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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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私の戦闘力

 
 ロクサーヌとセリーを家に残し、一人でハルバーの迷宮に飛んだ。
 十一階層に連れて行ってもらうためだ。
 公爵やカシアと別れた後、ハルバーの迷宮の中から家にワープしたので、ロクサーヌやセリーを連れて行くのはまずいことになる。
 一階層の小部屋から迷宮の外に出ると、そこにはちょうどゴスラーがいた。

「おお。ミチオ殿。早速入っておられたのですか」

 目ざとく見つけ、声をかけてくる。
 偶然とはいえナイスタイミング。
 ハルバーの迷宮に入ることにして正解だ。
 これで俺がちゃんとハルツ公領内の迷宮に入っていたというあかしが立つ。

 ボーデやターレで俺を見た人もいるので齟齬も生じるが。
 そこまで気にすることはないだろう。
 写真やビデオがあるわけでもないし。

「ゴスラー殿もこちらの迷宮へ?」
「はい。ちょうど四十一階層を突破したところです」
「それは上々」

 すごいな。
 さすが魔道士Lv61は格が違うようだ。
 戦闘力にしたら百万以上は確実か。

 ゴスラーと一緒にいる人たちがパーティーメンバーなのだろう。
 ハルツ公の騎士団でも探索の最先端を行くパーティーというところか。
 聖騎士二人に、僧侶一人、沙門一人。
 沙門って何だ?

 レベルも全員高い。
 僧侶にいたってはLv90もある。
 僧侶のジョブは俺も持っているくらいだから、魔道士や聖騎士と同じ条件ではないのだろうが。

 しかも、全員エルフ。
 全員イケメン。
 まったく人をイライラさせるのがうまいやつらだ。

「もう帰られるのですか?」
「一階層の感触を確認しただけなので。これからパーティーメンバーを連れてきます」
「もしよろしければ、うちのパーティーの者に案内させましょう」

 ゴスラーが提案してきた。
 気配りまでできるおっとこまえらしい。
 こちらが何階層に入っているか、探る目的があるのだとしても。
 いちいち癇にさわるヤローだ。

「あー。ではありがたく。十階層か十一階層から入ってみようかと」

 しかしこの誘いを受けない手はないだろう。
 何階層に入るかできれば教えたくないが、突っぱねるのも理由がない。
 十一階層のみの予定だったが、ただなら十階層からチャレンジできる。

「お。出てきました。すまんが、一度十階層と十一階層に行ってもらえるか」

 迷宮の入り口から、探索者と冒険者が出てきた。
 冒険者の方にゴスラーが話しかける。

「では、確認させてもらいます」

 探索者の方は、迷宮にとんぼ返りした。
 何かを確認してくるらしい。

「はい。十階層と十一階層ですね」
「彼に案内させます。パーティーに加入させてやってもらえますか」

 ゴスラーが俺の方を向いた。
 こっちの冒険者Lv53がゴスラーのパーティーメンバーか。
 冒険者をパーティーに入れると、探索者が外に出てくる。

「確認できました。四十二階層なので銀貨四十二枚を払わせていただきます」

 確認というのは、四十二階層かどうかの確認をしてきたらしい。
 時間的に入って出てきただけだろう。
 多分四十二階層と念じて入れればオッケーのようだ。

 俺は冒険者と二人で十階層に入り、外に出る。
 冒険者はダンジョンウォークを使うことはできない。
 もう一度今度は十一階層に入り、外に出た。

「案内をありがとうございました」
「それではミチオ殿、よろしくお願いします」

 礼を述べ、ゴスラーとも別れる。
 近くの木から家に帰った。

「迷宮に入るとき、階層を選べるよな」
「はい。探索者や冒険者ならできます」

 探索者Lv11を持っているセリーに確認する。
 階層を選べるのは探索者と冒険者のようだ。
 ゴスラーの行動にも俺の行動にも不審な点はない。

 ロクサーヌとセリーを連れてハルバーに戻り、迷宮の十階層に入った。

「では、とりあえず十階層からこの迷宮で戦ってみよう」
「えっと。ハルバーの迷宮十階層の魔物はニートアントです」
「毒もちか。まあ初めての迷宮だし、一応一つ下から試してみるべきだろう。ロクサーヌ、探してくれ」
「かしこまりました」

 ロクサーヌの先導で進む。
 ニートアントLv10はやはりウォーターボール三発で倒れた。

 念のためにもう少し狩ってみる。
 大丈夫だ。
 団体で出てきても問題なく屠れる。
 たった三匹のアリが恐竜に勝てると思ったのか?

