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異世界迷宮で奴隷ハーレムを 作者:蘇我捨恥
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遊び人

 
 翌朝、探索を終えると今度は商人がLv30に達していた。
 やはり奴隷商人Lv1も取得している。
 だったら商人から先にLv30にしとけという話だよな。

 いや。色魔を先に育てたことに深い意味は。
 別に少しくらい早いからといってどうということもないし。
 実際、奴隷商人には効果もスキルも特別というほどのものはなかった。

 しかし何故かもう一個ジョブを取得している。
 商人の派生職が他にもあったらしい。
 遊び人だ。


遊び人 Lv1
効果 空き
スキル 効果設定 スキル設定 空き


 商人の派生職で遊び人というのもよく分からないが。
 効果とスキルの空きは、空きという効果やスキルがあるのではなく、設定されていないので空いているのだろう。
 装備品にある空きのスキルと同じだ。

 遊び人は効果やスキルを設定できるらしい。
 スキルの中に効果設定とスキル設定があるから、それを使って自分で設定するのだろう。
 なかなか面白いジョブのようだ。

「そういえば、セリー、遊び人というジョブを知っているか」

 迷宮を出て朝食の食材を買いに歩きながらセリーに尋ねた。
 セリーなら知らないということはないだろう。

「伝説のジョブですね。実態はよく知られていませんが」

 遊び人の金さんを知らねえだと。

「知られていないのか」
「大昔に、自分がそうだと言った人がいましたが、どういうジョブなのかはよく分かっていません」

 知られていないらしい。
 珍しいジョブのようだ。

「遊び人だと言った人は何も明かさなかったのか」
「勝手に、自分のジョブは遊び人だと言いふらしていただけですから」
「なんか駄目そうな響きだな」

 自分で自分を遊び人だと公言しちゃう男の人って。

「私も聞いたことがあります。遊び人皇太子のことですよね?」

 ロクサーヌも知っているらしい。
 さすがは世に名高い遠山桜。
 奉行じゃなくて皇太子なのか。

「皇太子なんだ」
「そうです。皇太子でしたが、廃嫡されました。歴代最低の皇太子だとされています。何ごとにもこらえ性のない人で、いろいろなジョブに就いては辞めてを繰り返していたそうです。その上、嘘と騙りがお手の物。まさに人間のクズ。帝国のごくつぶし」
「お、おう」

 ひどい言われようだ。
 まあ皇太子がニートではな。
 遊び人が世を忍ぶ仮の姿ならよかったのに。

「そんな人の言ったことなので、あまりまじめには捉えられていません」

 おうおうおうおう。
 さっきから黙って聞いてりゃいい気になりやがって。
 皇太子にも事情というものがあったのだろう。
 いろいろなジョブに就いたというのがそれだ。

 遊び人は商人Lv30の派生職かと思ったが、そうではないらしい。
 さまざまなジョブを得ることによって獲得できるジョブなんだろう。
 俺の場合は奴隷商人のジョブを得たことで、その規定数に達したと。

 商人と遊び人では関係がよく分からないしな。
 商人Lv30で得たのは偶然の産物だ。
 ひょっとして遊び人が最後のジョブなんだろうか。
 と思ったが、冒険者とか神官とかまだ得ていないジョブがある。

 所持できるジョブの数に上限があって、これ以上は持てないとか。
 多分そんなことはないと思うが、つい余計な心配をしてしまうな。
 杞憂だろう。
 杞憂のはず、だ。

 不安を紛らわすため、試しに遊び人をシックススジョブにすえた。
 効果設定と念じてみる。
 ジョブがずらずらと脳裏に浮かんできて何ごとかと思ったが、効果は、遊び人が持っている効果の中から選ぶのではなく、他のジョブが持っている効果の中から選んで設定するようだ。
 面白い。

 探索者、英雄、魔法使い、僧侶と並んでいるから、自分が持っているジョブの中から選べるのだろう。
 まあ当然か。
 自分でも持っていない最強のジョブの最強の効果やスキルが設定できたら、遊び人こそが最強のジョブになってしまう。

 自分が取得しているジョブ限定で好きな効果を選べると。
 なんとなくだが、ならばこれからもジョブを獲得できるような気がする。
 新しいジョブを得ることが遊び人を強化することにもなるし。

 遊び人の効果には、威力の高そうな英雄の知力中上昇を選んでみた。
 魔法攻撃力が上がることを考えたら、知力上昇だろう。


遊び人 Lv1
効果 知力中上昇
スキル 効果設定 スキル設定 空き


 確かに設定できるようだ。
 一つしか設定できないというのは、惜しいな。
 一つしかないのなら、ジョブとしては英雄の方がいい。

 英雄の効果八個は特別だとしても、せめて三つくらいあれば。
 効果とスキルが三つか四つ設定できたら、ジョブを一つしか選択できないロクサーヌたちには遊び人を取得させるのが最善の方策になるところだ。

