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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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朝のお勤め


 目覚めると、ロクサーヌを抱き枕にして眠っていた。
 左側にロクサーヌを寝かせ、両手と右足で抱きついている。

 心地よい目覚めだった。
 いや。心地よい目覚めというか、目が覚めたら心地よかったというか。

 ロクサーヌのすべすべとした肌が気持ちいい。
 柔らかく、そして優しい肌触りだ。
 抱き心地も素晴らしい。しっとりとした弾力が返ってくる。
 ロクサーヌと接している部分から快感が染み込んできた。
 左腕をロクサーヌの下に滑り込ませているが、それほど重くないし、しびれてもいない。

 軽く抱き寄せ、背中をなでた。
 ふんわりとした毛の感触を楽しむ。

 俺もロクサーヌもかぼちゃパンツしか着ていない。
 ブラジャーみたいなものは、ないか、あっても高いのだろう。
 左腕の上に、重みのある確かな弾力が乗っかっていた。

 と、突然、唇が覆われる。
 ロクサーヌがキスをしてきたのだ。

 手の動きで俺が起きたのが分かったのだろう。
 そういえば、そうするようにと俺が言ったのだった。
 律儀に守ってくれたのか。
 ご主人様の命令で仕方なく、かもしれないが。

「おはようございます、ご主人様」

 しばらく柔らかな唇と舌を味わった後、口を放すと、ロクサーヌが挨拶してくる。

「ありがと。おはよう、ロクサーヌ」

 目を開けたが、ロクサーヌの美しい顔は見えなかった。
 まだ暗い。
 感覚だけを頼りに抱き寄せ、もう一度唇を奪う。
 見えなくてもなんとかなるもんだ。

 半開きのロクサーヌの唇の間から、舌を差し入れた。
 ゆっくりと誘うように舌を動かし、ロクサーヌの柔らかい舌を絡め取る。
 ロクサーヌは、情熱的とまではいえないかもしれないが、きちんと応じてくれた。

 嫌がってはいないと考えていいのだろうか。
 仕方なく、かもしれないが。
 逃げ出したくなるほど嫌というわけではなさそうに思う。

 このまま押し倒したくなるが、キスだけで我慢する。
 昨晩は遠慮して一回戦しかしていないので、元気はありあまっている。

 しかし、この十日間、朝は必ず迷宮に行っていた。
 今日だけ宿の外に出ないと、昨夜はお楽しみでしたね、ということが旅亭の男にばれてしまうのではないだろうか。
 ダブルの部屋を案内された時点でバレバレだとはいえ。

 キスをしたまま、手を頭の方に持っていき、髪をなでる。
 なめらかなすべり心地を楽しんだ後、口を放した。

「ちょっと迷宮に行ってみようか」
「はい、ご主人様」

 名残惜しいが、ロクサーヌを放して上体を起こす。
 どうせ今夜も楽しめる。今夜も明日もあさっても。
 ロクサーヌが逃げ出しでもしない限りは。

 身を起こしベッドに腰かけて皮の靴をはいていると、ロクサーヌがシャツを着せてきてくれた。
 おっと。なんかいいな。
 王様気分。

「悪いな」
「いいえ。どうぞ」

 まだ慣れていないのか、ぎこちない。
 腕が当たった。
 慣れていないというか、真っ暗だからか。

「暗いのに、大丈夫か」
「すみません。あまり夜目が利くほうではないので」
「無理することはない」

 ズボンだけ受け取って、後は自分で着る。
 アイテムボックスから皮のジャケットも取り出して羽織った。


皮のジャケット 胴装備
スキル 空き


「そういえば、空きスロットって何か分かるか?」

 気になったし、いい機会なので訊いてみる。
 あれ。空きスロットというのは俺が勝手に言っているだけか。

「何のことでしょう」
「うーんと。装備品にスキルの空きがある状態か」
「装備品にですか? もちろん溝や隙間はありますけど」

 それはスロットの辞書的な意味だ。

「装備品にスキルをつけることができるだろう」
「はい」
「多分そこがあいているということだ」
「申し訳ありません。よく分かりません。スキルがなければ、何もないのではありませんか」

 どうやら通じないらしい。
 武器商人も空きのスキルスロットは分からなかった。
 一般的にはスキルの空きは知られていないのだろう。

「装備品にスキルをつけるにはどうやる」
「えっと。スキルつきの装備品を購入するのが一般的です」
「買うのではなく自分でつけるには」

 アイテムボックスから皮の鎧も出す。
 ロクサーヌに皮の鎧を渡したいが、暗いのでロクサーヌがどこで何をしているのかよく分からない。
 ロクサーヌはロクサーヌで着替えているのだろう。

