序章 過去ってのは、どんなに忘れたくても、忘れられない!
ずっと前・・・・いや。ものすごく前のことだ。俺たちが攘夷志士として天人とやりあっていた時代。あの女はいたんだ、すぐ傍に。
「銀さ〜ん、高杉、坂本、ヅラ!食事、ちゃんと取らなくちゃダメだよ?」
「おーい、誰だよ?綾美のおにぎり残したヤローはよぉ?」
「綾美。ヅラじゃない、桂だ」
「はいはい。分かったよ、ヅラ」
「ヅラじゃない!桂だ!!」
幾野寺綾美。攘夷の兄についてここにきて、ウチの食事係をしてもらっている。おしとやかそうだが、外見とは裏腹に、兄から剣術を教わっているため、そこそこ銀時の相手ぐらいにはなる。
「おーい、高杉ぃ〜。テメーも喰っとけ」
「・・・・」
「はぁ〜・・・・しかたねェな。綾美ぃ〜、高杉の分俺によこせ」
銀時が高杉の分のおにぎりを取ろうとした時、綾美がひょいっと頭の上に持ち上げた。
「ダーメ!これは、晋助のよ!銀ちゃんは、食べたでしょ?」
「ケチ〜!じゃ、代わりに綾美をくれ」
「「いっぺん死ね」」
桂と高杉のはもりに綾美は大笑い。・・・これが、俺たちの最後の夜。
『万事屋銀ちゃん』の看板が立ててある二階。ソファーで顔にジャンプを乗っけて昼寝するのが、ご存知の通り、万事屋銀ちゃんの店主(?)、坂田銀時。
「・・・・っくしょ・・・嫌な夢見ちまった」
と、呟いた。 |