 空きの効果が二つでも、知力中上昇を二つセットできるのならいいかもしれないが。
 空きが二つあったときに知力中上昇を二つセットできるかどうか。
 できなくても、知力中上昇と知力小上昇ならできるはずだ。
 ベスタの竜騎士が体力中上昇、体力小上昇、体力微上昇だし。

 まあ仮定の話をしてもしょうがない。
 俺の場合は複数のジョブをつけられるから、何番めかのジョブとして使う道はありだろう。

 スキルの方も設定してみる。
 スキル設定で探索者のアイテムボックスを選んでみた。
 食材を買うときにアイテムボックスを開いて確認する。

 アイテムボックスは、今まであった四十四列の隣に一列だけ増えていた。
 遊び人のアイテムボックスは、この新しくつけ加わった一列だけらしい。
 遊び人Lv1なので、アイテムボックスの容量も一種類×一個なんだろう。
 探索者のときと同じだ。

 探索者Lv44のアイテムボックスをコピーしたからといって、四十四種類×四十四個にはならないようだ。
 スキルを持つジョブのレベル依存らしい。

 となると、効果の方も多分一緒か。
 英雄Lv41の知力中上昇をつけても、上がる幅は遊び人Lv1相当だろう。
 それが惜しい。

 いや。ジョブを二つ育てなくていいから、普通はいいことなのか。
 借りてくる方のジョブを鍛えて、遊び人も育てて、となると大変だ。
 俺は複数のジョブを持てるからそこまででもないが。

 スキルに料理人のアイテムボックスを設定したら、どうなるのか。
 料理人と同様、三十列増えるんだろうか。
 試しにやってみる。

 スキル設定と念じてジョブを選ぶ……ことができなかった。

 え。
 うそ。
 スキルを設定できるのって最初の一回だけなの?

 まさか。
 もう一度やってみる。
 やはり選ぶことはできない。
 設定できるのは一回だけのようだ。

 ガーン。
 油断した。
 大失敗だ。

 アイテムボックスなどという微妙なものを選んでしまった。
 まあLv99まで育てれば使いではあるだろうが。

「えーっと。とりあえず早く帰って食事にするか」

 一回だけならそう書いとけよな。
 スキル設定使い捨てとか。
 スキル指定権とか。

 いや。装備品にある空きのスキルスロットはスキルを書き換えたりできないのだから、それと一緒か。
 能天気にできると考えている方がおかしかった。
 効果の方は知力中上昇を選んでいるから、まだしも最悪の事態は避けられている。

 遊び人は、そのときに取得しているジョブの中から効果とスキルを一つだけ選ぶことができるようだ。
 いろいろなジョブの中から選べるというのは、複数のジョブを取得することによって得られるジョブにふさわしい。
 使い切りだけどな。

 そうなると、遊び人でジョブ取得打ち切り説もあながち否定はできないか。
 遊び人が最後に得られるジョブなら、遊び人獲得以降に得られるはずのジョブの効果とスキルは考えなくてもいいし。
 ぬかった。

 嫌なことを忘れるために朝食にする。
 ここまで美味しくなかった食事は、この世界に来て初めてかもしれない。
 はあ。

 そういえば、効果設定の方も一回きりだろうか。
 こんなことを考えているから、食事が旨くないんだよな。
 朝食の後、効果設定を試してみた。

 選べる。
 効果設定の方は一回きりではないようだ。
 効果設定は何回でもできるのか。

 二回という可能性はあるかもしれないが。
 それはどうだろうな。
 探索者から体力小上昇の効果を選んでみる。
 どうせスキルは微妙なアイテムボックスだし、比較的どうでもいい。


遊び人 Lv1
効果 体力小上昇
スキル 効果設定 スキル設定 アイテムボックス


 同じジョブから効果とスキルを選ぶのもありか。
 それなら探索者の方がいいから、普通は選ばないだろうが。
 効果は知力中上昇に戻すか。
 効果設定と念じてジョブを選ぶ……ことができなかった。

 え。
 ほんとに二回?
 あわててもう一度やってみるが、選べない。
 まさか。

 いや。
 再利用時間か。
 不意にひらめいて、スキル設定と念じてみる。
 こっちは選べる。

 よかった。
 効果設定とスキル設定は、一度使うと次に使えるようになるまでに時間を要するらしい。
 一回とか二回しか使えないわけではないようだ。

 考えてみれば、設定できなくてもスキル設定というスキル自体はなくなっていないしな。
 分かりそうなもんだよな。

 再利用時間か。
 なるほどね。
 冷却期間はどれくらいか。
 前に設定したのは、食材を買ってくる前だったから、長くても一時間というところか。

 頻繁に取り替えたりできないということだ。
 効果をとっかえひっかえしたりはしないだろうが。
 いや。デュランダルを出すときに腕力中上昇を選び、魔法を使うときに知力中上昇に戻すとか。
 ないわけではないか。

