現場到着
ビッグワンは一路910号へ向かって、空間軌道をひた走る。
ユキ
「910号は、デスティニーから500宇宙kmで停車中。」
ビッグワンの最高スピードは3000宇宙kmだから約10分もあれば着く距離だ。SDFの車両は一般車両のスピードの3倍近い速度で走れる。さらに馬力も高い。ビッグワンは500万宇宙馬力を誇る。これは有名な999号の2,5倍の出力だ。
ルイ
「ビッグワンの現地到着予定は9分45秒後です。」
隊長
「ビッグワンは現場に着き次第910号に連結する。デビットはビッグワンに残ってくれ。学とルイはそれぞれ第一、第二分隊を指揮し車内の捜索を行ってくれ。ユキは科学捜査班とともに遺体の検分に当たってくれ。」
バルジ隊長が到着後の方針を定める。
全員
「了解!!」
一方、緊急停止した910号では新一が遺体の検分を行っていた。
車掌
「探偵さん。何か分かりましたか?」
新一
「詳しいことは本格的に検死してみないと分かりません。ただ、僕の意見を言わせて貰えば、死因は鋭利なナイフで心臓を突いたことによるものでしょう。恐らく、即死です。それと血が乾いていませんでしたから、死後そんなに経っていないはずです。ところで、SDFの方はどうなりました?」
車掌
「たった今デスティニーを出発したそうです。そんなに離れていませんから、10分もあれば到着すると思います。」
新一
「それはありがたい。」
SDFが現場に早く到着できれば、事件の解決はそれだけ早くなる。彼らがこれば、乗客からの聞き取りや、遺体の検死が行えるからだ。
車掌はそして行ってしまう。一人になった新一は少し考え込んだ。
<しかし、運が悪いな。>
心の中でそうつぶやく。久しぶりに彼女と会える日にこれである。
<なんて言い訳しようか。>
殺人事件の現場では不謹慎なことと思いつつも、ついついそんなことを考えてしまう。
<とにかく、SDFと協力して、さっさと事件を解決しねえとな。>
そこまで考えていると、辺りに汽笛の音が響いた。(宇宙で音は普通通りませんが、空間軌道内には一応空気があるということで。)
ユキ
「現場に到着しました。」
ルイ
「910号からの報告では、車内での混乱はありません。」
バルジ隊長に次々と情報が入る。
隊長
「ビッグワンは直ちに910号と連結、全員先ほど打ち合わせたとおりに行動せよ。」
全員
「了解!!」
隊長
「あと、有紀。コスモセイバーは常に発進できるようスタンバイさせておけ。」
学
「了解!コスモセイバークルーは常時発進態勢へ。」
後部車両で待機するクルーに発進待機命令が出る。
コスモセイバーは優れた飛行能力と索敵能力を備えた戦闘機で、格納庫車両からカタパルト発進する。
隊長
「よし、連結させろ。」
ビッグワンから車両間連絡用のチューブが910号に渡された。 |