挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
便利屋来訪赤子-コンビニ来る天才赤ちゃん- 作者:福梟
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

1/4

コンビニ深夜勤務の内容と不思議な赤ちゃん

コンビニ深夜勤務をしながら作家を目指す主人公のもと、不思議な赤ちゃんが来店した。 この赤ちゃんの目的とはいったい?

※諸注意 この小説は、様々な本を参考に主人公が日々成長していくをテーマにしております。
それに伴い、主人公のリアルな現状を知っていただくため
一部修正が加えられていますが、仕事やプライベートのことに触れております。
少し珍しい?コンビニ深夜勤務についてこんなものなのかという風に理解していただければ幸いです。
月の灯で満天の星空はよりキラキラしていた深夜
1人で住むには少し贅沢な一戸建ての家、その窓際、少し暗いピンクと紫の中間色の様なカーテン、その中には、暗い部屋の

中でベッドの上でふかふかの布団に包まれた一人の青年が眠っていた。
近くにあった携帯が、2度点滅すると
~~♪ ~~♪
アラーム音を鳴らした。
青年は、眠たそうに携帯へ手を伸ばし、時間を確認した。
~~♪ ~~♪
初めは好きだったが、いつも眠い中起こされていつの間にか嫌いになった
携帯のアラーム

本当いつ嫌いになったんだろう?
最初はこれなら気持よく起きれるって思ってたんだけどなぁ……。
そんなことを思いながらも、体は勝手に動く。
ゆっくりと体を起こし、ベッドから起き上がる、
携帯電話を明かり代わりに、ふらふらと眠気の残るまま別の部屋に行く
電気をつけ、仕事用のズボンに着替え、携帯電話とipadと充電ケーブル、財布
そして、読みかけだった啓発本を手提げバッグに入れ、髭を剃り、口をゆすいで。

まだ起ききってない身体のまま仕事へ向かう。

半年前まで原付きで出勤していたのだが、一応車を持つことになり
快適な通勤になった。

原付き出勤は辛かった。 
まず、防寒服に着替えないといけない。夏でも夜は寒いので
出勤の時は、防寒服をほぼ必ず着ていた。
そして、十回の出勤に一度ぐらいは雨が降るその時が少し大変だった。