 遊び人のスキルには、魔法使いの初級火魔法を選んでおく。
 現状では複数の魔法を撃つことはできない。
 しかしそれは、ジョブが一つだからではないだろうか。
 魔法を放った直後に手当てをしたり、アイテムボックスを開けたまま生薬生成をしたりということはできている。

 魔法とボーナス呪文も同時に使えた。
 魔法使いの魔法は複数撃てなくても、魔法使いの魔法と遊び人の魔法となら、使える可能性がある。
 試してみるべきだろう。

「洗濯が終わりました」
「よし。早速、ハルバーの二十一階層に行くぞ」
「はい」

 ロクサーヌたちの洗濯も終わったようなので、すぐにハルバーの迷宮に飛ぶ。
 探索を進めていくと、ロートルトロールが三匹とラブシュラブが現れた。
 これは都合がいい。

 まず、ファイヤーストームと念じる。
 続いてもう一回。
 周囲を火の粉が舞った。
 魔物に襲いかかる。

 しまった。
 これでは二回めが成功したかどうか分からん。
 火が消えてから、三発めのファイヤーストームを念じる。
 成功していなければ二発めだが。

 火の粉が魔物に集まり、舞う量が薄くなってから四発めを放った。
 すぐに周囲を火の粉が舞う。
 成功だ。
 連続で魔法を放つことに成功した。

 成功したのはいいが、今度はいつ次の魔法を撃っていいのかが分からんな。
 四発めの炎が消える前に、三発めの魔法の次弾が使用可能になるはずだ。
 まあファイヤーストームは今までにも散々使ってきた。
 いつ次の魔法が使えるか、大体の時間は体が覚えている。

 適当に五発めのファイヤーストームを念じる。
 火の粉が舞ったので、成功だろう。
 続いて六発め、は連続では撃てないんだよな。
 ずらさなきゃよかった。

 多少時間を置いてから放つ。
 七発めを撃つ直前に魔物が燃えながら襲ってきた。
 常時燃えっぱなしだと、進軍速度も多少鈍っているだろうか。
 それほど違いはないだろうか。

 ロートルトロールの攻撃をロクサーヌがかわす。
 七発めの後、八発め。
 ミリアはラブシュラブに硬直のエストックを叩き込んだ。
 九発めのファイヤーストームを念じる。

 魔物が燃え、十発めを放つ前に、全部倒れた。
 どこかでクリティカルが発生したようだ。
 ロクサーヌが驚いたような表情で俺を見ている。

「今回はちょっとした実験を行ってみたが、分かるか」
「はい。戦闘時間が圧倒的に短くなりました」

 まあほぼ半分になったわけだしな。
 魔物とぶつかってからの時間でいえば、もっと大幅に減っている。
 ロートルトロールを火魔法十発で倒すとして、今までは七発放つ間前衛が魔物を抑えなければなければならなかったが、ぶつかるまでにこれまでの倍の六発撃てるなら魔物とやりあうのは四発放つ間でいい。
 その四発も実質は二発分の時間でいいから、前線の三人が魔物と対峙する期間はぐっと短くなる。

「火の粉の舞い方が今までよりも派手でした。魔法、いや、魔法の使い方でも変えられたのでしょうか」

 セリーが感想を述べた。
 だいたいあってる。
 さすがだ。
 火の粉が舞いっぱなしで、確かに派手な戦闘にはなった。

「まあそんなところか。簡単に言ってしまえば、火魔法を連続で放つことができるようになった。そのための実験だ。テストはまだ少し続けるが、これからはこちらの使い方がメインになる」
「そんなことまでできるようになられるのですね。さすがご主人様です」
「いえ、あの、普通は無理だと思いますが。そうでもないのでしょうか」

 セリーは困惑している。
 普通は無理なのか。
 まあ無理だよな。

「すごい、です」
「そんなことまでおできになられるのですね」

 ミリアとベスタはロクサーヌに感化されているようだ。

 普通は魔法使いを二つつけることはできない。
 苦労人のゴスラーは魔道士だが、魔道士と魔法使いも無理だろう。
 俺なら、魔道士、魔法使い、遊び人のトリプルジョブもいけそうだ。

 魔法の三連続攻撃を、ジェットストリームアタックと名づけたい。
 先々が楽しみになってきた。
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