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美希外伝
作:隣のマニア


いつ頃からだろう

私があの人を気になりだしたのは・・・

いつも私達のいたずらを受けても笑っているその優しさに・・・

いつの間にか好きになっていた・・・

けれどもあなたは沢山の人に愛されすぎている・・・

ナギや歩むっていう子やあのヒナにさえ・・・

だから私はずっと黙っていた・・・

そうするしか出来なかった・・・

だけどそれじゃあダメだって気付いた・・・

だから今日は告白すると決めたんだ!



約束の時間まで、

あと五分。






「ついにここまで来てしまったな・・・」

美希は今、体育館の裏にいる。
丁度日陰になっていて普段は人気があまりない場所だ。
時刻は4時55分をまわった所。

「ハヤ太君は来てくれるだろうか・・・」

待ち合わせ場所で自分ひとりになると不思議と不安が沸いてくる。
昼休みに渡した手紙はちゃんと読まれたか、
読んでも忘れられていないか、
考えれば考えるほどマイナス思考な考えばかり浮かんでくる。
それでもひたすらに待ち続ける。

1分が1時間のように感じられる。
しかし、自分が今まで耐えてきた苦しみに比べたらどうってことはない。
好きな人に好きだといえないことは、私にはすごく辛いことだった。
相談できる人もなく、ずっと1人で背負い込んでいた。
そんな時、ハヤ太君を見て思ったんだ。
彼は私よりずっと苦しいことにずっと耐えて頑張っている。なら私も勇気を出さなければと。
一度決心がついてからはすぐに行動に移せた。
その日のうちに手紙を書いてハヤ太君に渡した。
そして今、私はここで彼が来るのを待っている。


丁度時計が5時を指した。
「ハヤ太君、本当に来ないんじゃ・・・」
だんだんと不安が心の中を埋め尽くしていく。
しかし、あわただしく響いてきた足音の方を見ると、それはきれいさっぱり消え失せた。
視線の先には息を切らしたハヤテがいる。
心の重荷が取れて、いつもの自分に戻っていくのが自分でもわかる。
いつもの癖でからかう事が出来るほどに。

「遅いじゃないかハヤ太君。レディーを待たせるとは感心しないな」
「すみません。お嬢様がなかなか離してくれなくて遅れてしまいました」

ハヤテはいつものヘラっとした笑顔を振りまく。
美希はそれにすこしうっとりしそうになったが、すぐに自分の目的を思い出した。

「それでだな、大事な話の事なんだが・・・」
美希はそこまで言うと、口を閉じてしまった。
ここまではなんとか話は切り出せた。
しかし、急に緊張感が襲ってきてそれ以上しゃべることができない。
次に話すことは頭ではわかっているのに、体が言うことを聞いてくれない。
しばらく黙り込むことしかできなかった。

「それで何の話なんですか?」

急に静かになった美希をハヤテは不思議に思った。
しかし、それを聞いて美希の中で何かが切れた。

「なぁ、ハヤ太君。夕方、体育館裏に呼び出されてこのシチュエーションだったら少しは感づいているんだろう?」

頭の中では分かっている。
ハヤテにはデフォルトで鈍感のライセンスが備わっている。
でも、さすがにこれはないんじゃないか?
私がこんなに一生懸命頑張っているのに・・・
それでもハヤテはわからないという顔をしている。
これで美希の中のスイッチが完全に入ってしまった。

「そんなに分からないんだったら教えてやろう。

  
  私、花菱美希はな、

    
  お前の事が好きなんだよ!」



そして、ハヤテの胸元へ飛び込んだ・・・



頭の熱が徐々に冷めてくる。

あーあ、私あんな告白したのか・・・

もっとちゃんと言うつもりだったのにな・・・

まぁ、ハヤ太君に抱かれているからいっか・・・


瞑っていた目を開けてみる。
そこにはハヤテの執事服しかなかった。
上を見るとハヤテの顔があった。
そこからは冷たい雫が静に伝わり、落ちている。
すると、美希の背中に優しいく何かが押すする力を感じた。

「うれしいです、花菱さん・・・・・

           実は僕も・・・・・」


ハヤテはその次は言葉はさえぎられた。

やさしく柔らかいものによって。


「もう何も言わなくていいから・・・・

 
  ただ私を幸せにしてくれれば・・・・・」





〜Fin〜




















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