今はそうでもない、防寒服も不要で、特に慌てることなく準備して
出勤できる。雨の日の憂鬱な気持ちにもならない。

そんな自分の出勤先は、約5km程離れたコンビニエンスストアだ。
約8分ぐらいで着く。

そんな通勤中何度あくびするだろう。
時間が時間なので目が覚めるまでは少し辛い。

とはいえ、1年半勤めているので大分慣れてきた。

12時55分前後、仕事先へ到着する。

手提げバックを持ち、車から離れ、車の鍵のリモコンボタンを押しロックする。

ロックが出来ると車のライトが光る。

「行ってきます」

別に車に言った訳ではない、ただそれを言った後に、表情が変わるのだ。

いわゆる、仕事モードというやつだ。

半目だった目は、しっかり開き、ハニカミ笑顔になり、コンビニの門を開く。

「お疲れ様ですー」

「あっ、お疲れ様ーっ」

「おっつー」

年の近い男女の自分と同じアルバイトが出迎えてくる。

ちょうどレジの精算が終わった所のようだ。

バックヤードに入り、制服をそのまま着て、コンビニのパソコンのキーボードの出退勤ボタンを押して『1』→『Enter』→名

札のバーコードをスキャンする。

※1→出勤 2→退勤 3→休憩入り 4→休憩戻り となっている。

再び、アルバイトの男女に挨拶をし、ふーっと深呼吸。

心のなかで、『今日も頑張る!』と念じながら

ファーストフードを入れる紙のケースを作る。

箱を広げ、爪楊枝をつけるだけの簡単な仕事なのだが

朝方にこれをやるとお客の波で中々出来ないのだ。

数分で終わる作業の後、時折くるお客さんのレジをしながら店内の床清掃モップがけをする。

水がついたモップで普通に掃くだけでいいのだが、時折、靴で擦ってこびり付いた汚れがあるのだが、そこは、モップを足で

押さえつけ床に擦り付けてとる。

力を込めてこすりつけないといけないので、意外と体力を使う。

そんなこんなで店内の半分を清掃していると引き継ぎ事項があれば、教えてもらい

何もなければ、レジの差額の報告だけを聞き、僕が入る前の時間に働いていた2人は、少量のコンビニ廃棄を貰い、少しの買

い物をして帰っていく。

「お疲れ様でしたー」

「はい、お疲れ様です」

適当に挨拶をして、モップでの清掃を終わらせ、今度はパソコンで、返本案内(販売期限切れの雑誌一覧表)を出し、その本

を探す。

少年雑誌から始まり、週刊誌、情報誌、単行本、ついでにエッチな本

返本案内を見ながらその本を探す。

最初のうちは凄く時間がかかったが、今ではなんとなく、どれがどの雑誌かがわかる。

時間がかかったというのは、『bibi』という雑誌があったとする、雑誌の表紙上部に書かれている『bibi』という文字の半分

以上が表紙のモデルに上書きされていたり、物凄く読みづらかったりしたからだ。

しかし、1年半も働けば、なんとなく雑誌の表紙傾向がわかり、殆ど隠れている雑誌ロゴの一部で何の雑誌かがピンと来るよ

うになるのだ。

返本案内を頼りに返本回収が終わると、今度は返本作業である。

ペットボトルのお茶やお菓子が入っていた段ボール箱を利用して

返本作業をする。

手順は以下のとおりだ。

返本ページを呼び出し、返品する雑誌・本のバーコードをスキャンし、個数を入力する。

段ボール箱が区切り良く一杯になったら、(一箱や二箱) 確認キーを押し、伝票を印刷する。

物品受領書と店内控え の2種類が印刷される。

その伝票に検収印を押し、物品受領書とかかれている方を箱の一番上に入れ

ガムテープで封をし、ダンボール正面に、シールを張って完成だ。

それが終わると暫くの自由時間、僕の仕事の時間は、深夜1時から朝の8時半前後までなので
5時間以上のため休憩時間が45分入っている。

とはいえ、防犯カメラを見てレジから目を離すことは出来ない

やり忘れていた清掃があった。
レジ傍にあるコーヒーマシーンの清掃だ。

手入れは結構簡単で、操作をすれば殆ど自動でやってくれる。

時間になったらコーヒーマシーンが、『ピーッピーッ』と音で知らせてくれるので

バックヤードで時折防犯カメラを見ながら、自由な時間を過ごす。

来客のベルを当てに防犯カメラを見たいのだが、極稀に来客のベルが鳴らない時があり

気がつけばお客さんがレジに居たという経験を何度かしたことがあり、

それから心底くつろげる時間はなくなり、家から持ってきた本の読書効率も落ちた。

とはいえ、1時半から6時までの間、仕事の量はそこそこあるものの

ご飯は食べれるし、マイペースでやれるのは凄く楽だ。

時々忙しくて、休憩時間が全く取れない時もあるが、平均的に毎日差し引かれている45分休憩で引かれている+α休めてい

るので今の仕事は、特に不満はない。


そして、三時を過ぎた当たりで、冷凍便(冷凍食品・アイス・店内調理のファーストフード・中華まん・他)