 ハルバーの十階層ではエスケープゴートも出てきた。
 九階層の魔物がエスケープゴートらしい。
 エスケープゴートLv10はやはり水魔法三発で逃走を開始する。
 同じパターンとは、芸のないやつだ。

 追うんですよ、ロクサーヌさん。捕まえなさい。
 などとは言わずに、残り三発の魔法できっちりとしとめる。
 ハルバーの十階層だからといって、特に違いがあるわけではないようだ。
 十階層では問題なく戦えた。

 残る懸念としては新しく替えた装備品の具合も確かめたいが、ニートアントの攻撃を受けるのはまずいか。
 わざわざ受けさせることはない。
 十一階層でミノを相手にすれば、そのうち攻撃も喰らうだろう。

「十階層は問題ないみたいなので、十一階層に移るか」
「分かりました」

 十一階層に移動する。
 ミノLv11を倒すには、やはり魔法が七発必要だった。
 これなら早晩セリーが攻撃をもらうだろう。

 と思っていたのに、ハルバーの迷宮で最初に攻撃を喰らったのは俺だった。
 デュランダルでMPを回復しているときに避けきれずミノの体当たりを浴びてしまった。
 初めてですよ。
 ここまで私をコケにしたおバカさんたちは。

 考えてみたらニートアントやエスケープゴートとは戦っている時間が短い。
 フルに魔法七発分、近づいてから四発分戦うのはミノだけだ。
 いくらミノが十一階層の魔物だからといっても、ミノ四匹の団体というのは少ない。
 ミノが三匹以下なら、ロクサーヌが二匹引き受けるから、セリーが相手にするのは一匹でいい。

 俺だって一対一で注意深く戦えばそうそう攻撃を喰らうことはない。
 などと考えていたら、次にデュランダルを出したとき、一対一だったはずのニートアントから攻撃をもらってしまう。
 絶対に許さんぞ、虫けらども。

 セリーが攻撃を受けたのは、その後何回めかにデュランダルを出しているときだった。
 ニートアント、ミノ、ニートアント、ミノの四匹の団体が出てくる。
 左端のニートアントをラッシュ一発で屠り、次に真ん中のニートアントを倒そうと俺が移動したとき、セリーが間のミノから頭突きを喰らった。
 俺が進もうとした方向とセリーの回避しようとした方向とが重なり、攻撃を避けきれなかったように見える。

「悪い。邪魔だったか」

 全部倒してから、セリーに訊いてみた。

「いえ。移動することは分かっていたのに、私の不注意です」

 つまり完璧に俺が邪魔だったと。
 アイテムを受け取り、手当てをする。

「チェインメイルを着けてみて、敵の攻撃はどうだ?」
「はい。軽くなったと思います。ありがとうございます、もう大丈夫です」

 手当て二回が必要のようだ。
 大きくはないが、それなりにはダメージが減ったというところだろうか。

「クーラタルの十一階層でも問題ないレベルか?」
「やってみなければ分かりませんが、がんばれると思います」

 がんばれると思うだと装備を替える前と答えが変わっていないわけだが。
 まあ、やってみなければ分からないというのは確かにそのとおりだろう。

 少なくともハルバーの十一階層ではきちんと戦えると判断していい。
 組み合わせによる得手不得手はあるにしても、同一階層の魔物の強さが迷宮によって異なるということはないようだ。
 時間もくったので午前中はそのままハルバーの十一階層で狩をした。
 軽い休息を取り、午後に再び迷宮に入る。

「ターレの十三階層へ行って、ラブシュラブを狩る。セリー、ラブシュラブというのが次の装備品作成に必要な素材を残す魔物だったよな」
「はい。そうです」

 ターレの迷宮へはまず一階層から入った。
 念のためにデュランダルを出してシックススジョブまで増やし、戦士と錬金術師のジョブをつけてメッキをする。
 メッキをした後、一階層でMPを満タンにした。

