第三十四話〜蘭からの感謝・コナンの悪化〜
〜次の朝〜
小さな物音でコナンは目を覚ました。
「あ、ごめんコナン君起こしちゃったね」
目の前には、花瓶の花を取りかえる蘭の姿が目に入った。
「蘭姉ちゃん?」
寝起きの為、驚いた顔を見せすぐ、我にか帰った。
「昨日博士から電話もらって今日丁度日曜日だから、慌て来ちゃった。大丈夫? 怪我の具合?」
「大丈夫だよ!こんな傷」
コナンは笑いながら大丈夫そうに振る舞った。
「そう、でも、絶対無茶しないで。コナン君」
その目は子供見る目ではなく、同年代そう新一を見るような目をしていた。
「う、うん。大丈夫!もう無茶はしないから」
コナンは笑顔で蘭を見た。
(蘭まさか、気付いてるのか?)
少しだけ沈黙が続いた。それを崩したのは博士であった。
「おぉ!蘭君きておったのか」
突然後ろから声がして、蘭はブルっと身体を振るわせた。
「は、博士。びっくりするじゃない!」
「すまんすまん。脅かすつもりはなかったんじゃ」
博士は、ペコペコ頭を下げながら謝った。
「それより、二人の会話邪魔してすまんのぅ」
「いいのよ。気にしないで」
博士と蘭の会話を灰原は少し離れたところで聞いていた。その目は蘭を少し睨む感じで見た。
「あら、哀ちゃん?」
「え?」
突然話しをこちらに向けられ驚きながら睨む目を普通に戻した。
「哀ちゃん、今から一緒に散歩しない? 少し話しがしたいの」
「ええ、いいわよ」
何を話すか少しわかった灰原は即答に近い返事を返した。
「じゃぁ、博士!コナン君をよろしくね」
「わかった」っと博士が答えると二人は病室から出ていった。
「なぁ、蘭が灰原に何を話すと思う?」
「うーん。この前、病室から新一が誘拐された時のお礼じゃないかな?」
「お礼?」
「そうじゃ哀君、蘭君と何か約束してたみたいじゃから」
「そっか。あいつ蘭との約束守ったみてぇだな」
コナンは涼しげな顔で二人が出ていったドアを見た。
「哀ちゃんありがとう。コナン君取り戻してくれて」
「いえ、私なにもできなかったわ。ただ、江戸川君を傷つけただけだから」
「そんな事ないよ。皆で力合わせたからコナン君助けられたんでしょ? それに私との約束守ってくれた。哀ちゃんもコナン君もこの米花町に戻って来てくれた。コナン君を傷つける傷つけない問題じゃない。みんな……みんな帰って来てくれた事は私との約束を守ってくれた事。だから哀ちゃんや他のみんなには感謝してるありがとう」
灰原は下を向いたまま何も喋らなかった。
「話しはそれだけ。さぁ、コナン君の病室にかえろぅ? これからも、コナン君をよろしくね」
「え、ええ」
灰原は少し赤らめた頬を隠しながら病室へと向かった。
〜病室〜
病室の中から聞こえてくる咳き込む音が二人に届いた。
「ちょっ江戸川君また無茶したんじゃないでしょうね!?」
灰原は勢いよく、ドアを開けコナンに近寄った。
「また、怒鳴ったりしたの? ねぇ、博士!」
「違うんじゃ。しん……じゃなくて、コナン君さっきまで寝ていたんじゃが急に咳き込みだして……それで、背中はさすってはいるものの全く治まらんのじゃ」
博士は今も一生懸命コナンの背中をさすっていた。
「そぅ……蘭さん? 悪いけど帰ってくれる?」
「え? でも……」
「いいから帰って」
灰原は蘭をきつく睨み付けた。この状況を蘭には見せたくなかったのだ。
「わ、わかったわ」
そう言うとドアの方へと歩きだした。
「ごめんなさい。」
灰原は小さな声で蘭に謝った。
「謝らなくていいよ。じゃぁね……」
蘭はそのまま病室から出ていった。
「工藤君? 確りして!?」
灰原は必死にコナンの手を握りしめた。
数十分後には治まり、眠りについた。
「工藤君。あの日より悪化してるわ。」
「な、なんじゃって!」
灰原の発言に博士は動揺を隠せなかった。
「多分だけど、小さな身体に負担がかかり過ぎてるのよ。三年もつか、わからないわ」
「そんな!」
「博士! 帰るわよ。一刻もはやく、薬作らなきゃ危ないわ!」
「わかった」
博士は深呼吸をして心を落ち着かせつから病室を出ていった。
(死なないで…工藤君。)
灰原は心の中で願い続けた。
「コナン君の身体に何が起きてるの?」
ロビーでは蘭が待っていた。
「ら、蘭さん?」
「ねぇ、答えて哀ちゃん!」
「ごめんなさい。今は何も話せないわ……」
他の質問を無視するかのようにスタスタ博士の車に乗り込んだ。
「ねぇ? 博士は何か知ってるんでしょ?」
「すまん……ワシの口からは何も話せんのじゃ」
博士は申し訳なさそうに玄関を出ていった。
(どうして……誰も答えてくれないの?)
蘭は一人ロビーで立ち尽くした。
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