が来て、検収印を押していると、程なくして、パンの便が来る。

内容はというとデザート系が少しと、菓子パン、調理パンなどがそれなりに来る。

日によって少ない時と多い時があるがお客が来なければ十数分で終わる量だ。 

そして、店内調理のパンの具材をフライヤーで調理しながら、揚げている間の時間を待ち

それらの商品の陳列をする。 時々くるお客さんの相手をしながら

夜は明けていく。 

四時過ぎると、ほんの少しゆっくり出来る時間がある。

とはいえ、レジ周りの清掃をしたり、棚に虫やホコリがたまってないかを確認も時々しないといけない。

そうこうしていると、四時半が過ぎ、一番忙しい朝の弁当便が来る。

おにぎり、弁当、サンドイッチ、パスタやラーメン、うどんなどの麺類

更には飲料も来るので、結構な量と時間がかかる。

そして、週刊誌やマンガなどが来る。

働いていて驚いたのは、週刊少年ジャンプは、毎週約四〇冊ぐらい来るということ

平均的に八割型売れ、時にはその日中に完売することも多々あった。

因みに、チャンピョンやサンデーは、それに比べるとかなり少ない

朝四時半からは、本当に忙しくお客がいない時に、制服を脱ぎ、一度トイレに行くぐらいしか休む暇はないが、

気がつけば六時が過ぎて、調理をする人とレジのフォローをしてくれる人が来ているので時間の経過はあっという間に感じる



そして、レジのフォローをしてくれる人が来る少し前から店内調理のファーストフードを揚げ始め、ファーストフードのケー

スの内面を拭きあげる。

そして、六時半頃にオーナーが来て、後は適当に接客をしながら、商品の前置、売り切れたファーストフードを揚げるのが自

分の仕事だ。

いつも大体朝の八時半前後に仕事は終わる。

そして、少しだけ廃棄を貰って、家に帰り、二、三時間適当に過ごしてから眠る。

昔は、連日勤務の時もあったが自分の体のためと自分のやりたいことのためシフトを減らしてもらい7割型次の日は休みだ。

収入は少なくなるものの、自分の好きなこと将来のことと常に向き合える生活環境は悪くはないと思う。

そして、5時間から7時間の睡眠をとり、目を覚ましてから、本を読んだり創作に打ち込んだりする。

とま、長々と語ってしまったが、これが僕の(コンビニ)深夜勤務である。

そんな深夜勤務の日々に予期せぬ変化が訪れたのは、その少し後だった。



約半月が経とうとしていた。

もう仕事を初めて1年半、いつになったら僕は夢を叶えられるのだろう?

夢は作家になって、漫画喫茶の経営者になり大好きな本に囲まれながら執筆

創作に気がのらない時は、自分の仕事を全うする。

少し変な店のオーナーかもしれないけどやってみたいなと思っている。

そりゃ、四六時中執筆というわけにはいかないので、まったり経営したいなぁ……。なんてのが自分の夢だったりする。

そんな作家を目指しつつ、汗水たらして働いた給料の使い道についてだが半分は、奨学金の返済や、保険税の支払い。

残りの半分の半分は、家に入れる家賃兼食費、そしてその残り、つまり給料の四分の一が僕のお小遣いのようなものだ。

そのお金の使い道の六割は、本を買い、残りの四割は、パソコン機器を買ったり、パソコンの作業環境への投資に使っている





少なくとも、作業のモチベーションは、前より上げやすい環境だと思う。

物凄く迷って買った、高級キーボード約一万八千円。

パソコンもマルチタスクで動きやすく、メモリを増設し、24型の大きいモニターを新調した。 

生活に少し不満があるとしたら、九州の端に住んでいるので、都会の大型イベントには未だ一度も参加してないということだ



とはいえ、大型イベント参加のために3ヶ月前後の買い物(本、食べ物、pc周辺機器積立金、作業環境への投資)を我慢す

るほど行きたい訳ではない。

なんというか こー、お金に困ってなく大手を振って行きたいのだ。

過去に専門学校の研修で他の県に行った時のことだ、ネットの友達との楽しい時間、お金に少しだけ余裕がなく、セコさがに

じみ出てしまったことがあり思い出すと赤面する経験があるので

無理してイベントに行っても恐らく後悔するだろうと思う。


そして、今日も仕事が始まる。

やや田舎にあるコンビニのため、酔っぱらいが来たりなどは殆ど無い。

一つ下の同じ学校だった人に『君』付けで呼ばれる屈辱に耐えながら、今日も一日頑張らないといけない。

平凡な一日の気がしたのもつかの間、変わったお客さんが来店した。

時刻は1時半過ぎ、ちょうど引き継ぎが終わってまったりしようとしていた時だった。

仲良さそうな若い夫婦が来店し、女性の方が赤ちゃんを抱えていた。

ふと赤ちゃんと目があった。

「いらっしゃいませ~」

2度めの挨拶をした、すると気のせいか、言葉を理解したみたいに

コクリと小さな会釈をした。

……!? き、気のせいだよね?

