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合鍵
作:蒼依



第二話 悩める少女


久し振りに見た校庭の桜は、もうすっかり見ごろだった。
普段の私なら、花見だ〜と騒いでいる所だが今はそれどころではない。
この頭の中に棲みついている問題についてなんとかしなければ。

「はぁ……」
新学期初日だというのに、本日何度目か分からない溜息を吐きだす。
別に在原海個人が嫌いってわけじゃない。
それに好き嫌い言う前に、よく知らない人だしさ。
てっきり女の子との同居だと思っていたのに、あてが外れてしまったのが嫌なのだ。
女の子同士なら、ある程度生活パターンが似ているはずなのに、それが男との生活となるといろいろ面倒になる。
だってジャージ姿でゴロゴロしてるのとか、髪ボサボサの寝起きとか見られるんだよ?
キチンとした生活送れって事なのかな。

「……音」

でも家でぐらいダラダラしたい。
とりあえず一緒に住むのは一週間後だか――

「さ〜く〜ら〜ね〜!!」

急に呼ばれた自分の名前のせいで、思考が途絶えてしまった。
鼓膜が――
キーンとする左耳を押さえ、叫んだ主を睨んでやった。
こんなことをするのは、一人しかいない。

「涼」

水谷涼みずたにりょう。私とは中学からの男友達。
中学からずっと同じクラスという腐れ縁で繋がっている。
いつも陽気で、太陽のような奴。
そんな性格の為、人見知りをしないなんとも羨ましい性格をしている。
バスケ部なので背が高く、いつも見上げる形になるのでたまに首が痛くなるんだよね。
「おはよう」
なに何事もなくさわやかな朝に相応しい笑顔を撒き散らしてんのよ。
「おはようじゃないよ!!朝から、耳元で大声出さないで!!」
「悪い。悪い。何回呼んでも返事しないからさ」
そう怒るなよ〜と言いながら、肩を軽く叩いてきた。
あ〜、呼んでたんだ……
全然気付かなかったや。

「ごめん、ちょっと考え事しててさ」
「そんな考え込まなくても、大丈夫だって」
「そうかな」
「そうだって」
涼にそう言われるとそんな気がしてくる。
なんか不思議。
「そんな考え込まなくたって、きっとまた同じクラスだぞ」
は?同じクラス?
「あっ、忘れてた」
二年になると理系文系に分ける為に、クラス替えがあるのだった。
もちろん、私は文系。
やばい、急いで掲示板に行かなきゃ。
「早く見に行こう!!」
考えるのは、後でいいや。
そんな事より今は、クラスのメンツの方が気になる。
みく達と同じクラスだといいな〜。




そんな時だった。
ざわめきと共に、私を悩ますあいつが現れたのは――












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