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※パンドラの箱とは

ここは読まなくても大丈夫です。

―――パンドラの箱


 むかしむかし、ギリシアの神ゼウスは、巨人のプロメテウスを呼んで言いつけました。



「ねんどで、我々と同じ姿をした生き物を作れ。わしが息を吹き込んで、命を与えてやろう」



 プロメテウスが言いつけ通りの生き物を作ると、ゼウスはそれに命を吹き込んで人間と名付けました。


 次にゼウスは、プロメテウスにこんな命令をしました。



「人間に生きていく為の、知恵を授けてやれ。ただし、火を使う事を教えるな。火は、我々神々だけの力。人間に火を使う事を教えると、我々の手におえなくなるかもしれんからな」



 こうしてプロメテウスは、人間に家や道具を作る事、穀物(こくもつ)家畜(かちく)を育てる事、言葉や文字を使う事などを教えました。しかし火がなくては、物を焼く事も煮る事も出来ません。いつも寒さに震え、真っ暗な夜は動物たちに襲われる恐怖におびえていました。そこでプロメテウスはゼウスの言いつけにそむいて、人間に火を与える事を決心しました。


 プロメテウスは弟のエピメテウスを呼ぶと、こう言いました。



「おれは人間たちを、とても愛している。だから人間たちに、火を与えるつもりだ。だがそれは、ゼウスの怒りにふれる事。おれはゼウスに、ほろぼされるだろう。だからお前が、おれの代わりに人間を見守ってやってくれ」



 プロメテウスはそう言うと、太陽から盗み出した火を人間に与えたのです。そして怒ったゼウスに山につながれて、鷲に食い散らされてしまいました。


 間もなくゼウスは、職人の神へパイストスに命じて、この世で一番美しい女神パンドラを作らせると、エピメテウスのところへ連れて行かせました。エピメテウスはパンドラの美しさに心を奪われると、パンドラを自分の妻にしました。エピメテウスの家には、プロメテウスが残していった黄金の箱がありました。黄金の箱は、病気、盗み、ねたみ、憎しみ、悪だくみなど、この世のあらゆる悪が閉じ込められていて、それらが人間の世界に行かないようにしていたのです。


 プロメテウスはエピメテウスに、



「この箱だけは、決して開けてはならない」



 と、言っておいたのですが、パンドラはこの美しい箱を見るなり、中にはきっと素晴らしい宝物が入っていると違いないと思いました。そこで夫に箱を開けて欲しいと頼みましたが、エピメテウスは兄との約束で、決して首を縦に振りません。


 するとパンドラは、



「あなたが箱を開けてくださらなければ、わたしは死んでしまいます」


 と、言い出したのです。


 そこでエピメテウスは仕方なく、兄との約束を破って箱を開けてしまいました。そのとたん、箱の中からは病気、盗み、ねたみ、憎しみ、悪だくみなどのあらゆる悪が、人間の世界に飛び散ったのです。エピメテウスがあわててふたを閉めますと、中から弱々しい声がしました。



「わたしも外へ出してください……」


「お前は誰なのだ?」



 パンドラが尋ねると、



「わたしは、■■■です」



 と、中から声が返ってきました。実はプロメテウスが、もしもの為に箱に忍び込ませておいたのです。



 こうして人間たちは、たとえどんなひどい目にあっても、■■■を持つ様になったのです。





○箱か壷か


 箱に関しては壷という説もある。ヘーシオドスの著書『仕事と日』の文中では、「壷(甕、ピトス)」という表記がされている。これがパンドラの箱について触れられている最古の書物だと言われる。


 最初に「箱」(ピュクシス)という表記が用いられたのは、ルネサンス時代、ロッテルダムのエラスムスによる記述だとする説がある。



○最後に残った一欠片の諸説


 最後に残った一欠片がなにかは諸説ある。最後の一つは外に出たとする希望説と、箱の中に残ったとする予兆説が代表的である。



○予兆説


 予兆が入っていたとされる説。予兆説は、箱の中に残されたので外の世界には希望があるとする見方もされる。



○予知説(前兆説)


 残されていたのは未来を知る予知能力であるとする説。未来で何が起こるか分かってしまうと人間は絶望して生きる事を諦めてしまう。しかし前兆が最後に残されていたので人々は絶望しないで生きられる。



○ゼウスが予兆を残したとする説


 ゼウスが最後に予兆が残るように仕向け外の世界に希望を残したとされる説。その為、人間は結果が分からなくなり、無駄な努力もしなければならなくなった。



○希望説


 最後に出て来たのは希望とする説。数多くの災厄が出てきたが、最後に希望が出て来たので人間は絶望しないで生きる事が出来るとされる。



○期待説(偽りの希望説)


 ゼウスが最後に入れた、もっともな災厄は偽りの希望とされる説。このため人々は絶望する事もできず、空虚な期待を抱きながら生きなければならない。



○希望を災厄とする説


 そもそも希望は災厄とする説。希望がある為に未来がわからず諦めることを知らない人間は、永遠に希望とともに苦痛を味わわなければならない。



○幸福説


 箱の中に入っていたのは幸福であったとされる説。箱の中には神々から授かった幸福が入っていたが蓋を開けてしまったので全て逃げ出してしまった。動きの遅い希望は最後に箱の中に残された。




 ※一部資料、ウィキペディアより抜粋

次から本編です。

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