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九去堂ライフハック

「なろう」で書き手が幸せになり楽しむ方法~有名になるのと書籍化、それはヤメトケと元編集者が言う

作者:九去堂
『続・「なろう」で書き手が悪質な読者から身を守る方法~ごみを正しく分別するように』の続きです。
http://ncode.syosetu.com/n3713ed/
まず、私がかつて、老舗出版社の編集者だったことを申し上げておき。
挿絵(By みてみん)

戦国のヒーローと言えば、信長、謙信、信玄と言ったところでしょう。三人で止めたのは挙げれば切りがないからです。いずれにせよ彼らの生涯はドラマチックで、お話として読者をわくわくさせるでしょう。でも彼らだけだったんでしょうか?

戦国の義将と言われる謙信ですが、毎年攻め込まれる北関東の豪族にとっては、蛮族以外の何者でもありませんでした。お屋形様の北条はちっとも助けてくれないし、攻め込まれるたびに米は奪われる、人はさらわれる、田畑は荒れ果てる。

「つくづくイヤになった」と言って、豪族を廃業したお殿様も居ました。絵にすれば確かにショボい景色ですが、気の毒なお殿様もまた、謙信とはまた違った、面白いドラマになると思いません? でも彼は大河の主人公にはならないでしょう。

史料が残っていないからです。想像力豊かな作家先生も、さすがに長編は無理。

事情は「なろう」で書籍化を目指す書き手さんも同じです。幾千万ポイントを得なければ、「どうでしょう一つ」という話にはなりません。でもそんな書き物が面白く無いと言えましょうか? 書き手さんに才能がないと言えましょうか?

いいえ。それは出版のからくりを知れば明らかです。編集部には毎日ドサドサと持ち込み原稿が送られてきます。会社の予算内で配置された編集者は、それらの原稿を実にテキトーに読みます。いや、読みもしないでゴミ箱にぽい!
挿絵(By みてみん)

も、珍しくありません。そうした編集者に、作品が当たるかどうかの博才(ばくさい)があるわけでもありません。彼ら彼女らは、サラリーマンだからです。バクチ打つよりお給金が減るのが心配。出版不況が長く続いているからにはなおさらです。

だから「なろう」のポイント制は、編集者にとってありがたい話のはずです。

だって出した本がコケても、「ポイントありましたから」という言い逃れが出来るからです。かつて「ナニナニ大先生のお原稿でしたから」と言っていたのと同じです。それでは上司と営業に叱られますので、否定しにくい数字が出来たのです。

ゆえに本になるかどうかは、作品の質とは全く関係がない。高度大衆社会とはそういうもので、インチキな製品でも若い女の子がCMで微笑めば、じゃかすか売れるのと同じ理屈です。「電通めえ、愚かな愚民どもめえ!」と言うのろいが。

掲示板の類で絶えないのはその現れです。でもどうなんでしょうね。そうノロう者もまた、大衆の一人に過ぎないのでは? 目立とうとか、本を出そうとか、それを目指しているからには大衆社会のからくりしか、目に入っていないでしょう。
挿絵(By みてみん)

確かにこの私も、書くからには大勢の人に読んで貰いたい。

万一本になったら、それなりに嬉しいでしょう。でも「やっかいなことになったナー」とも思うでしょう。大衆社会のバカバカしさと危険性に、ほとほとうんざりしているからです。作家生活がどれだけ割に合わないかを知ってもいます。

それに大衆社会の波に乗って、売れっ子作家になったとしても、それは私の目指す、よき人間になることにはつながらないでしょう。例外はありますが、ああいう人たちは概してとんでもない連中で、サドでウソツキでインチキでいい加減です。

例えるなら、トーダイ出て先日暴言で有名になった、さるオバハン議員そっくりと言えばわかるでしょうか。そんな連中を心から軽蔑しながら、ヘコヘコ頭下げて「玉稿拝受」とか言ってるのがアホらしくなって、私は編集者を辞めました。

でも、あの人たちがああなった理由もまた、わかるのです。

彼らには道徳はあっても、倫理がありません。人の目があるからするのが道徳で、無くてもするのが倫理です。しない、と言っても同じです。無名な頃の彼らが、どれだけ編集者にこびへつらったことか。耳を覆いたくなった経験もあります。
挿絵(By みてみん)