それにしても、恐らく1歳前後の赤ちゃんがコクリと会釈をしたのだ、可愛いったらありゃしない。


僕はすぐさま、お客に背中を見せ、赤ちゃんが偶然か必然かの会釈をした様子を何度か脳内再生し萌えに浸った。

それと同時に、『家庭っていいなぁ……』と現実に戻った。

僕はもう26歳、この年齢となると結婚している人は結婚しているものだ。

以前働いていたスーパーで2つ年下の上司が居たのだが、しっかりとした家庭を築けて、しっかりと稼げているようだった。

いつまで夢を追いながら、その片手間でアルバイトする生活が続くのだろう。

「はぁ……」

仕事中なのに少し大きいため息が漏れてしまった。

そんな中、レジの近くでその夫婦の声が聞こえた。

「明日残業確定だからなぁ………栄養ドリンクは……おっ、ボーナスポイント付くしこれにしようかな」

「え? そうなの? じゃ、早く帰って寝ないと……」

心配そうに声をかける女性

「嗚呼? 大丈夫だぞ? ………んまぁ、そうだな、早めに寝るか」

『大丈夫』と言っていた声のトーンが急に下がった。

心配そうな表情でもされたのだろうか?

ふと、未来の奥さんに自分もそういう風にされているところを想像する。

『貴方、無理はだめよ、今日は仕事休んで私と……』なんて

はぁ……。恋人ほしい、嫁さん欲しい、リア充したい。

小さい溜息を漏らし、タバコの棚が目に入ったのでタバコの補充をすることにした。


そして、数分後

「お願いしまーす」

「はい、ありがとうございます」

お客が挨拶と同時に買い物かごをレジに置いた。

ちらりとお客さんをみると、可愛い赤ちゃんの顔を見てしまう。

……。

……。

あれ? また目があったような?

目が痒いを装い、目をこすり、再び赤ちゃんに視線泳がせると

そこには、楽しそうにキャッキャ騒ぐ赤ちゃんとそれを優しく見守る姿があった。

気のせいだったのだろうか

それから、ハッと我に返り、急ぎながらも丁寧に、商品をスキャンする。

「二点、三点、四点、こちら温めますか?」

「いえ、大丈夫です」

「かしこまりました」

 そして、袋詰が終わり、お金をもらい、お釣りをレシートと一緒に渡すと

 予想通りレシートを捨てようとするお母さんだったのだが

「ァッ、ァッ!!」

 捨てようとするレシートに何故か興味を示す赤ちゃん

「ん? 何? これ欲しいの?」

 そう言われ、赤ちゃんは、お母さんからレシートを渡され、キャッキャッと喜ぶ。

(……良いなぁ…)

 家庭持ちたい。そう思わされる場面だった。

 気のせいか、赤ちゃんは、一瞬だけレシートの文字を真剣に見ていた気がした。

 まさか?と思い目をこすると、

 案の定レシートは赤ちゃんの手のひらでくちゃくちゃに丸められた。

 その場しのぎの玩具(おもちゃ)代わりなのだろうか?

 何はともあれ、眼福(がんぷく)でした。

 可愛い赤ちゃんのおかげで楽しく仕事ができた一日だった。




-1週間後-


掃除はひと通り終わり、客の来店、或いは商品搬入の時間を待ちながらのんびりしていた時だった。

~~♪ ~~♪

 電話がかかってきた。

「ありがとうございます、xxx 夢見店 大野です」

 コンビニ名の後店舗名(地区)を言って名前を名乗る。

「……」

……

 しかし、反応はなかった、間違い電話だろうか?

「……お客様?」

「……ぁっぁの!……」

「っ!……」

 思わず胸にキュンと来る声だった。

「オオノしゃんは、今1人でしゅか?」 

 赤ちゃん独特の滑舌が安定しない声

 参ったなぁ……イタズラ電話かなぁ……?

 しかし、赤ちゃんと言えどお客さんな訳で……

「はいはい? えっと1人でちゅがどうかちまちたか?」

 ……反射で返事した自分にちょっと引いた。

 俗に、赤ちゃん言葉としてや赤ちゃん動物に話しかける時に一般的な言葉だ

「物凄く恐縮でちゅが、ふちゅーに話してくれないと気持ち悪いでちゅ……」

「……はふっ……」

 どこに、恐縮ですが、としゃべる赤ちゃんがいるだろうか、注意されているのにもかかわらず、思わずときめいた。

「え、あっ、はい、ごめんね、でも坊やこんな時間にどうしたのかな?」

 声の様子からみて、相当若い、数字を理解し、電話をちゃんとかけられる知能だとしたら幼くても3歳ぐらいだろうか?

