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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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厩戸


 気づいたら、俺はわらの上で寝ていた。

 なんでわらなんかの上に。
 しかし、わらであることは間違いない。
 どこかの物置小屋みたいなところに、わらが積まれており、俺はその上で寝ていた。

 東京にわらのある場所なんかあるのだろうか。
 いや、そもそも俺はなんでこんなところに。

 考えよう。
 昨日は何をしていたか。

 確か変なネットゲームみたいなのをしようとしていた。
 途中で意識が遠くなって……。

 気づいたら、わらの上だった。

 何が起こったのか、よく分からない。
 するとここはゲーム?
 完全なヴァーチャルリアリティーで。

 まさかな。
 そんな話は聞いたことがない。

 しかも、クリックするだけでゲームの中に入れるとか。
 ありえない。

 夢の中とか?

「ブルルォ」

 そのとき、何かがいななく音がした。
 うおぉ。びっくりした。

 小屋の中に何かいる。
 俺は目をこらした。





 あれ?
 なんだ?
 馬という情報が、突然頭の中に浮かんできた。

 馬がいるのは間違いないようだ。

 起き上がって近づいてみると、馬が一頭いた。
 足の太さとか、サラブレッドではないっぽいが、まあ馬だ。
 馬の種類なんかよく知らん。

 小屋の大きさは、ワンルームマンションの部屋くらいはあるだろうか。
 そこに一頭とか。いいご身分だな。
 四畳半と六畳のアパートであの親父と二人暮しの俺に謝れと言いたい。

 と、そんなことを怒ってもしょうがないので、辺りを見回す。
 薄暗いが、窓の外が赤らんでおり、かすかに光が入っていた。
 夕焼けか、朝焼けか。
 周囲に人の気配はない。

 窓ガラスも木窓もなく、窓は開け放たれている。
 馬はおとなしくしていた。
 何だろう、と考えると、やはり、馬、という情報が頭に浮かんでくる。

 これはなんだ、と思うと、頭に浮かんでくるようだ。

 鑑定。

 俺はそれを思い出した。
 昨日、ゲームのキャラクター設定で、最後につけ足したスキルだ。

 自分を見て、鑑定、と念じる。


加賀道夫 男 17歳
村人Lv1


 おおッ。

 情報が浮かんできた。
 加賀道夫は俺の名前だ。

 つまり、ここが昨日のゲームの中なのは疑いない。
 完全なヴァーチャルリアリティーってやつか。

 でもどうやって?
 大体、名前なんか登録しなかったぞ。

 俺の格好は昨日着ていたのと同じジャージ姿だ。
 いつもの部屋着である。

 それをゲーム上で再現?
 装備ならともかく、ジャージを?

 しかも裸足だ。

 気温は暑くもなく寒くもなく。
 この格好でも困るわけではないが、外に出るのに裸足は困る。

 外が赤いのは朝焼けだったのか、先ほどより少し明るくなった小屋の中を見渡すと、サンダルみたいなものが置いてあった。
 あれは何だろうと念じると、また情報が浮かんでくる。


サンダルブーツ 足装備


 俺はそれをはくことにした。
 靴下もないので、裸足ではく。
 紐で縛って、脱げないように固定した。

 自分の体を確認しながら念じると、情報が浮かぶ。


加賀道夫 男 17歳
村人Lv1 盗賊Lv1
装備 サンダルブーツ


 ……えっと。

 盗賊Lv1ってのは、あれだよなあ。

 悪かったよ。俺のものじゃない装備品勝手につけて。
 とんだところでセカンドジョブを手に入れてしまった。

 ちなみに、ジャージは装備には当たらないらしい。
 ゲームの外から持ち込んだものだからだろうか。

 そういえば、ボーナス装備があったはずだ。
 と思って部屋を探すと、わらの横に剣が置いてあった。


デュランダル 両手剣
スキル 攻撃力五倍 HP吸収 MP吸収 詠唱中断 レベル補正無視 防御力無視


 さすがはボーナス武器六だ。
 壮絶な力を秘めているらしい。

 剣の横に、指輪も置いてある。


決意の指輪 アクセサリー
スキル 攻撃力上昇 対人強化


 アクセサリー二はスキルの方もそれなりか。
 俺は指輪をはめ、剣を手に取った。


加賀道夫 男 17歳
村人Lv1 盗賊Lv1
装備 デュランダル サンダルブーツ 決意の指輪


 やはりここはゲームの中なのだろう。
 キャラクター設定で選んだボーナス武器まであったことで確定だ。
 どうやってヴァーチャルリアリティーを実現しているのかは知らないが。


 俺は馬小屋の外に出ることにした。
 ジャージの紐ベルトの隙間から、デュランダルを武士がやるみたいに腰に差す。
 いつまでもここにいて、サンダルを盗んだことが見つかってはまずい。

 外の風景はどこかの田舎村のようだった。

 木造平屋建てのあばら家が何軒かと、周囲には菜園。
 太陽のある東の方には畑が広がっており、北は森が迫っている。

 まだ太陽が完全に出ていないというのに、村人たちは早くも活動を始めたようだ。
 二人連れの人間が道を歩いてきた。

 俺は馬小屋の後ろにあわてて隠れる。

 隠れる必要があったのかどうかよく分からないが。
 しかしここがどこかも分からない。
 慎重に行動した方がいいだろう。
 サンダルも盗んでいるし。

 物陰から二人連れを見た。


ザイヤン 男 38歳
村人Lv8

ガナック 男 35歳
村人Lv7


 二人の情報だ。

 まず、姓がない。
 ノンプレイヤーキャラクターなんだろう。
 レベルはあまり高くないが、そういう風に設定されているだけかもしれない。
 もっとも、俺はLv1だけどな。


 俺は馬小屋の横から森の中に入って、村を観察することにした。
 このまま村人の前に出て行っても何の問題もないかもしれないが、成り行き上。

 村は、南西の方向に結構な広さがある。
 民家が三、四十軒ほど。
 真ん中の方には二階建て、三階建ての家もあった。

 家の外に出てくる人を監視する。


村人Lv11

村人Lv4

農夫Lv5

 お、この人は村人じゃないな。
 横にいる人は奥さんっぽいが、女性の方は村人Lv6だ。
 村人と農夫の違いが分からん。

 ゲームならどこかにチュートリアルがあってもよさそうだが。
 鑑定がなかったら、それこそ何も分からんぞ。

 監視を続ける。


農夫Lv2

村人Lv7

村人Lv25

 このおっさんが一番レベル高いな。
 話しかけるなら、一番レベルの高いこの人か。
 あるいは逆に、レベル低いやつにすべきか。


村長Lv8

 微妙にレベル低い村長。六十八歳だそうだ。


商人Lv6

 行商人なのか、村の中に商店があるのか。
 三階建ての家から出てきて、すぐ中に引っ込んだ。


商人Lv3

 今度は女性。
 やはり三階建ての家から出て、井戸のあるところへ行った。

 さっきの人と夫婦だとすると、住んでいるこの家が商店なのか。
 話を聞くなら商人もよさそうだ。

 などと考えていると、突然、村の中に大きな声が響き渡った。
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