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女勇者セレス 作者:松宮星

ケルティの闇と光

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極光の剣 こぼれ話 ガルバ&ジライ(終1)

 インディラでの用事を終え老魔術師の移動魔法で、ホルムの王宮に戻った老忍者ガルバ。
 彼はまっすぐに、東国忍者の元へ向った。


「ご老体の活躍に、道中、何度となくセレス様は救われたと、シャオロンより聞き申した。かたじけない」
「こちらこそ、部下を八人失わずに済んだ。部下達を斬らずにおいてくれた事には感謝しておる」
 主人の交換警護の件の礼を言い合った後、ガルバは下げていた頭を上げ、口調を強いものに改めた。
「だが、この際、言わせてもらう。きさまの御身様への態度には目に余るものがある。即刻改めてもらいたい」
「む?」
「東国忍者と我らインディラ忍者では、生き方が違う。インディラにおいて忍者は、主人に仕える影……日の光の下で生きる主人を敬い、主人の為に陰ながら尽くすのが忍の道よ」
「………」
「きさまは東国忍者じゃが、今は、御身様の配下にあろう? 少しは分をわきまえよ。 御身様に対等以上の口をきくな! あの方に命令するな! 皮肉な口も控えよ! あの方はいずれインディラ国王になられる高貴な御方! 下賎な忍者とはご身分が違うのだぞ!」
 東国忍者はフンと鼻で笑った。
「……我の知った事ではないわ」
「何を!」
「ご老体、勘違いなさっておられるようだが、我はナーダの配下ではない。(われ)が仕えておる貴き御方は、セレス様、ただお一人じゃ」
「嘘をつけ! きさま、御身様から毎月八十万で雇われておるではないか! 東国忍者は雇用主を敬う礼儀すら心得んというのか?」
「確かに金は貰っているが……部下として契約したのではない。我は愛人じゃ」
「へ?」
「愛人」
「……あいじん?」
「一月一回の性交で、八十万ゴールド貰い、ご老体方と共に諜報活動をする。愛人兼協力者という立場だ。そういう契約になっておる」
「………」
「ご存じなかったようですな」
「おぬしを傘下に加えるゆえ、忍として協力し合い、納得できる理由をもって求めがあれば部下を貸し、報酬も払うようにと……御身様はそれしかおっしゃられなかった」
 インディラ忍者はぶるぶると体を震わせた。
 ただでさえ、東国忍者のせいでナーダに関する悪い噂が部下達の間で広まっているというのに……
 男を愛人として囲っているなどとバレては……ますますひどい事に。部下達の間で、ナーダの評判が地に落ちてしまう。
 ガルバは白子の忍者をチラリと盗み見た。情に訴えても、この男には効果がない。又、東国忍者は契約を重視する。好条件で敵方に誘われても、絶対、寝返らないのだ。大金を積んでも、ナーダと別れてはくれないだろう。
 となれば……
 二人の異常な情事の場から部下達を遠ざけるのは当然として……
 後は……


 武闘僧ナーダは机の上につっぷしてうたた寝をしていた。
 上皇制度の復活とケルティ復興の為、夜も昼もなく働き続けているのだ。
 その上、最近、部下達が報告書やら目を通して欲しい資料やらをやたらと持って来るのだ。
 部下が仕事熱心なのは良い事なのだが……どう調整しても、自由時間どころか睡眠時間すらろくに取れない。
「御身様、南部の復興状況と支援物資の需用の推移、それと、次の国バンキグの国情に関する資料にございます!」
 ガルバの声に、ナーダは机から顔をあげた。
 目の前に顔が隠れるほどの高さの書類を抱えた部下が立っている……
 疲労回復魔法をかけて、今夜もこの部屋で徹夜だろうか……
 このところ仲間達の顔を見る暇もない。溜息をつきながら、ナーダはガルバが持って来た書類に目を通し始めた。
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