第二話 入隊
音楽に釣られるままに辿り着いた場所は音楽室だった
ドアの隙き間から除いて見ると何も見えない
必死に覗こうとしていると、上から話しかけられる
「見えませんね……」
私はゆっくりと上を向くとピンクの髪をツインテールにした少女が私の背中に寄りかかりながら除いていた
「……誰ですか?」
私が尋ねると覗くのを止めて私の方を向く
「はじめまして!ユイって言います!あなたもガルデモのファンですか!いい歌ですよね!……」
私はこれ以上、ユイの長話に付き合わされるのはゴメンだと思い立ち去ろうとする
立ち去ろうとすると、先程歩いて来た方からあの変質者の声が聞こえて来た
咄嗟に私は音楽室の中に入り扉を閉める
だが、安心したのも束の間、扉を蹴破って入って来た
「てめぇ!さっきはよくもやってくれたな!」
後ろへ少しずつ逃げるが壁まで追い詰められてしまった
「変態!近寄らないで!」
近くにあった譜面台を掴み振り回し応戦する
「てめぇ!調子こいてんじゃねぇぞ!」
変態の斧が譜面台をまっ二つに切り裂き武器が無くなってしまう
「もらったぁ!」
斧が振り下ろされそうになった時、赤い髪の女性が止めに入った
「野田?その子泣いてるじゃない!何してる訳?」
震える私を指差し冷たい視線を野田に浴びせる
「そいつが下手に出たら暴れるからだよ!」
その言葉に赤い髪の女性が私に尋ねる
「何されたんだ?」
……この変態さんは信用されてないんだなと感じ.事実をありのままに伝える
「私が、私が、保健室で着替えている所へずかずかと入って来て私の体を上から下へ視姦したんです!それで、叫んだらあの斧を突きつけられて…………」
その話を聞き、変態男野田に対する冷たい視線はより強くなる
「待て!視姦なんかしてないだろ!見ただけで……」
野田の弁解は火に油を注ぎ込む
「「「「謝まれ」」」」
その場にいた女生徒全員が口を揃えて野田に命令する
その様子に「覚えてろよ!」と捨て台詞を残し逃げて行った
私が泣き止むと四人は私に自己紹介を始めた
「私は岩沢、GDMのボーカルを兼ギターやってる。そっちがリードギターのひさ子、ドラムの入江、ベースの関根。あなたは?」
各々が私に「よろしくね」と言ってくれる
だが、私は自分の名前が思い出せない
私は必死に自分の名前を思い出そうとするが全く出て来ない
「もしかして、記憶無いの?」
ひさ子さんの言葉に俯いてしまう
全く分からない場所で名前すら思い出せない自分が恥ずかしかった
「まぁ、こっちに来たばかりだと記憶が無い事もあるからね。ユリにはあったの?」
私が首を横に振ると岩沢さんはバンドの練習を終わりにしてユリと呼ばれる彼女達のリーダーの所へ案内された
その間、ひさ子さんが色々気を使い校舎の教室の位置や食堂の場所を教えてくれ、最後に麻婆豆腐の食券をタダで頂いてしまった
その様子を後ろの二人がクスクス言い合っていた事に全く気付かなかった
もし気付いていたらあんな悲惨な事にはならなかっただろう
「ユリ!新入りを連れて来た!」
案内されたのは校長室
私はユリと言うのは五十代のおばさんだと勝手に想像していた
目の前に白いベレー帽を被った女性がいるがどこを見渡しても私の想像したユリさんはいない
「あなた?聞いてるの?」
白いベレー帽を被った女性は私に尋ねる
「ユリさんって、どちらにいらっしゃるんですか?」
その言葉に辺りは一瞬静まり返る
全く分からない状況に辺りを見回す
「だって、ここは校長室ですよ!いるなら、おばさんじゃあないんですか?」
その様子にユリは言った
「ここは死後の世界よ」
確かに私は昨日撃たれて死んだ筈だった
そんな事を考えながら話半分で聞いていた
「私達はこの世界で模倣的に生きると消えるの」
私はその言葉に顔が真っ青になる
「死んだ世界からも消えたら私はどうなるんですか?」
ユリは私から目を剃らし「分からないわ」とだけ告げる
「これからよろしくね」
そう告げられるが、突きつけられた真実の大きさに迷う
「一つ聞いていいですか?あの人達みんな私と同じような人なんですか?」
校庭で部活に勤しむ生徒を指差し尋ねる
「彼らはNPCよ。一応、感情なんかも存在するから。普通の人間と変わらないわよ。話しかければ会話が成立するし……言わば、模範的な生徒よ」
その言葉に頭が痛くなる
死後の世界
NPC
消える
ユリは少し考え岩沢さんに言った
「彼女、運動音痴そうだしガルデモの補欠メンバーって事に出来ないかしら?」
ユリからして見れば昨日、天使を庇ったという事実がある
だからこそ前線メンバーでは無く陽動のガルデモの一員にして、様子を見ようと考えたのだった
「名前が無いと呼び辛いわね……う~ん……」
何か変な名前にされそうだったので自分でも考え始める
「あの!紫苑と呼んで下さい!」
こうして私事、紫苑はSSSのガルデモの補欠メンバーに任命されたのだった
小説家になろう 勝手にランキング
+注意+
・特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。
この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。