「モンスターカードの融合ができるのは鍛冶師だけです」

 鍛冶師のジョブが必要なようだ。
 毒消し丸を作るにも薬草採取士のスキルである生薬生成が必要である。同じことなんだろう。

「モンスターカードというのは?」
「魔物が持っているインテリジェンスカードみたいなものです。それを装備品と融合すると、スキルのつくことがあるそうです。魔物を倒すとまれにですが残ることがあります」

 まあそうなんだろう。想像通りだ。
 もう一つ、想像できることがある。

「スキルスロットに空きがないと、カードが融合できないのではないか」
「装備品にスキルがつくかどうかは、モンスターカードの状態、鍛冶師の腕や運によって決まるとされています」
「なるほど。やはり失敗することがあるのか」
「失敗する確率の方が大きいと言われています」

 試してみなければ分からないが、スキルに空きがないと、スキルがつかないのではないだろうか。
 その場合、鑑定を使える俺には大きなアドバンテージがあることになる。
 俺がやれば融合に失敗することがない。

「鍛冶師にはどうやったらなれるかって、知ってるか」
「申し訳ありません。知りません。鍛冶師は種族固有ジョブなので、ドワーフでないとなれません」

 がーん。
 そして、ドワーフもやはりいるのか。
 まだ会ったことはないが。

 あるいは、なんらかの方法で鍛冶師のジョブを獲得できるだろうか。
 種族の固有ジョブだと難しいだろうか。
 ドワーフに鍛冶師だと、なんか難しそうな気はする。

「そうなのか……。では、スキルつきの装備を作るには鍛冶師に頼むしかないのか」
「よほど親しければ分かりませんが、鍛冶師は直接取引を嫌がります。ご主人様には誰か親しい鍛冶師の知り合いがおられるのでしょうか」
「いないと無理なのか?」
「スキルをつけるのに失敗するとモンスターカードが失われます。ほとんどの鍛冶師は融合を直接は引き受けませんし、引き受ける鍛冶師がいたとしても、信用できるかどうか分かりません」

 何故、と訊こうとして、分かった。
 モンスターカードがなくなったとき、融合に失敗して失われたのか、鍛冶師がインチキをしてちょろまかしたのか分からないということか。
 鍛冶師は依頼を受けたとき、モンスターカードをどこかに隠して、失敗した振りをすることができる。
 依頼人には失敗したと告げ、後でモンスターカードを売るなり自分の装備品に融合するなりすれば、丸儲けだ。

「モンスターカードの融合はトラブルの元か」
「そうです」
「融合するところに立ち会っても駄目なのか」
「昔、依頼人の目の前でやることを謳い文句にしてひと財産作ったドワーフがいたらしいです」
「なるほど」

 まあ詐欺のためならどんな方法でも考えつくだろう。
 手品師がカードをごまかしたら、俺だって見抜くのは不可能だ。

「ですので、モンスターカードの融合を鍛冶師に依頼することはまずありません。鍛冶師も直接取引を受けることはないでしょう。モンスターカードを得たならば売却し、スキルのついた装備品が欲しいときはどこかで探して買い求めることになります」

 じかにやり取りすることが不審と猜疑の原因にしかならないなら、そうなるのだろう。

 種族固有ジョブなので俺が就くことができず、かつ直接取引も望めないのだとしたら、厄介だ。
 鑑定で装備品の空きスロットが分かったとしても、使い道がない。
 装備品の鑑定は死にスキルなんだろうか。
 盗賊や他人のジョブ、魔物を見るのにさんざん鑑定を重宝してきたから、文句を言えた義理ではないが。

 種族固有ジョブでもなんとか獲得するか、鍛冶師とのコネを作るか。
 もう一つ、可能性がないわけではない。
 鍛冶師をパーティーメンバーに加えるか。
 もちろん、ただのパーティーメンバーとして加えても、不正を防ぐことはできない。

「鍛冶師を……」

 奴隷に持つことができるかと訊こうとして、やめた。
 ロクサーヌに尋ねることではないかもしれない。
 奴隷のことは奴隷商人に訊けばいいだろう。
 ある程度お金が貯まったら、訪ねてみるか。

