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魔王の料理人

作者: 無名良作

 この話は、わけあって再投稿です。

以前、違うアカウントで投稿したものですが、ブックマークをつけていただいた方には、申し訳なく思っております。陳謝いたします。

エブリスタとの重複投稿です。

それは、現代より

むかし、むかしのお話です。


どれくらい、むかしかって?


たぶん、ハンバーグが、食べられるようになった頃です。


???なぜ、ハンバーグかって?


それは、ハンバーグのおかげで魔王の手から


人間界が守られたからなんです。


ある日のこと


一隻の奴隷をのせた船が、大きな渦に巻き込まれました。


船には、奴隷のほか


船員、奴隷のもちぬしの貴族や、兵士


そのほか身の回りのお世話をする人たちが乗ってました。


只、奴隷と言っても戦いに負けた、他国の


一族とその従者たちです。


渦は突然現れ、あっという間に船を飲み込みました、、、が


沈没すると言うよりは、異世界に引き込まれたという感じでした。


その証拠に、荷物も人の体も少しも濡れていなかったのでした。


あっけに獲られていると、魔物たちが船の中まで、


押し入ってきます。


全員捕らえられて、魔王の王宮へ連れて行かれます。


王宮はとても広く、意外なことに


オドロオドロしい雰囲気ではなく、どこの国のお城の中よりも


清楚で清潔な感じでした。


「この中の支配者は誰か?」


魔王は玉座に腰をかけていいます。


貴族たちは、知らん振りしています。


「では、この、料理を作った物は誰か?」


と、ある料理を指しました。


「それを作ったのは私でございます。」


と、一人の奴隷の調理人が前に進みます。


「ほう、これはお前が作ったものなのだな。」


なにやら難しげな、怖い顔で謂いました。


すると貴族の一人が、いやらしい口調で


「そうです、それは奴隷たちが食べるために、作ったもの、貴族の

  まして、大魔王様の食するような代物ではありません。」といいました。


すると魔王は、


「この下賎な奴隷たちと同じものを食べているものは手を上げよ!」


というと、


はたして、その奴隷と、その一族従者たち、そして一部の使用人たちが、


恐る恐る手を上げます。


「うむ、そうか!」


魔王は、親指と人差し指で輪を作りピンと弾くようにすると、、、


、、、あっという間に手を挙げなかった者たちが肉の塊になってしまいます。


「この肉を、保存庫に入れて於け!」


魔王はそう命令すると、続けて謂いました。


「これからは、この肉を使って、そなたに先ほどの料理を作ってもらおう! その他のものは、


この者の身の回りの世話をするのだ。よいな!」


そう言い放つと、玉座を立って違う部屋へさっていきました。


そして、料理人は厨房へ、その他の者は、料理人の寝泊りする宿舎に、


連れて行かれました。


厨房には、今まで、魔王の料理を作っていた者、


そしてその他、家来の料理を作っていた者がいました。


魔王の料理を作っていた者が言います。

 「いやぁ〜助かった。魔王様は味にうるさいので、大変なのだ

   そのほうもくれぐれも、魔王様の機嫌を損ねないようにな!」


と言い残すと、食事係から開放されたのが、うれしかったのか


軽快なステップで、かえっていきました。



その他の家来の料理を作っていた者が、同情したように言いました


 「本当に魔王様は、味にうるさい だが、しかたないのだ。

 古のの魔界のおきてで、魔王様は定期的に人間の肉を食べねば為らない、

だが、人間の肉には、独特の臭みがあってお世辞にもうまいとはいえない!