 しっかりと準備は整えておくべきだろう。
 二つ上に移動するだけだから、そこまでやばくはないと思うが。
 デュランダルでラッシュをかければ倒すのにてこずることはないはずだ。
 態勢を整え、いよいよ十三階層に足を踏み入れた。

「ラブシュラブというのはどういう魔物か知っているか」
「戦ったことはありませんが、枝を遠くに飛ばす遠距離攻撃をしてくる魔物だそうです。火魔法が弱点です」

 遠距離攻撃か。
 やはり十二階層から上の魔物は少し強くなっているようだ。
 そして弱点は火魔法と。

「火魔法だな。まあ今回は新しい魔法を使う。ロクサーヌ、探してくれ」

 ロクサーヌを送り出す。
 ロクサーヌの案内で迷宮を進んだ。
 二匹の魔物が現れる。


ラブシュラブ Lv13

ラブシュラブ Lv13


 出てきたのは、ニードルウッドより背の低い木の魔物だ。
 根も小さくて、根っこが足になっているニードルウッドは違う。
 完全に木だ。

 その分移動速度も遅いらしい。
 もたもたしている。
 これなら火魔法でもなんとかなりそうか。

 まあいい。
 二匹現れたが、これもちょうどいいだろう。
 においでは数まで完全には分からないらしいし。

「来ます」

 魔法を撃とうとしたら、ロクサーヌが飛びのいた。
 ロクサーヌのいた場所から何かが飛び出してくる。

 ロクサーヌさん、お待ちなさい。
 自分が避けるのはいいが、後ろに人がいるということは考えてほしい。
 薄暗い迷宮でいきなり前がいなくなったらどうなるか。
 茶色い物体が俺のすぐ横を通った。

 あ、危ねえ。
 一ミリも動けなかった。
 ロクサーヌの後ろは危険だ。
 さすがの俺も今のは死ぬかと思った。

 これがラブシュラブの遠距離攻撃か。
 移動力のない分は遠距離攻撃でカバーか。
 せっかくかっこよく魔法を放つところだったのに。

 くそっ。
 報いは受けてもらう。

 普通の魔法のままでもラブシュラブを粉々にするのは簡単なことですが。
 殺す前に死よりも恐ろしい究極の魔法というものをご覧に入れましょう。
 大サービスでご覧に入れましょう。わたくしの最後の魔法を。わたくしの真の力を。

「光栄に思うがいい。この魔法まで見せるのは、貴様らが初めてだ。無限の宇宙の彼方から、滅ぼし尽くす空の意志、滅殺、メテオクラッシュ」

 選択しておいたボーナス呪文を使う。
 メテオクラッシュ。
 かつては使えなかった魔法だ。

 レベルが上がった今なら使える。
 いや、使う。
 使えるに違いない。

 MPが大きく減るのを感じた。
 成功だ。
 ごっそりとMPが削られ、魔法が発動する。
 成功してしまった。

 俺の頭上に、灼熱した岩のかけらが現れる。
 溶岩のように真っ赤に燃えたぎった隕石だ。
 周囲が赤く照らされた。

 赤熱の隕石が大地めがけて落下する。
 洞窟を埋めつくすように落ちる。
 流れ落ちていく。
 一つ。二つ。

 隕石が空気を切り裂く轟音が響いた。

「えっ」
「何?」

 呆然とするロクサーヌとセリーの横を巨岩が通る。

 成功してしまったが、大丈夫だ。
 対象を選ばなかったので、メテオクラッシュは全体攻撃魔法である。
 全体攻撃魔法は何故か人には当たらない。
 ロクサーヌもセリーも問題ない。

