bio hazard 〜place of promise〜(3/12)縦書き表示RDF


(英語でしゃべっている)
「こんにちは、TIMES squareです。
ここで、ビッグニュースを伝えたいと思います。
日本で大変奇妙な事件が起こっています。人が人を襲い、人を食べるという事件であります。人はまるでゾンビのようであり、日本の総人口一億人以上が死んでゾンビになっているようです!
生存者は極めて少なく、日本の(くるぶし)総理大臣は『三日後に生存者を救助しにきてくれ。その後、日本全域に爆撃して国ごとゾンビを殺してくれ』と遺言を残しました。なぜ今は駄目なのかが分からないため、アメリカ政府は三日まつようです。
以上、TIMES squareからお伝えしました。」
bio hazard 〜place of promise〜
作:あくぁ



FILE 2


悠介達が校舎から外へ向かおうとしている一方、官次郎は部活の終了の集会だった。キャプテンと思われる人物が
「後少しで試合だからみな油断せずに行きたいと思う。他のことは前々から話している通りだ。では解散!」
『お疲れ様です!』
その中にユニフォーム姿の官次郎もいた。
「カンちゃん〜一緒に帰らないか?」
「ごめん、俺臨時のクソ文化委員待たないといけないからいいよ〜」
「OK、お疲れ!」
そう言うと、大半の野球部員が校門を抜けていった。
「今日は部室に忘れ物があるから寄らないとな、めんどくさ…」
官次郎はぶつぶつ言いながら部室を目指した。


