出発の時
「俺の名前は工藤新一。17歳。大学を飛び級合格し、今は私立探偵をしている。もちろん、公認だ。6つの惑星国家と、3つの星団国家から承認を受け、第一級探偵としての資格を授与されてる。最近じゃマスコミの間で少年探偵なんて呼ばれてる。親の話じゃ、家の家系は今は消滅してしまった太陽系第三惑星地球の出身で、代々探偵をやっている。俺の名前もずっと昔に、地球で探偵として活躍したご先祖様からもらったんだって。そして俺は今日、惑星ディスティ二ーでの仕事を終え、家のある惑星ベイカへ向かおうとしていた。」
列車に乗る前、新一は恋人に電話をかけていた。相手の名前は森蘭という同じく先祖が地球出身の17歳の少女である。ちなみに、新一は両親から自分の名と同じのご先祖が、同じ名前の女性と結婚したと聞かされた時は何か運命めいた物を感じた。
蘭
「じゃあ今日帰ってくるのね?」
新一
「ああ、事件は片付いたからな。次の列車でそっちに戻る。」
蘭
「じゃあ惑星大会見に来てくれるわね?」
蘭の言う惑星大会とは、ベイカで行われる空手の全惑星大会の事だ。蘭は空手が得意なのだ。ちなみに、新一はかつてのご先祖様の蘭も空手が得意だった聞いている。
と、そこで新一は時計を見て気づいた。
新一
「もちろん。ああ、悪い。列車がもうすぐ出るから。じゃあ。」
新一は電話を切ると、列車へ向かう。
アナウンス
「12時ちょうど発、白鳥座方面、急行910号にご乗車の方は、56番線へお急ぎください。見送りの方は、ホームでお見送りください。」
構内にアナウンスが流れる。新一が乗るのはこの列車だ。新一の家がある惑星ベイカは最初の停車駅で、この列車だと約2時間半の距離である。
ちなみに銀河鉄道には001から1000までの列車があり、この内最初に0が付く番号の列車はSDFの戦闘用車両だ。
SDFとはspace defence force、銀河鉄道の一部門である空間鉄道警備隊の略で、主に銀河鉄道内で起こる事故や犯罪への対処、そして場合によっては宇宙海賊の討伐が任務である。
新一は910号に乗り込む。しばらくすると、発車のベルが鳴り、910号は動き出した。8両編成の列車はしばらく駅構内の線路を走ると、上昇軌道に入った。そしてそのまま空間軌道に入る。数え切れないほどの線路が並び、宇宙中からひっきりなしに列車が往来し、全銀河鉄道の路線の始発駅であるディスティニー駅を眺めながら、列車は急激に上昇する。10分もしないうちに、列車は宇宙空間に出た。
|