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  人間村 作者:六角オセロ
ホームラン!
熊さんたちが人間村に戻ったのは、ちょうど五時だった。鳥小屋では、紋次郎が後片付けをしていた。
「やあ~~紋次郎、正男は?」
「正男くんは、忍さんと一緒にリアカーを引いて、弁当の回収に行きました。」
「リアカーを引いて、弁当の回収?」
「はい、車椅子には腕がついています。それで引いて行きました。」
「ほ~~~お、忍は面白いことするねえ。」
熊さんは感心していた。熊さんの隣には、事務担当のサキが乗っていた。
「ひよこ買って来たわよ。ほら!」
サキは丸い竹籠の中のひよこを見せた。白い少し黄色いひよこたちがピヨピヨと鳴いていた。紋次郎は近づいて見た。
「わ~~、可愛い~!」
サキは、紋次郎に籠ごと手渡した。「はい!大事に持ってね。」「分かりました!」熊さんが助言した。
「紋次郎、静かに持って行けよ。」
「はい。」
紋次郎は、鳥小屋の方に向かった。熊さんが慌てて呼び止めた。
「そっちじゃない、俺ん家!」
「えっ?」
「ひよこは寒がりだから、もう少し大きくなってから鳥小屋。」
「そうなんですか?」
「すぐに大きくなるよ。」
「はい、分かりました!」
「自動車を止めてくるから、鳥籠ごと玄関に置いといてくれ。」
「はい!」
サキは、自動車を降りて、集会所の方へ戻って行った。熊さんは、すぐに戻って来た。自分のドームハウスに入ると、五分ほどして出てきた。
「よし、これで大丈夫!ダンボールの箱の中に入れてきたから。」
「放っておいて大丈夫なんですか?」
「杉さんがいるから大丈夫だよ。」
「はい。」
遠くの方から子供の声がした。「熊さ~~ん!紋ちゃ~~ん!」正男の声だった。忍のリアカーに乗っていた。
熊さんは喜んだ。手に持っていた袋の中から、バットとボールを取り出した。
「正男~~、バットとボール、買って来たぞ~~!」
忍が熊さんの前で止めると、正男は静かに降りてきた。
「なあに、これ?」
「バットとボールだよ。」
「これで打つの?」
「そうだよ、これで打つんだよ。」
「このボールを打つの?」
「そうだよ、このボールを打つんだよ。」
それは、プラスチックの黒いバットと、プラスチックの白いボールだった。
正男はバットとボールを手に取った。紋次郎に向かって走り出した。
「紋ちゃん、野球やろうやろう!」
「いいよ。」
「じゃあ、僕が打つからね!」
「いいよ。」
正男が打席に立つと、紋次郎は下手でゆっくりと投げた。正男が打った。ボールは大当りで、紋次郎の上を越えて飛んで行った。
「わ~~~い、大当り~~~!」
「正男、それをホームランって言うんだよ。」
「わ~~~い、ホームラ~ン!」
正男は大喜びしていた。爽やかな秋の風が吹いていた。正男の後ろで、一輪のユリの花が、まるで正男のホームランを祝うかのように左右に揺れていた。

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あんた、頭が硬過ぎるよ!
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作画:11さん(どうもありがとう!)


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