 声の様子はもっと若い気がする、だとすると、いたずらで電話を触って、たまたまつながったということになる。

 いや、でも『恐縮ですが』なんて3,4歳時が理解して話す言葉じゃないような……。

「1人なんでしゅね? 遊びに行っても良いでしゅね?」

「えーと……何か買いたいものがあるのかな? でも一人で大丈夫?」

「大丈夫でしゅ、今、家の中だから切るでしゅ」

 遊びに来る、色々と心配だ。 時間帯も時間帯だからぶっそうである。

 ふとバックヤードのパソコンの時計を見ると午前3時になろうとしていた。

「え? あ……ちょっと待って」

 流石に3歳ぐらいの子供が1人で来るはずないだろう、真に受けてしまうボクは馬鹿なんだろうか?

 受話器からは、返事の代わりに

『ツー……ツー……』

 と虚しい音が聞こえた。

(なんだったんだろう)

 そう思った最中だった。来客のベルがなった、30代前後のお姉さんだった。

 一度カウンターに顔を出し、来客の際の挨拶をしてから、レジの所の袋や箸、スプーンなどの整理を始めた。

 来客して3分程経った頃、デザートとお菓子を数点、買い物カゴに入れたお客さんは、無言のままレジ打ちが始まるのを待




「ぁ……ありがとうございます(愛想ないなぁ……)」

 こういう人ってレジ店員をただのレジを打つロボットのようなものに思ってるんだろうなぁ……。

 そんなことを内心思いつつ

「いらっしゃいませ」

 と作り笑顔で応対する。

 無言でポイントカードを出してきて、スキャンしてから、

「(カードご提示)ありがとうございます」

 と返す、何がありがとうなんだろうなぁ……。ぶっちゃけスキャンするものが1点増えてこっちにはありがた迷惑……。

 そう思った時だった。

「はい、どうも……」

 テンションは低いが初めてお客さんの声を聞くことが出来た。

 自分はどうやら単純な人間で、こんな社交辞令の一言ですら嬉しく感じてしまう。

 うるさがられないちょうど良いトーンで応対する。

 自分の笑顔が通じてか、最後は、少しだけ笑ってくれた。

「……ありがと」

「……はい、ありがとうございました!」

 こんな、一応合格レベルな接客をしても、最初、お客さんを皮肉に思っていた自分が嫌になる。

 感情のコントロール、仕事は仕事……。 難しいなぁ……。

 それから三十秒程経った頃だった。

 レジの補充に区切りがつき、店の入口に背を向けたその時だった。


~~♪ ~~♪

「いらっしゃいませっ!」

 どんなお客でも百点満点の接客目指してやる!

 そんな意気込みで店の入口を振り返った時だった。

「お邪魔しましゅ」

……

 本当に赤ちゃんが来た……。弟や妹が居たことないので詳しく知らないが推定2歳ぐらいだろうか?

 手頃な棒きれを杖として器用に使っている。というより一人で来たのだろうか?

「い、いらっしゃいませ」

 ちょっと戸惑いながらも赤ちゃんに近づき、駐車場を見る、駐車場には隅に停めてあるボクの車だけだった。

「と、突然でしゅが、裏入ってもいいでしゅか?」

「う、裏……ですか……?」

 まるで夢でも見てるんじゃないかという感覚だった。

 そりゃ、目の前に可愛い赤ちゃんがまだ時折ふらつきながら懸命に歩いていてそれでもオーラ的にか、口調的にかどこか大

人びていて。

 まるで某マンガの超天才赤ちゃんが実在するように思えた瞬間だった。

「そうでしゅ、裏でしゅ、お客さんに見られるとマズイでしゅ」

「……イタズラはしないでね……?後監視カメラ写ってるけど……大丈夫かな?」

「はい、おじゃまするでしゅ、レジの多額のミスやカメラは強盗とか万引き犯来ない限り確認しないでしゅよ、大丈夫でしゅ



「な、なるほど……」

 確かにそういえばそうかもしれない、とりあえず、不思議な賢い赤ちゃんの言われるがまま僕はバックヤードに招いた。

 このひょっとしたら僕より頭の良さそうな赤ちゃんはいったい何者なのだろう。

 そして、コンビニに遊びに来た理由は何なんだろう。
暫くはこの小説の連載に集中しますが、他にも異世界転生小説と美女と野獣ネタの2つを連載しております、良かったらそちらも読みに来てください。
すべての作品の合計として週数回更新予定です。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