部室に着くと……
「あ、おい飛島じゃねえか。何してんだそっぽ向いて?」
飛島とは野球部の副キャプテンであり、今は足の痛みで練習には参加していないのだ。いつも遠くから声を張り上げて指揮をしてくれる重大な人物である。しかし何故か今日は部室にこもりっきりである。
「飛島〜お前もいないしグッサンもいなかったんだぜ。暇で暇で…」
官次郎が呆れた口調で飛島に話しかける。しかし飛島は答えようとはしなかった。
「おい飛島!何か言ったらどうだ?しかもお前何見てんだ?」
官次郎が後ろから覗くように飛島が見ているところに目を向けた。
「……!」
そこには、人間か分からないほど無惨な姿の死体が置かれていた。死因は包丁で何度も切りつけたという浅いパターンではない。死体の身体中に傷があり何処もえぐれているのだ。喰われている。そう言うしかなかった。
「お前……」
官次郎が飛島に顔を向けたとき、官次郎の身体に悪寒が走った。飛島の顔は変わり果てており、目は白眼で輝きのないどんよりした目で、顔は肉が同様ただれ落ちていた。まるで重度の火傷のようだ。飛島と思われる人物は顔を見られたかを待っていたかのように前に何かを追い求めているように、官次郎に手をつきだし
「アアアアァァァォォ…!」
不気味な呻き声をあげながら官次郎に近寄ってきた。官次郎はとっさに反応して、飛島と思われる人物の又の下をスライディングで回避した。
「はぁはぁ……
お前、ゾンビになったのか!?おい、飛島!」
飛島の顔はB級ホラー映画に出てくるゾンビのようだ。勿論、飛島は声を返さない。それどころか官次郎に手をつきだして近寄ってくるばかりである。官次郎はとっさに近くにあった金属バットでゾンビの腹を叩きつけた。ゾンビは吹っ飛ばされ、その衝撃で口から汚物をはきだした。その汚物は近くの軟球ボールにかかり、ボールは数秒で溶けてしまった。そして、またゾンビは起き上がり官次郎に近づいてきた。
「う、うわあぁぁぁ!」
官次郎はありったけ力でゾンビの頭に向かってバットを振り回した。すると、ゾンビの頭は容易く吹き飛ばされその場に倒れ込んだ。
「はぁはぁ…うっ!」
官次郎は気持ち悪くなりその場で吐いてしまった。それは、気持ち悪さと何かを殺してしまったという感覚からきたのであろう。
「ど、どうなってんだよ……」
官次郎が一息ついて立とうとしたときだった。さっきまで倒れて死んでいた死体が官次郎の目の前で起き上がりまた呻き声をあげて手を伸ばしてきた。
「ウワァァァァ!!」
官次郎は急いで部室を抜け出した。外は何時もと変わらない景色だった。
「悠介が心配だ……
待ってろ、今行くからな!」
官次郎は本校舎の三階に向かった。
悠介と理名は二階に降りる階段に向かっていた。今はまだゾンビとは会っていないのは幸いかもしれない。悠介は安全を確認したのか理名の手を離して立ち止まった。
「一体、どうなってんだ……」
「ウッ、グスッ…」
悠介が理名を見るとそこには泣いている理名がいた。あまりの突然の恐怖だったからであろう。悠介は優しく声をかけた。
「大丈夫だって、何かの夢だ。いつか覚めるだろう。」
悠介はそういうと理名の髪の毛をくしゃくしゃ撫でた。
「天宮くん…
ありがとう。」
理名は精一杯の声で答えた。その時だった、前から足音が聞こえてきた。悠介はとっさに理名を後ろに回してかばいの体制をとった。
「………」
しばらくの沈黙。やっとその正体は姿を現した。悠介は響く声で、
「誰だ!?」
すると、それは気付いたのかこちらに向かってきた。微かな外の明かりがそれの顔を照らすとそれは普通の顔の先生だった。
「はぁ…よかった。」
「どうしたんだ?そんなに声を張り上げて?」
悠介は今までの状況を真剣に説明した。しかし、先生は
「はっはっは、それは多分文化祭の出し物の練習をしている最中のサプライズじゃないのか?」
「違うんです!天宮くんがその人腹に蹴りを入れても何も言わなかったんですよ!?」
理名も必死に抗議するが、
「君たち何を言っているのかね?天宮くんのことだ。何かの間違いだろ……」
いっこうに信じてくれない先生に天宮達は必死に訴えた。しかし、どんなにいってもわかってくれない先生は痺れをきらして、
「いい加減にしなさい!そんなことがあるわけないだろ、冗談もほどほどにしなさい。」
その時だった。丁度、先生の後ろの教室から災厄は現れた。先程の容姿とは違い服はもうずたぼろだった。
「先生!後ろに…」
「からかうのもいい加減にしなさい!」
先生はもう悠介の言葉など信用していなかった。その間にも先生とゾンビの距離は迫っている。
「先生!」
理名は声をだして必死に訴えた。
「なんだね……」
先生が後ろを向いた時はもう遅かった。ゾンビは先生の肩を掴み、先生ごと押し倒した。すると、口を開けて首に噛みついた。
「ギャァァァァァ!」
その叫び声も直ぐに止み絶命した。ゾンビは死体をただ黙々とクチャクチャと嫌らしい音をたてて食べていた。
「……くっ!水島!」
悠介はまた理名の手を引いて走り出した。ゾンビはこちらのことをものともせずにただただ「食料」を貪っていた。
「くっそ、誰も信用しないか……」
「天宮くん!前!」
すると、先程の声を張り上げたせいか、二匹のゾンビが近寄ってきた。
「前に二匹、後ろに一匹か……
やばいな、どうする。」
悠介が考えている間にもゾンビ達は近づいてきている。
「天宮くん……
もう動けないよ……」
理名は最悪の状況の中でパニックに陥っていた。
「……水島、動けるか?」
悠介が不意に理名に問い出した。理名は少し疑問に思ったが
「大丈夫……」
と、はっきり答えた。
「じゃあ、俺の合図で走ってくれ…」
そういうと、その場から走り出し、前にいる二匹の内一匹をけって吹き飛ばした。
「今だ、走れ!」
悠介はそう言うが自分は動こうとはしない。理名は言われた通り、空いてる場所に向かって走り出した。
「天宮くん!」
「俺はいい!早くにげろ!」
悠介はまたゾンビに取り囲まれてしまった。
「おらぁ!まだまだ!」
悠介がどんなに吹き飛ばそうが、叩きつけようがゾンビが死ぬ気配は全くない。
「天宮くん!今…」
「くるな!逃げろと言ったはずだ…」
その時、前からゾンビに捕まれてしまった。振りほどこうとしても、普通の人間が肩に全体重をかけているかのような力だった。
「ちっ……」
悠介が死感じた時だった。
「いっけぇぇ…!!」
遠くから硬球が飛んできて悠介を掴んでいるゾンビの頭に命中した。その影響で悠介から手が離れ悠介は自由となった。
「やりぃ、悠介速く!」
投げたのは官次郎だった。なんとか部室から追い付いたらしい。
「カンちゃん!」
悠介は間を潜り抜けて官次郎達の元にむかった。
「新田くん!よかった…」
「水島もいるじゃん。」
「天宮くんが助けてくれたの……」
「悠介やるじゃん!」
「どうでもいいから外へ出るぞ!」
悠介達は急いで階段をおり外に向かった。



「何とか出られたな…」
「一体どうなってんだ?」
外はもう真っ暗である。明かりは街灯位しかないくらいだ。
「とにかく市街地までいこう。何かあるかもしれない。」
「でも、またゾンビがいるかもしれないよ?」
暫しの沈黙。それぞれの考え方が合わないのも問題である。
「やっぱり市街地に行こう!あそこデパートとかがあるからしばらくは大丈夫なはずだ!」
「わかった。じゃあ悠介の言うとおりに市街地に行こう。
いいな水島?」
「うん……」
三人は市街地へと向かった。












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