小さな恋のうた縦書き表示RDF


小さな恋のうた
作:龍夜


〜君と出会ったこの桜の木の下
今も変わらないまま残ってるよ
また君が来てくれるんじゃないかと思って
僕は今日もずっとここで待ってるんだ
桜の花びら舞うこの場所で〜

「・・・・・・はぁ・・・。」
なんでこんなことになったんだろう?
大好きなうた歌っても元気でないなぁ・・・。
あんなこと言わなければよかった。
















「おはよう!!」

「おはよう。」

いつも通りの朝だった。クラスのみんなに挨拶して教科書を机の中に入れてから、洋子ようこ彩実あやみとふざけるいつもの朝だったはずなのに。

黄花きか!!ちょっと来て!!」

「何?」

彩実に呼ばれて私は彩実のところに行った。

「ねぇ、なんかさ黄花の好きな人他の人にばれてるよ?」

「え・・・。」

私は何を言われたかよくわからなかった。いや、頭が上手くまわらなかった。
だって、私の好きな人をしているのは洋子と彩実と綾乃あやの小田おだ木村きむら。そして、本人の小山こやまだけのはず。
この6人は誰にも言わないと思ったから教えた。
私の好きな人が小山だって言うことを。
これで分かるように私は小山に告白したのだ。
小山も私のことが好きだったらしく両思いだった。
そして両思いだということを知っているのは洋子と彩実と小田だけだ。

「なんで!?」

私が少し慌てて彩実に聞いた。

「それが良く分からないんだよ。」

洋子が私達のほうへ来て言った。

「まぁ、知ってる人の中で教えるとしたら綾乃しかいないけどね・・・・・。」

葵と春菜が綾乃のほうをじっと見た。綾乃はそれに気がつくとどこかへ行ってしまった。
あの様子からしてどうやら教えたのは綾乃らしい。

「誰にばれたの?」

私は少し自分を落ち着かせるため聞いた。
こうゆう時こそ冷静に考えなくちゃ・・・。

「それが・・・・・・・。」

洋子が答えようとしたとき別の声がそれを邪魔した。

「おい!!小島こじま!!」

クラスの男子達だった。(小島というのは私の名字。)

「お前って小山のこと好きだったんだな!!浅野あさのが言ってたぞ!!」

はぁ・・・。やっぱり綾乃だったんだ・・・。(浅野は綾乃の名字)
どうしよう・・。小山はびっくりした顔で見てるし。
多分、ばれてることにびっくりしてるんだろうな。そりゃそうだよなぁ・・。
今までばれなかったんだから。というか、クラス全員にばれたの!?
これじゃ隣のクラスにもばれてるだろうな・・・。6年全員か・・・・。
騙すにはきついな・・・。本当に大変なことしてくれたよ・・。
一応やってみるか・・・。

「なんで私が小山なんか好きならないといけないわけ?頭おかしいんじゃないの?」

一応そんなことを言ってみた。が、

「分かってる分かってる。小山のことが大好きなんだよな。」

と、言われた。私のクラスの男子はこれぐらいでは駄目らしい・・。

「頭大丈夫?私、小山のこと嫌いだから。すぐ嘘ついて人のこと騙すし。あんなやつのどこがいいの?私にはさっぱり分からない。」

私がそういうと一瞬クラスが静かになった。

「期待してるところ悪いんだけど、私は別の人のことが好きなの。」

最後に一言そういうと「なんだ・・。」と言い男子達はばらばらになってどこかへ行って遊んだり、話し始めた。
なんとか男子達は騙せた。けど、まだ女子がいる。
でも、今ので多分みんな違うと思い込んだだろう。ひとまず安心。だと、思った。

「ねぇ、黄花。小山が・・・・。」

彩実にそう言われ私ははっと小山を見た。

「・・・・・・少し落ち込んでる?」

私はつい口に出していってしまった。でも、本当に小山はいつもと様子が違った。
それは凄い微妙なところだから、仲の良い人や小山のことを見てる人しかわからないと思う。
そのぐらい微妙な差だった。

「・・・・黄花が言ったことに少し傷ついたんじゃない?」

葵がそっと私に言った。
え、私のあの言葉で傷ついたの?小山はあれが本当だと思ったの?
私は少しの間そんなことを考えていた。
その後先生が来て席に座って授業を受けた。
授業中、いつも通り小山に話しかけてもいつもの返事が返ってくることはなく、少し元気のない返事が返ってきた。
やっぱり気にしているみたいだ。















そして中休み(今)、私は一人で中庭に来ていた。めったに人が来ない場所で、ゆっくり考え事ができるのだ。洋子と彩実は私がここにいることを知っている。何かあったら呼びにこれるように教えてあるのだ。

「なんで、あんなこと言ったんだろう?」

私は考えた。他にも言えた言葉があったはずだ。ぱっと頭に思い浮かんだ言葉をならべたからいけなかったんだ。もっとよく考えればこんなことにはならなかった。
いや、それでもこうなっていたかもしれない。私があそこで認めるのが一番良かったのかもしれない。そうすれば、誰も傷つかなかった。そうすればいつも通りだった。
そう考えると知らない間に涙が出てきた。
ポロポロこぼれて私のほっぺたを通って落ちていく。
いつのまにか私の頭の中には「後悔」しか浮かんでこなかった。
そのとき、