  それで、そなたの作った料理が目に留まったのだ。」



「そうかそれで、肉の臭みを消すためにスパイスを使ってある

            、ハンバーグを 気に入ったわけだな。」


・・・いくらいけ好かない貴族たちの肉とはいえ、人間の肉をハンバーグにするのは、


  抵抗がある、しかし今、魔王を怒らせれば私のみならず、全員の命まで


  奪われてしまうだろう・・・


そう思った料理人は、一計を案じました。


・・・まずは自分の腕で、魔王を満足させる料理を作らなければ、すべてはその後だ。・・・



そうして料理をつくり、まずは、魔王の信頼を得ることから始めました。


果たして最初に作ったハンバーグは、指定どうりに作りスパイスをうまく使ったことで

 魔王は上機嫌で、


「うまかった!何か便宜が図れることがあれば申せなんでもよいぞ!」


と云って来たのでした。


そればかりか、人間であることの差別もせず魔物たちと対等に扱ってくれたのです。


そこで、

 「船の中にいた、牛や豚の飼育を許可していただけないでしょうか?」

 「私と使用人たちの食料として、御願いします。」と、御願いしてみたところ



 「うむ、確かに、彼らの食料も必要だろう」と許可を得ることに成功したのです。

 ・・・よしこれで、計画を進めることができる!、・・・

と、、、一人、ほくそ笑んだのでした。


それから魔王からお褒めの言葉をもらうたびに、ハンバーグを作るための、スパイスと野菜の栽培、収穫を願いとして

かなえてもらうことに成功しました。


けれども、人間界に返してもらいたいという願いだけは、側近の魔物たちの反対で、

頑として聞き入れてもらえません。


「その願いだけは、聞き入れるわけにはイカン!」

「二度とその言葉を口にするな、再び口にしたときは死罪とする。」


と、他の魔物たちの前で言い放ち恐ろしい顔で睨み付けるのです。


けれども料理人の計画は確実に実を結んでいきます、


じつは、ハンバーグの中の肉の比率を徐々に変えていったのです。


最初は9対1、そして

   8対2、  

   ・

   ・

  1対 1 というようにし、


最後には豚と牛の合い挽き肉、、、というふうにです。


そして、貴族たちの肉のストックが底をつき

この計画のための最後の一食分を残すのみとなりました、

次の人間たちを、


捕まえてこなければならないという前に、計画の仕上げをしなければなりません。

この頃になると料理人に対する魔王の信頼は絶大なものになり、

他の側近には話せないようなことまで相談されるようになっていました。


そうして、いよいよ実行の日、料理人は魔物の料理人に対して、こう告げたのでした。


 「今日の料理は、私一人で作ります。もし魔王様から何か言われても知らぬ存ぜぬで

とおしてください、私のことは、きになされるな!」

と言い残しました。

そしてこっそりとハンバーグのレシピの、書いてあるノートを、魔物の一人に渡しておいたのです。


当に計画に気付いていた魔物たちですが、余計なことは一切、いいませんでした。


そして、、、いつものようにだされたハンバーグを食べた魔王は、激怒しました。

、、、とてもまずくて臭くて食べられなかったのです!


  「直ぐに料理人を呼びつけよ!」

 「このハンバーグはまずくて臭いがひどく食えたものではない!」

  「いったいどう謂う事なのだ?」


料理人は答えます

 「失礼ながら申し上げます。いつもと同じレシピで作ってございます。」

  「それほどまでに美味しくありませんか?」


魔王は


 「ああ!まずい!!、、まずくて食えたもんではない!」


料理人

 「たしかですね?」


魔王

  「こんなものを食えるやつは、魔界におらん!そなたからかっておるのか?」


料理人は姿勢をただし、身を整えるとこう話し始めました。


 「魔王様には私の料理の才能を認めて、命を助けていただきました。」

 「そればかりか奴隷の身分から解放していただき今日まで、

 多大なご恩顧を賜りました。」

 「この御恩は一生忘れるものでは在りません。」


「ですからこれから申し上げることは、万死に値すると思われますので、

 それ相応の覚悟はできております。」

「今日魔王様が召し上がられました、ハンバーグは、100%人肉にございます。」


魔王 

「なに!?`今日は`ということは、、、

では、前回食べた肉は人肉ではないと申すか?」


料理人

「はい、一年ほど前より、魔王様が召し上がったものはすべて、豚と牛の合い挽き肉でございます。」


魔王


「うぬぬ! 許せん!そなたは魔王である私をたばかったのだな?」

「人肉を食せねばならぬは、魔王としての古来からの掟!

 一年もの間、口にせねば掟は意味を持たぬ!」

「そなたは、古の掟を、無き物にしたのだ!」、、、

激怒した顔で怒りに身を震わせる、、魔王!、、

       が、しかし、、、


・・・このとき料理人は気づいた、魔王の口元が緩んでいたのを、・・・


「そなたの申すとおり万死に値する行為だ!」

「そなたを含め、全員、人間どもは極刑に処す!」

「いまだ魔界では、行われたことのない刑だ!」


「全員、人間界へ追放とする!」


料理人

「魔王様、ありがとうございます。」


魔王

 「うぬぬ!口の減らないやつめ、もう二度と顔も見たくないわ!」

 「さっさと消えてしまえ!」


・・・そういうが早いか、指をピンと弾くとわたしを含むその全員を、

   人間界へ送り飛ばしたのでした。・・・




・・・気がつくと見たことのある景色が目に入りました、、、そこは奴隷船に乗せられる前の

 自分たちの国だったのです。

 しかし、どうも様子が変です。

戦争の跡形もなく穏やかな風景が広がっていました。


、、、と、、その時でした、ものすごい音とともに、私たちが乗せられていた奴隷船が、

目の前に現れたのです。

 しかも船の甲板も船室の中にも、たくさんの金銀財宝や、宝石が積み込まれていたのです。


船の舵には手紙が突き刺してありました。


その手紙にはこう書かれてありました、、、



・・・・ふふふ!今頃犯した罪の深さにさぞ後悔しているであろう、、

   その世界はおぬしたちのいた時代よりも、ずっと後の時代だ!

  もはやお前たちの主人であった貴族も存在せぬ!

 主人すら存在することのない世界で、主もなく生きていくがよい

  今までに捕らえた人間たちの船の中にあった、

 魔界には不要な‘ゴミ‘も送りつけてやる、

其処で一族郎党死ぬまでゴミとともに朽ち果てるのだ!

 自分の愚考を、思い知るがよい!


PS なお、忘れていったハンバーグのレシピはいただくことにしよう!

  悔しかろう! 悔しかろう!、、、魔界の扉もハンバーグのレシピを取りに戻れぬよう

 二度と開かないようにしておいたからな!ワハハハハ!!!


                             魔王より 



   読み終えると料理人は大空に向かって叫んだ!


     「大魔王様!ありがとうございます!!!」


                        おわり




















この話は、以前別のアカで投稿したものです、その時にブックマークして

していただいた方、応援してくださった方々には、お詫び申し上げます。

 

 実は、怒った嫁にアカをけされてしまいまして、、、


「私とPCとどっちが大切なのよ!」ときれられた、、、

ひぇ~っ!ゴメンナサイして、、

反省しております。

ほとぼりが冷めたので、再投稿させていただきました。



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― 新着の感想 ―
[一言] 素敵なお話でした。 ハンバーグが人間を救うなんて。 発想が面白いです。 魔王様もイキな事しますよね、かっこいいです。 最後がハッピーエンドでよかったです。
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