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死んだら幽霊になりました 作者:一宮辺
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宇宙人魂

俺は柳に呼ばれた。
今日は何の用だろう。
珠姉と二人でやって来た。

「あれぇ?今日はちょっと雰囲気違いますね~」

ああ、珠姉に覚醒させてもらったんだ。

「そりゃまた羨ましいですね~」

「柳さん、あんた既に覚醒してるんじゃないの?」

「それがよく判らないんですよ~」

俺は柳を視てみた。
体の中を縦回りにけっこう凝縮された気が回っているのが判る。
要所要所光っている所もある、これがチャクラってやつか。
仙人の行法の小周天ってものだな。

「なるほど、クンダリニーはまだ覚醒してないみたいだね」

クンダリニー!あの超人になれるとかいうやつだね?
って事は、柳はまだ人間でいてくれてるんだ。
少々安心した。

「ちょっといじってみようか?」

珠姉は柳の尾底骨辺りにエネルギーを送ってみた。

「あ!」

一瞬にして脊椎に沿って螺旋状に二条の熱のエネルギーがゴワワワワと駆け上がり、
頭頂から上に抜けて行った。

「これで天空のエネルギー取り込めるようになるでしょ」

で、柳は超人になったの?意識が覚醒したりとか?

「全然、気の通りが少し良くなった位かな~」

うわさに聞くクンダリニーってこんなもん?
やっぱ、噂は噂ってことか・・・・
でも自分一人じゃ覚醒しないってのは本当のようだ。

「私が手を加えたから、事故無くて良かったね」

「有難う御座います~。今まで便秘してたのがスッキリしたような気分です~」

ちょっとね、便秘って、夢が壊れるじゃん。
でも、それに近い感覚なのかなぁ。




まあ、いいや、気を取り直して、今日呼ばれたのは?

「プレアデスの友人に逢うのに協力してもらおうと思って~」

プレアデスって、スピリチュアリズムの人達がよく言うプレアデス?
プレアデスって聞くだけで、とたんに胡散臭くなるんだよね、信じてる人には悪いけど。
と言っても一概に否定も出来ないし。

「いえ、実際に宇宙人魂ってあるんですよ~。私の心の中にも宇宙人魂在るし~」
「宇宙人だって地球に輪廻転生して来てる人多いんです~」

確かに今までに何人か宇宙人霊って呼べそうな人もいたっけ。
皆想い想いの姿をするから、断定出来なかったけど。

何だか珠姉はあまり良い顔していない気がする。
やっぱり宗教臭くて胡散臭い方で確定かな。

「じゃあ、今から体外離脱するんで、宇宙まで連れてって下さいね~」

柳から。こういう願い事されるのって初めてかな。
いつもは色々頼りっぱなしだったし。
俺が霊になったから、利用しようって事かな?





柳を連れ、大気圏を抜け、宇宙空間へ上がった。
イメージの問題だろうか、宇宙空間に漂うというより、
どこまでも続く透明な床の上を歩いている感じ。
垂直に地面から離れ上がって行くというより、ひたすら水平に歩いたというか。
それほど遠くに来ているのに、そうでもない感じもする。
地球自体1m位のボールが目の前に置かれてるように見える。
そんなボールが遠くにあちこち置かれている。

そんな空間につっ立ってる人が数人いる。
ガス状生命体とか、霊的生命体だって事も見て判る。

プレアデスは、どっちの方角かな?


確かプレアデスって星の名前じゃなく、星雲だったはず。
って事は星雲の中のどこかの星を言うのかな。

「星雲でも星でもないですね~」
「霊的プレアデス星団連盟とでも言う方が合ってると言うか~」

ああ、組織名がプレアデスって言うのか。
柳はチャネリングもするのかな。

「あまり多くはないけど~、少しは。降霊するのもチャネリングも同じものですから~」

ああ、そうだよな。どれも交霊だから。




やがて門が見えてきた。

門の中に数人いるのが、プレアデス人だろう。

「とほかみえみため」

珠姉にそんな挨拶をしてくる。
これはもしかしてプレアデス流かいな。

プレアデス人って皆金髪碧眼で白人のようにも見える。
でも知ってる白人の顔つきとも違う。
筋肉質な人は見当たらない。
どちらかと言えば、アニメの中の人に近いような気もする。

何でも地球人の原型の一つらしい。
中には、魂を保存しつつ地球に転生している人もいて、
地球神界とも古くから交流があるんだとか。

こちらの生活事情は知らないけど、地球より進んでて良いなら転生するのも良いかも。
いや、地球に転生する人もいるって事は、こちらも変わらない可能性もあるかも。

プレアデスの一人が言う。
「私たちは昔から地球を見守ってきていますが、地球だってそれほど悪い所ではないはずですよ」

良いか悪いかよく判らないけど、少なくとも俺はリア充じゃなかったな。
むしろ対人関係で嫌な思いをする方だった。
だから良い思い出より、嫌な思いの方が残ってる。

「何も無いより良いじゃないですか」

ひょっとして、プレアデスって色々な気分を味わえないとか?

「愛と調和と発展に満ちていますが、それだけでは足りない経験があります。だから地球へ転生を願う人もいるのですよ」

じゃあ、ここって退屈じゃないですか?

「魂の自由はありますよ」

魂の自由かぁ。
俺には次の仕事が用意されてるようだし。
それ考えるとあまり自由じゃないのかも。


プレアデスってのは、おそらく『陽』のみの世界かもしれない。
逆に『陰』のみの世界もどこかにあるだろう事は理解できる。
どちらか一方しか持っていないのは完全な者ではない。
物差し次第でどうにでもなる『善』『悪』とは言わないが、
両方併せ持たなければ、完全とはならないだろう。



『魂の自由』その言葉が俺の心に棘のように刺さって、
以来抜けないようになった。


柳は友人に逢うからと言って分かれた。
ここで言う友人ってのは、魂で繋がるソウルメイトとか類魂とかグループソウルとか。
人は誰でも自分以外に趣味や嗜好で似たような方向性を持つ人がいる。
深層心理で共通するものが有るのかもしれない。
一見聞こえは良いけど、俺は何かしっくり来ないものがある。
やっぱり、ここで『魂』とは何ぞやって辺りでゴッチャにしてるか、
曖昧な表現でミスを誘ってる気が否めない。

プレアデスの人達って、たぶん悪い人達じゃないのかも知れないが、
心地良い事ばかり言い合うのに引っ掛かる。
それで満足しちゃう人なら、浸ってれば良いだろうけど。
宗教的な危うさってのかも。

珠姉と俺はプレアデスの街並みや行き交う人々を眺めていた。

整えられて綺麗な街並みだ。空気も悪くない。

地球でいえば新興住宅地と似たような感じを受ける。
いや、たいして変わらないと言って良いかも。

俺は次第にプレアデスに対して興味を失くしていった。
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