「小島?」

私の後ろから声がした。けど、私は振り向かなかった。声をきくだけで分かったから。

「・・・・・・なんであんたがここにいるの?・・・・・・・・・・・・・・・・・小田。」

私は涙を拭きながら聞いた。
そう、後ろにいたのは小田だったのだ。

「いや・・・・小山がお前を探してて、そんで中庭に来てみたら・・・。」

「私がいたって訳ね。」

「・・・・・。」

しばらくの間、沈黙が続いた。
私も少し落ち着いていろいろなことを考えられるようになってきた。

「・・・・・・・・・・なぁ、もしかして泣いてた?」

小田が沈黙を破って私に聞いた。

「別に泣いてない。」

私は丸分かりの嘘をついた。私が男の子の前で弱いところを見せたくなかったからだ。
小田はそんな私にため息をついた。

「お前さ、少しは素直になったら?」

「やだ。」

私がそう答えると小田はまたため息をついた。

「あっそ。
・・・・・でも、そんなお前のことを大切に思ってるやつがいるっていうことを忘れんなよ。例えば・・・・・。」

小田が一息ついてから続きを言った。

「お前をずっと走り回りながら探して、汗だくになって息がきれてるやつとかな。」

「・・・・・・・・・・・・どうゆう意味?」

小田の言っていることがいまいち分からなくって私は小田に聞いた。そのとき、

「なぁ、小山さん?」

「・・・・五月蝿い・・・。」

なんと、小田の後ろには小山がいたのだ。

「お前を一生懸命探してたんだぜ?汗だくで息がきれるぐらいにな。」

小田はニコニコしながら言った。

「・・・な・・ん・で・・・?」

私はびっくりして上手く話せなかった。

「さぁ?それは本人に聞けば?じゃ、俺はどっか行ってくるよ。」

小田はそういうと校庭のほうへ走って行ってしまった。

「・・・・・・。」

小山と二人きりになった私はどうすればいいのか分からなかった。
でも、私には言わなきゃいけないことがある。・・・・・言わなくちゃ。

「・・・・・小山、ごめん。本当にごめんなさい・・・。」

私がそういっても小山は黙ったまま。

「・・・・あのとき私が認めればよかったんだよね。そうすればいつも通りだったんだよね。悪気はなかったんだ・・。本当にごめん・・・。」

私はそういうと顔を伏せた。また、涙が出てきたからだ。
そのとき、小山が私を抱きしめた。そして、こう言った。

「・・・・・・・・・・あのさ
・・・・別にお前が悪いわけじゃないだろ?他のやつらに言ったの浅野だし。何でお前が謝るんだよ。意味分かんねぇ。」

小山は「はぁ・・」とため息をついた。

「・・・・・・だって、小山あの時言ったこと気にしてたでしょ?」

私がそう聞くと小山は小さく答えた。

「・・・・・あんなふうに思われてるのかと思ったんだよ・・・。」

「・・・・・・思ってるわけないじゃん。全部嘘だよ・・。」

私が涙を拭きながら言うと、小山は「そうだな・・・。」と言った。

「なぁ、もう今回のことは終わりにしねぇ?」

「・・・・うん・・・。」

「よし。なら、これでお終いだな。」

「・・・・・・・・・・うん。」

「良かった、良かった。」と一人で言っている小山に私は言った。

「あのさ・・・・・・・・・・いいかげん離してくれませんか?」

そう、私はあのままずっと抱かれっぱなしだったのだ。
おかげで今の私の顔は真っ赤だろう。
私がそういうと小山は、

「ん〜・・・・後もう少しだけ。」

と、言ってなかなか離してくれなかった。
その後、結局小山が離し、私は教室に帰り、小山はそのまま外で遊んだ。
教室に帰ったとたん洋子と彩実に質問攻めされた私は
「さぁね?」
で、全部済ませた。
この事件(?)のおかげで少し私と小山の距離が縮まった。綾乃も謝ってくれ、一件落着。
そして今、私の頭の中ではあのうたが流れていた。


〜ここで喧嘩もしたね
仲直りするときはいつも私から謝ってたよね
春になると満開に咲く桜は
とても綺麗だった
そのときから形のない何かが私の胸の中に
あふれていたんだ

君と出会ったこの桜の木の下
今も変わらないまま残ってるよ
また君が来てくれるんじゃないかと思って
僕は今日もずっとここで待ってるんだ
桜の花びら舞うこの場所で〜



はじめまして。「銀ぎつね」といいます。
今回初投票でございます。
気に入ってもらえたら嬉しいなぁ・・・と、思っています。どうか、気に入ってくれた人は感想をください。













ケータイ表示 | 小説情報 | 小説評価/感想 | 縦書き表示 | TXTファイル | トラックバック(0) | 作者紹介ページ


小説の責任/著作権は特に記載のない場合は作者にあります。
作者の許可なく小説を無断転載することは法律で堅く禁じられています。




◆BACK
小説家になろう