た少女は、くすくすと微笑みながら、人の良い気分をぶち壊してくれた。

「……珍しい、幽香が此処に来るとはね」

しかし、ここで怒ったり皮肉を言い返したりしてはいけない。
彼女、風見幽香はこの店の数少ない客人だ。
変に刺激して気分を損ねたら、こちらとしても不利益な結果になってしまうのだから。

「あら、てっきり皮肉の一つでも返してくるかと思ったけど……まあいいわ。
それより、そろそろ珍しい花の種があるだろうと思って散歩がてらに来たの、何かあるかしら?」

散歩がてらと言いつつも、その物欲しそうな顔を見る限り、ある程度期待して此処に来たのだろう。
彼女は普段、人里で花の種やじょうろなどの用具を買い求めるのだが、時々人里には無い珍しい種を求めにこうして此処に来るのだ。

「うーむ……最近は特にこれと言って珍しい種は無いね」

「えー」

微笑む大人の表情から一転、ぷうっと頬を膨らませながら不満の表情を浮かべる幽香。
さしずめ欲しい物を買って貰えなかった子供のようである。

「本当に何も無いの?」

折角足を運んだのだ、手ぶらで帰るのは嫌なのだろう。
再び物欲しそうな表情を浮かべながら聞き直してくる。

「うーむ……あ、ヤマユリの球根だったら少しあった気がするな」

「ヤマユリ?」

ヤマユリは最近少しずつではあるが、幻想郷で咲き始めているユリ科の球根植物である。
花はユリの中でもとても大きく、香りは甘くてとても強い。
以前霊夢が「甘過ぎよ、気持ち悪くなるわ」と嫌悪していたな。

「ヤマユリかぁ……ちょっと球根を見せて貰いたいのだけれど」

「ああ、少し待っていてくれ」

足早に店に戻ると、曖昧な記憶を頼りに探し出す。

「ここだったかな……いや、確かここじゃあ……えっと……」

「そこよ、黒い液体の入った瓶の隣」

彼女の言われた所に目を向けると、あったあった。
表面に埃を被りながら、三つの球根がひっそりと佇んでいる。

「ふぅん……こんな不健康な場所に放られていたわりには、結構しっかりとしているわね」

どうやらお目にかなったらしい。
優しく埃を払うと、三つ全て購入してくれた。

「毎度ありがとう」

「どういたしまして。
それより、少しお茶でもしないかしら?」

霊夢みたいな事を言うと、いつの間に用意したのかお茶とお茶請けの大福を持ち、縁側に腰掛ける幽香。

「どういう風の吹き回しだい?」

「心地よいそよ風が吹いているじゃない」

笑顔であしらうと、彼女は大福を口に運ぶ。

「甘くて美味しいわ、でも、私は栗羊羹のが好みだわ」

「…………」

「ボリュームがあって良い大福ね、でも、私は栗羊羹のが好みだわ」

「……分かったよ、今度買っておく」

「ふふっ、よろしくね」

屈託のない笑みを浮かべると、再び大福を口に運ぶ幽香。
どうしたのだろうとつい理由を聞きたくなるが彼女の事だ、どうせ軽く受け流してしまうだろう。
普段一人でいる者は、そう簡単に自分の腹の内をあかさないものだからな。
諦めたようにため息をつくと、僕は彼女の隣に腰掛けた。
心地よいそよ風を受けながら、お茶を啜る。

「今度はいつ来ようかしら」

そう呟きながら、隣で三つ目の大福を頬張る彼女の笑顔は、何故だか店に訪れた時とは違うような、そして、その何倍も価値があるように思えた。
やった! 今回はあまり間を開けずに更新できたぞ!
……すみません、当たり前ですよね、はい。
今回もまた勢いで書いてしまったけれど、大丈夫かな……。
変だったらごめんよ、幽香さん。
まあ、彼女は私の敬愛するお方なので、これからもちょくちょく出すつもりでいます。
むしろ幽香×(ゆうかりん)に路線変更しようかね?
……いや冗談ですよ、霖之助さんには渡しません!


さて、馬鹿話はこの辺にして……
いつの間にかお気に入り登録をしてくれている方々がいました!
こんな拙い小説を登録してくれて本当に有難うございます!
もう感謝感激あめあられ~です!
そして、感想・意見もお待ちしています!
甘口~辛口まで選べる云々でございます(ぇ
それでは、今後ともご贔屓に。


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