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ハッピーエンドを目指す俺はハリセンを振り回す 作者:ししゃも
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第19話:マリーの暴走

「すっごーい! 人がいっぱいだよ!」
「ああ、こりゃあ……確かに凄いな」

 俺達と同じ髪飾りを付けた家族連れやカップル、友達同士のグループなど客層は様々だが、広い園内に所狭しと人々が溢れている。
 中央には王城を模したアトラクションが鎮座し、その横に立つ観覧車がよく目立つ。
 ティーナは多くの人を見ると興奮した様子でコートのボタンに手をかけた。

「ど、どうするみっちゃん。脱ぐか!?」
「脱ぐな! 子どもがトラウマになるだろうが!」

 遊園地で光るお姉ちゃんを見たとか夢に見ちまうし両親も説明に困るわ。そして従業員に事務所まで連れてかれるわい。

「そうですわね……とりあえず、おみやげですわ!」
「なんで!? おみやげは普通最後だろ!」
「わたくしショッピングが好きですの」
「知らねーよ! とりあえずアトラクションに行きません!?」
「でもあの二人はすでにお土産屋さんに行ってますわよ」
「わぁー! いろいろあるにぇ!」
「新しいコートが欲しいと思っていたところだ」

 マリーに言われた通りお土産屋の方に視線を向けると、すでに二人の女子がショッピングを楽しんでいる。これは俺が少数派ですね、はい。わかりました。

「わぁったよ。じゃあとりあえずお土産見てみるか。お土産っていうかもうショッピングだけど」
「やりましたわ! じゃあさっさと行きましょう!」
「おっおい!?」

 マリーは俺の手を引っ張ってお土産屋まで走っていく。その後お土産屋に到着すると「い、いつまで握ってるんですの!?」とビンタされた。理不尽すぎるんですけど泣きたい。なんか顔赤いし。

『お客様。こちらのお紅茶はいかがですか? 香りがとてもよくて、香水代わりに使う方もいらっしゃるくらいなんですよ』

 店員さんがマリーに紅茶を薦める。まあ確かに紅茶好きそうな見た目してるもんな。

「あら、良いですわね。こっちの紅茶と混ぜれば丁度よさそうですわ」
『あっお客様それは!?』

 マリーは何故か隣に置いてあった紅茶と薦められた紅茶を混ぜる。よく知らんが紅茶ってブレンドするもんなのか? この世界の基準も元の世界の基準もわからん。
 というか店員さんめっちゃ慌ててるんだが。混ぜちゃいけなかったんだろうか。

「あのーすんません。なんかまずいことしちゃいました?」
『えっと……あの紅茶を混ぜるとヤバイ匂いのする紅茶ができるんです』
「具体的には?」
『ラリります』
「ラリるの!? おいマリー! だいじょう―――」
「ひゃっほー! 紅茶祭りですわー!」

 マリーはその瞳をぐるぐるにした状態で紅茶を園内にまき散らしまくり、良い香りが園内に広がっていく。いやこれはこれでいいんだが、見た目がヤバい。完全にヤベー奴だよあれ。

「落ち着けマリー! お前は今正気を失っている!」

 俺は両手をメガホンのように使い走り回るマリーに声を届ける。
 しかしマリーは目をぐるぐるしたまま大声を張り上げた。

「上等ですわー!」
「やってる事は下等だよ!? 飲み物撒いちゃダメ!」
『あーまあ、混ぜちゃったあれはもはや芳香剤なのでよろしいかと』
「店員さん心ひろっ」

 さすがはこの世界ナンバーワンの遊園地といったところか。でもとりあえず紅茶代は払っておこう。

「よぉしみっちゃん。負けていられん。私たちもジェットコースターに乗りに行くぞ!」
「どういう対抗心だよ! ちょ、引っ張るな!」

 ティーナは紅茶をまき散らすマリーに何かを感じたのか、悪い方向にハッスルする。
 俺はティーナに引っ張られるままジェットコースター乗り場へと歩いていった。
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