危機との戦い
新一
「無軌道走行?」
デビット
「文字のとおりさ。了解、なんとか切り抜けて行きます。無軌道運行モードへ移行。ビッグワン、無軌道走行開始!」
その途端、ビッグワンは空間軌道を外れる。
銀河鉄道の列車は基本的には敷設された空間軌道上の走行しかできない。しかし、SDFの車両はその用途の特性上、空間軌道はなくても走れる無軌道走行システムが付加されていた。
ただし、もちろん軌道はないから操縦員が方向や車体の姿勢制御をしなければならない。その資質を問われる時ともいえる。
ビッグワンは流星群に向かって走っていく。
バルジ
「有紀、進路上で回避できないものだけを撃て。」
学
「はい。」
その間に、ビッグワンは流星群に突入した。
巨大な塊が次々と後方に飛びぬけていく。
ルイ
「2時方向に流星!」
学
「主砲発射!!」
回避不能のひとつを、主砲から発射されたビームが打ち砕いた。
デビット
「よし。」
すかさずデビットが、そこに生まれた空白地帯へ進路を変更する。
宙返りやロールといった特殊な機動を見事にこなし、次々と流星を回避していく。
新一
「すごい。」
モニターに映し出されるその光景を見ながら、ため息交じりでつぶやく。
今まで彼は多くの事件をといてきたが、こんなスリルのある事件はなかった。
新一
「そういえば。」
かつて、両親から散々聞かされたご先祖様のことを思い出した。
自分とまったく同じ名前だったその人は、17のとき、謎の組織に薬を飲まされ幼児化し、姿を偽っていたという。そしてその姿で爆弾事件や脅迫犯との戦いに身を投じていたという。そのたびにそのご先祖様は命の危険にさらされていたと聞いた。
今自分も同じような事態に直面していた。
新一
「いや、俺なんてまだまだ安全か。」
新一がそのように考えている間にも、シリウス小隊の面々は流星をかわしていく。
しかし、ついに一個が直撃した。
バルジ
「ダメージチェック!」
ユキ
「最後尾車両に被弾。車内からの空気漏れが発生しています。」
バルジ
「最後尾車両の連結を解除。シールド出力最大。」
最後尾車両は展望車で乗客はいない。バルジはすぐに捨てる決断を下した。
車両が1両捨てられる。それによってわずかばかりだが重量がへり、機動性が向上する。
ルイ
「3時方向に流星!」
学
「コスモバルカン掃射!」
ビッグワンは流星群を駆け抜けていった。
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