 ロクサーヌにはなんでもないと言い訳をして、勘を頼りにドアのところまで行った。

「ドア開けるけどいいか」
「はい。大丈夫です」

 返事を待って、ドアを開ける。
 廊下のカンテラの光が室内に入ってきた。
 薄暗いとはいえ、ものがある場所くらいは分かるようになる。

「ロクサーヌはこの皮の鎧を」
「……はい。ありがとうございます」

 靴下を取り出して皮の靴をはきなおした。

 床にはたらいが置いてある。
 昨夜は手ぬぐいで後処理・・・をしてゆすいだから、白いのとか赤いのとかが水に混じっているのではないだろうか。
 このままにしておくと、片づけにきた宿屋の人に、昨夜はお楽しみでしたねと。

 木のコップを浮かべ、たらいを両手で抱えてトイレに持っていった。
 中の水を捨て、言い訳代わりに新しく水を入れる。

「ロクサーヌ、水飲む?」
「あ、はい。ありがとうございます。いただきます」

 部屋に戻り、小さな木の桶をロクサーヌに渡した。
 廊下から入ってくるカンテラの明かりにロクサーヌの姿が浮かび上がる。

 ロクサーヌは皮の鎧を着けていた。
 装備品なので、皮の鎧は装着者に合わせて伸び縮みするという。
 だからロクサーヌに合わせて……。
 見た目、コルセットみたいになっていた。

 胸のカップがでかい。
 もちろんロクサーヌに合わせて。

 これはいかん。
 これはいかんぞ。

「えっと。こっちのジャケット着てみて」
「すみません。皮の鎧は女性が単品で着けるものではあまりないので」

 ロクサーヌが謝ってきた。
 変だとは思っていたらしい。
 主人である俺に遠慮して指摘できなかったのか。

「いや。俺の方こそ悪い。俺はこっちの常識は知らないから、何でも教えてくれ」

 ロクサーヌと装備を交換する。
 ジャケットの方は身体のラインが強調されるということはなかった。
 あの姿を他人に見せてやることはないし、迷宮で俺が興奮しても困る。

「えっと。水がめとかなかったと思うのですが、どこにあったのですか」
「まあ後で説明する。その前に、一度閉めるぞ」
「はい」

 俺はドアを閉めた。
 誰かに聞かれてもよくない。

「傷薬を使わずに回復できるスキルや魔法があるか?」

 ロクサーヌに訊く。
 迷宮に行くのなら、受けた攻撃から回復することを考えなければならない。

 俺一人ならば、まだデュランダルのHP吸収で大丈夫だろう。
 ロクサーヌも、一度や二度攻撃を受けたくらいなら、デュランダルを渡して回復させるという手もある。

 しかし、今はよくても先々はおぼつかない。
 デュランダルがあるから大丈夫だとはいかないかもしれない。
 例えば乱戦のとき、戦闘中に剣をやり取りするのは難しいだろう。
 戦闘終了を待って次の戦闘で回復するとばかりはいっていられない。

 滋養丸を使うのもコスト的に大変である。
 ならば、回復職を獲得するしかない。

「はい。僧侶や神官といったジョブのかたが使えるそうです」

 幸い、回復職もちゃんとあるみたいだ。

「僧侶や神官にはどうやったらなれるか知っているか」
「えーっと。厳しい修行を積むそうです」
「ふむ」

 修行か。
 それだけではちょっと分からないが。

「修行方法は、各地のギルドでいろいろなやり方が伝わっているようです。私が聞いたのは、滝を使うとか」
「滝行か」
「八十八箇所のギルドを徒歩で回るとか」
「お遍路さんか」

 ロクサーヌが「オヘンロ?」とかつぶやいているのは無視して考える。
 滝行があるのを見る限り、修行は精神修養を目的に行われているのではないだろうか。
 僧侶、神官といった宗教的なジョブだから、なんらかの宗教的な体験と関連があるのかもしれない。
 瞑想による宗教的な境地、あるいは神秘体験によって、回復職のジョブが得られると。

 結構大変そうだ。
 神秘体験まで行くとまず無理だろう。
 ただの精神統一だってできるかどうか。

「かしこみ、かしこみ。南無阿弥陀仏。急々如意令。エロイムエッサイム。アラーアクバル。アーメン」

 とりあえず、いろいろ祈ってみた。
 ジョブ設定と念じてみるが、新しいジョブは獲得していない。

「臨・兵・闘……」

 しかしこの先は知らない。
 というか、これって印を結ばないといけないのではないだろうか。
 もちろん知っているわけもなく。

羯諦羯諦ぎゃーていぎゃーてい。のうまくさんまんだーうんたらかんたら」

 やっぱり全部は知らない。
 くそっ。
 俺の中二知識はこの程度か。

 来い、ロクサーヌよ。ともに嘆け。

神は我を見放したエロイ・エロイ・ラマ・サバクタニ
+注意+
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