でも一旦売れっ子になれば、あのざまです。かようにマゾはサドを必ず兼ねるのですが、それも倫理がないからです。確かにお金は稼げたかも知れませんが、幸福そうにしている作家や学者を、私はただの一人も見たことがありません。

だからお金を目当てに作品を書くのは、行き着くところまで行き着いても、書き手を幸せにはしないのです。それに九分九厘、そんなところへ行けはしません。行っても幸福になれないし、行けもしない理想郷なんて、意味があるんでしょうか。

幸せは、そんな所にはありはしません。

それよりも、道徳を捨て倫理を持ち、何がいいのか悪いのか、何が正しいのか間違っているのか、自分だけの揺るぎない理想郷を、自分の力だけで建てるしかないでしょう。誰かが言うからそれを正しいと言う、それでは誰かの奴隷です。

同じ日本の中でも、道徳は違っているでしょう? だから東京人は大阪人を図々しいと言い、大阪人は東京人を冷たいと言うのです。でも道徳を離れて見ればどちらも同じで、東西二都、同程度に結構で同程度にダメだとわかるのです。
挿絵(By みてみん)

確かに、現実空間で倫理を持つのは大変です。まず金銭的に、自立しなくてはならないからです。そのためには長い勉強が必要で、自分の能力相応に、大衆社会的によいとされている楽しみを、あれもこれも捨ててしまわねばなりません。

だから若い友人が、私に猛然とくってかかりました。「それは、強者の論理だ!」

確かにその通り。でも彼は気付いていたでしょうか? 彼もまた、社会的には強者である事実に。東大の院を出て誰もが知るメディアの一員です。そして私は思うのです。今はまだ、分からないかも知れない。でも、そうするしかないんだよ?

「なろう」の書き手さんも事情は同じです。それに情報空間で倫理を持つのは、現実空間と違って実に簡単です。倫理を持った自分に「なろう」と思うだけでなれるからです。その上でどう幸せに「なろう」を歩くか、それは人それぞれです。

私よりよい提案をお書きの書き手さんも居るでしょうから、そちらに任せ申し上げます。ただ実践論も、外してはいけない要点は一つしか無く、それは明示された規定に従うことだけです。それ以外の一切は、あなたの自由でしょう。

誰はばかることもありません。倫理を持つ者は自由だからです。

私も試したことがあります。規定になかったものですから、自作を目立たせる工夫をしました。所がヘンな人たちがそれを運営にチクって、少々もめたこともあります。でもまあ、社会が出来れば必ず、金棒引きのたぐいは出るものでしょう。
挿絵(By みてみん)

それより問題だと思ったのは、明示されない規定を持ち出されたことです。肥だめくさい寒村の、ムラ(おきて)のようなもので、じゃあ始めから言えよと思いました。でもこれは現実社会と同様で、世間とはそんなものであってどうにもなりません。

イヤなら、出て行くまでですから。そう覚悟を決めれば、この「なろう」も快適です。よき人たちとのお茶会は、現実空間の楽しみと変わりません。誰もが私のようになれるとは思いませんが、私だって昔はバカで弱虫で泣き虫だったんですよ?

つまり誰だって、「なろう」と思うところから、幸せが始まると思います。
吉例により、議論無用に願います。

私がこの「なろう」で出会いたいのは「よき人」であって、SM趣味はないからです。あるじが作品というお茶を用意して、お客が良き言葉というお菓子を持ち寄り、共に楽しむ。そんな客間こそ「なろう」に望ましいと思っています。
挿絵(By みてみん)

追記:
イヤガラセのつもりであえて低ポイントを付けて下さるバッタの皆さん。御苦労様です。ゴミの投げた塵も積もれば山だなあと、俳画を見るような気分で楽しんでいます。そんなんで私が書き物とその内容に、自信失うワケないですから。うふふ。
挿絵(By みてみん)

さあ! もっとじゃんじゃん低ポイント付けよう!
と言うより、あなたも勉強して強くなって、幸せを掴んだ方がよくありませんか?
そう「なろう」と思う方なら、いつでも私のお茶室に迎え申し上げます。

さあ死を乗り越えて、あなたの面白いお話をお聞かせ下さい。「何言ってやがる」と、それでもトサカに来っぱなしのみなさん。まあこれでも読みなされ。
http://ncode.syosetu.com/n8372ed/

いつも通り、挿絵の登場人物は下記リンクからの友情出演です。

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