四章 指を紙で切ると痛い!
真っ赤に散った紅い花。・・・・兄の周りにいっぱい咲いていた。彼岸花の如く寂しく散ってゆく。綺麗な血。見たくなかったのに・・・・。
―――いや・・。置いていかないで。私を・・・血でいっぱいの戦場に置いていかないで!銀ちゃん!・・・皆!!!―――
「銀ちゃ・・・・、あれ?」
綾美が手を伸ばした先には、寝ている自分の顔を覗き込む銀時。
「・・・何やってるの?銀ちゃん」
「あ」
この後。銀時は一分後に綾美の鉄拳を喰らったのは、言うまでもない。そして、障子を一枚壊したことも(銀時が吹っ飛んで壊した)。
「もーっ。寝込みを襲うなんて、ストーカーと同じよ」
「ひでーな。俺は、お前を王子様のキスで目覚めさs・・・ぐはっ!!」
「アタシは白雪姫なんて軟弱な女じゃな!!!」
「おいおい。女が軟弱じゃねーなんて、色気ねぇぞ」
「っせぇ。いいもん!彼氏ならもういるし」
「多串クン?やめたほうがいい。あのヤローは、マヨラー大魔王だからな。ヤツの子なんて間違っても産むなよ。きっとマヨラー王子だぜ」
「おい。マヨネーズを馬鹿にすんじゃねぇよ。万事屋」
「ゲッ。噂をすれば、だよ!」
「おはよう。十四郎さん」
「おう」
嬉しそうに微笑む綾美を見て、土方は銀時と総吾から黒いオーラを向けられていた。
「いーよな〜。多串クンは、あの寝顔や笑顔を独り占めにできてさ〜。あー、もったいねぇ」
「旦那。正確には、あの体に心も独り占めですよ」
「テメーらっ・・・・嫌味か!?」
「「さぁ〜??」」
二人して土方をいじめていた。その光景に綾美は思わずお腹を抱えて笑った。
「アハハハ!!!はぁ・・・こんなに笑ったの久し振り。・・・・ねぇ」
「ん?」
「あ?」
「なんでィ?」
綾美は少し間を空けてから、ゆっくりと言った。
「皆、私を置いていかないでね」
「「「・・・・・」」」
「綾美ちゃん!あっちで遊ぶネ」
「うん!」
と、話の途中で綾美は立ち上がって、神楽達と近くの公園へ走っていった。
「・・・女って分かんねぇ」
銀時は、そう呟いた。
公園のベンチに座り、定春と遊ぶ神楽を見守っていた。そして、俯き手の平を睨んだ。そこには、高杉の刀を握った時の傷。
「やっぱり、自分で何とかしなくちゃダメだよね?」
《もういいじゃない》
「!」
自分の中にいるもう一人の自分『綾音』が言ってくる。
「よくない。私は、過去との決着をつけなくちゃいけないの!じゃないと、苦しくてしょうがないの!!」
《ふぅん。でもさ、ホントはまだ好きなんじゃないの?晋助のこと》
「そんなことない!今私が好きなのは、トシだもん!」
《嘘言うな。あの時計だって、一度捨てたけど、どうせまた拾うんだろ?》
「・・・・そんなこと・・・ない。私は・・・・嘘なんか・・・」
《・・・決心決めないよ。あんたは結局、どうしたいわけ?》
「・・・・・私は・・・・過去の清算をしに行く」
《よし。じゃ、行っておいで。アタシは何も言わない》
「うん。ありがとう」
綾美はベンチから立ち上がり、神楽を置いてその場から立ち去った。
一方、高杉達は・・・。
「晋助様。真選組の女隊士がこっちに向かってるっスよ」
「女隊士?・・・・あぁ、アイツか」
「どうします?殺しますか?」
「・・・・出来るならな」
「?」
「今宵はかぐや姫が舞い降りるぜ」
高杉は三味線をベンッと鳴らした。 |