ボクは先生にめっちゃ怒られた。授業中に自衛官の父に借りたマシンガンでクラスの大半を射殺しまくったからだ。
職員室でめっちゃしぼられてる。
「おまえ、なんであんなことしたんだよ。あのあと、清掃のおばさんが死体片づけるのに大変だったんだぞ」
「ごめんなさい」
ボクは泣きそうである。
「だってみんながボクのこと、イケメンとか頭がいいとかバカにするから。ボクだって人間だい。汚いとこやヘボいとこだってあるんだい。それを何だ。あいつらは。プレッシャーをかけやがって腹が立つ」
「いじめにあってたってわけか」
「ボクが給食食べようとすると勝手にボクの嫌いなプリンとかヨーグルトを置いてくし、わざとフカヒレのスープを大盛りにするし、ボク、デブになっちゃうよ。それに、ドッチボールのときだってボクの投げたへなへな球にわざと当たろうとするし。全然楽しめない。テストのときは先生に隠れて自分の答案をボクに見せようとするし。これじゃ勉強にならない」
「ふーん。そいつはひどいな。先生、全然気づかなかった」
「なんで!」
「だってそんなことよりオレは良子ちゃんの発育途上のボインが気になって気になってそれどこじゃないんだよ」
ボクはウンザリだ。このロリコン教師め。
先生はさらにひどいことを言った。
「おまえが自殺すりゃよかったのに」
「え?」
「考えてもみろよ。お前が射殺しまくったために射殺されたたくさんの子供たちの両親が悲しむはめに陥ってしまったじゃないか。お前が自殺すればお前の両親が悲しむだけですんでただろう」
ムチャクチャな論理だ。教師の発言とは思えない。だいたい何だ。ただ射殺しただけで何でここまで言われなきゃならないの?
「だいたいな。今回は良子ちゃんが射殺されないで済んだけど、もしお前が良子ちゃんを射殺してたらオレがお前を射殺してたよ」
良子ちゃんを射殺しなかったのにはワケがある。
「もしかしてお前、良子ちゃんのことが好きなのか?」
ギク。
「だから、良子ちゃんだけ射殺しなかったのか?」
ギク、ギク、ギクー。
「てめえ。オレの良子を勝手に好きになりやがって。もームカついた!」
先生はふところから拳銃を取り出すとそれでボクの頭を撃ち抜いた。
勢いよく首から血が噴出し、あたり一面血の海。あまりに意外だったので周りの先生たちが、大爆笑。返り血を浴びながら先生はニヤニヤ笑ってる。
ボクは頭がなくなって体だけになってしまった。
「ふっふ。これで良子ちゃんとキスすることができんだろう。ふっふふ」
ボクは泣きたくなった。でも、頭がないので泣けない。
ボクが良子ちゃんを射殺しなかった理由は実は良子ちゃんが好きだったからではない。先生は勘違いしてる。
ボクが良子ちゃんを射殺しなかったのは、良子ちゃんだけ、ボクのことを「きもい!」とか「デブチン!」とか「薄らバカ!」とか「アホヅラしたオタク野郎!」とか「腐った卵みたいな臭いがするわ!」とか「万年貧乏!」とか「オムライス食べたい!」とか言って、真実に扱ってくれたからだ。それのお礼だったんだ。
良子ちゃんの前でだけボクは真実でいられるんだ。(了)
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