 ロクサーヌは避けてしまっているところがすごいが。
 回避できなかったセリーの頭を隕石が通過していくが、実際にはダメージを与えていないようだ。

 岩石が進む。
 火の粉をまき散らし、跡に残しながら進む。
 洞窟内が真っ赤に燃え上がった。

 そしてラブシュラブに激突する。
 隕石は二匹のラブシュラブを巻き添えにして、砕け散った。





 隕石も魔物も存在しない静かな空間が戻る。
 二枚の板だけが残された。
 一撃か。
 さすがにボーナス呪文だけあって、すごい威力のようだ。

「な、何ですか、今のは」
「新しい魔法だ」
「こ、こんな魔法も持っておられたのですね。さすがはご主人様です」
「で、でも一撃ですよ」

 十一階層では魔法七発が必要だった。
 メテオクラッシュには相当の威力があると考えていいだろう。
 ただしラブシュラブは火魔法が弱点だ。
 隕石が真っ赤に燃えていたから、火属性魔法なのかもしれない。

「なにしろ力があり余っているんだ。ちょっとやりすぎてしまうかもしれん」
「す、すごすぎです」

 同時にMPも減った。
 きつい。
 相当量のMPを消費するらしい。

 一階層に移動して最低限の回復をした後、ハルバーの十一階層でさらにMPを回復する。
 ターレの十三階層からターレの迷宮の一階層に移動するのはワープで迷宮間を移動するよりも楽だ。
 しかし、一階層は一匹ずつしか出てこないし、Lv1の魔物からちまちま吸収するのもめんどくさい。

 ハルバーの十一階層でMPを全回復して、ターレの十三階層に戻る。
 今度はデュランダルで戦えるかどうか試してみたい。
 勝てそうになければメテオクラッシュを喰らわせればいい。

「もう一度、また少ないところを探してくれ」

 ロクサーヌの案内で進み、次に見つかったのはラブシュラブ一匹。
 ちょうどいい。
 デュランダルを掲げて突っ込んだ。
 早くしないと枝が飛んでくる。

 ラブシュラブのところにたどり着く前に、やはり飛んできた。
 オレンジ色の魔法陣が出るのは見えたのだが、避けきれなかった。
 革の鎧を着けた胸元に枝が当たる。
 かなりの衝撃。

 今のは痛かった。
 メッキをしていてもこの威力なのか。
 止まってしまっては追撃がくるだけなので、走りぬく。
 メッキをかけなおしている暇はない。

 大上段に振り上げ、ラブシュラブにラッシュを叩き込んだ。
 一撃では倒れない。
 再度ラッシュを使う。

 思っていたよりずっと強いようだね。
 ちょっと驚いたよ。
 ラッシュ二発の上をゆくやつがこの世にいたなんてね。

 ラッシュ二撃でも倒せなかった。
 魔物と相打ちになりながら、横から幹を払う。
 三発めのラッシュ。
 ラブシュラブが倒れた。

 ラッシュ三発か。
 十一階層は一発で倒せたのに。

 いくらなんでも二階層上がっただけで三倍はないんじゃないだろうか。
 十二階層から上の魔物は強さが違うということだろうか。
 十一階層までの魔物は所詮雑魚だったということか。
 サービス期間は終わったのさ。

 まあ、少ない数ならデュランダルでちゃんと戦える。
 もう少し十三階層で戦ってもいいだろう。
 じわじわとなぶり殺しにしてくれる。

「板は何枚くらいあればいい」
「とりあえず、五、六枚もあれば十分です」

 六枚か。
 今まで三枚集めたから。
 おう、よしよし。これで、あと三つになりましたね。

 次に出てきたラブシュラブに再度魔法を使う。
 デュランダルで斬りあうのは大変だ。
 魔法の方がいい。
 今度はこっぱみじんにしてやる。

「この星を消す」

 ガンマ線バーストと念じた。
 メテオクラッシュ以外にもう一つ選択しておいたボーナス呪文だ。
 メテオクラッシュが最後の魔法ではなかった。
 火属性魔法かどうかは知らないが、これなら十三階層の魔物でも……。

 発動しない……だと……。

 ガンマ線バーストを使うにはまだMPが足りないようだ。
 かなりレベルアップしているのに。
 メテオクラッシュのさらに上があったのか。
 まあメテオクラッシュでもぎりぎりのMP量だから、少ししか違わないかもしれないが。

 しょうがないのでメテオクラッシュを発動させる。
 赤熱した隕石が火の粉をまき散らしながら流れていった。
 すばらしい。
 ほら、見てご覧なさい、ロクサーヌさん、セリーさん、こんなに綺麗な花火ですよ。
+注意+
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