挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ご近所トラブル@殺人鬼 作者:omg
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました

ブックマークしました。

設定

更新通知 0/400

設定を保存しました
エラーが発生しました

カテゴリ

ブックマークへ

以下のブックマークを解除します。
よろしければ[解除]を押してください。

ブックマークを解除しました。

3/10

3話

 リサとアンジーが注文した料理を食べ終わりかけた頃、一人の男性が店内に入って来た。彼もまたメゾン ド ハイツ けんこうの住人の一人だ。名前は吉田。職業、お笑い芸人。

吉田は入るなり、リサ達を見つけると隣に腰かけた。
「やぁ、二人とも!奇遇だね!」

「今日はライブだったんでしょ?どうだった?」
つけ麺を啜りながら、リサは隣にいる吉田に声をかける。アンジーは食べている姿をスマホで撮影し、SNSに投稿しているようだ。

「聞いてよー。今日もあのネタをやったんだけどさー」

「歴史上の人物しりとりの事?」

「違うよ!国名なぞなぞの方!」
吉田は店主を呼び止めると、チャーハンと餃子を注文する。

「.........うわぁ、面白そう」

「だろ?それがどうもウケが悪くてさー」
「どうにも困って最終手段に出たんだ」

「何?今度は動物の名前でしりとりでもしたわけ?」

「ハハハッ!!いいね!それ!今度のライブでやっても良いかな?」

「利益の30%」

「友達だろ?頼むよ..........」

「いいわ。じゃあ貸しにしとくわね」

「おう!今度ラーメンでも奢るよ!」

「別のものにして」
「それで?最終手段て何したの?」

「全裸になって、ネイキッドマンのものまねだよ」

「彼は全裸では無いけどね」

「知らなかったんだよ!危うく捕まるところだったんだから!」

「..........そのうち本当に捕まるわよ」

「今度からはちゃんと大事なとこは隠すさ」

「それなら捕まる心配はなさそう。でもやる時はちゃんと主催者に聞く事ね」

注文した餃子が先に吉田の前に置かれた。彼は小皿に醤油を出さず、餃子の上から一気に醤油をかけて、食べ始める。
「ところで二人は?今日は休み?」

食べ終わったリサは、箸を器に入れ、そのまま店主へと差し出した。
「私は休みよ」

「.............」
アンジーはスマホの画面を熱心に見つめ、何かを打ち込んでいる。

「..........彼女のページにコメントして。即レスが返ってくると思うわよ」

吉田とリサに見られている事にようやく気付いたアンジーは、ハッとして答える。
「...........え?あ、ああ。ごめんね?何の話?」

「アンジー?ネットのコミュニケーションも良いけど、こっちの方にも気を配りなさいよ」

「ごめんなさい..........はぁ、分かってるの。自分でもやり過ぎかなって........そうだ!二人もやってみてよ!きっと面白さが分かるって!」

「ああ、俺はやってるよ!.............ほら!!」
吉田はスマホの画面を二人に見せた。そこにはMr吉田ーマンというアカウントが表示されていた。プロフィールの欄にはお笑い芸人やってます、と書かれている。そしてそこにはアカウントのお気に入り数も表示されていたのだが、その数は20人と出ている。

「20人?アタシの勝ちだねー。ほれ!!」
アンジーも画面を見せる。そこには今食べていたラーメンの写真。そしてお気に入り数を見ると、その数に驚愕する。

「...........凄い数ね。デモでも起こすつもり?」

「アタシって美容師やってるでしょ?それで、この服にはこんなセットが合うとか、この季節はこうするーとか載せたりしてるうちに結構増えたんだー」
アンジーは人間界を見ている内にファッションや流行にすっかりハマってしまい、遂には美容師と成るまでに至っていた。。

「なるほど。その手があったか。...........なあ?芸人はどうすれば良いんだ?」
リサを挟んで二人は話し込んでいる。

 二人の話に夢中になっている間、リサは仕方が無いので備え付けのテレビを鑑賞していた。また海外のスーパーヒーローの話題だ。日本ではあまりその例が無い。特殊な存在の出現は、日本の犯罪者予備軍に多大な影響を与えた。銃などの武器が手に入らない日本では、彼らに対抗する術が無い。そのため、ここ数年で規模の大きい犯罪は激減した。海外では武装の入手のしやすさから、その数は未だ一定数あるのだが、日本では少ない。そのためリサのような日本でのヒーローのような存在は報道される事もほとんど無い。

 そんな事も知らず、リサが日本に来たのは彼女が18歳の時。幼い頃から日本の忍者に憧れていた彼女は、高校を卒業後単身ニューヨークから日本へとやって来た。とりあえず日本語だけ勉強すれば大丈夫だろうと思って来てみたら、将軍も侍も、もう居ない事に衝撃を受ける事になってしまった。失意の中でとりあえずの住処として選んだのが、はちゃめちゃな名前のアパート「メゾン ド ハイツ けんこう」である。

「おっと、次のライブだ。もう行かないと。じゃあまたな!」
「アンジーまた今度教えてくれよー!」
吉田は時計を確認すると、一気にチャーハンを食べ終え、店を出て行った。

「..............」

「はあ、自分の趣味について喋れるって楽しいよねー」
「.........?どうしたの?浮かない顔して」

「.............アイツ、金置いてって無いわ」

「..............えーっと」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 アンジーとの買い物が終わった後、部屋に戻るとリサはソファーに寝そべり、スマホを弄り始めた。

「.............」
.............あった。これね。皆がやってるのは。

「.............」
リサは会員登録を済ませた。アカウント名は小太郎に設定した。
アイコンは寝室に置いてある日本刀の写真を載せる。

 検索の欄にアンジーのアカウント名を入力する。画面には彼女のアカウントが表示され、見ると先ほどの買い物で買ったワンピースの写真を帰ってすぐ投稿していたようだ。

「...............あ」
適当に見ていると、画面にはお気に入りに登録しました、と表示されてしまった。急いで解除しようとしたのだが、どうにもやり方が分からない。

「...........くそッ.........ん?」
アンジー@天使がお友達になりました。

「...........」
メッセージが届いています。

「............」

アンジー@天使  リサ?

「............」

小太郎    違うぜ。俺は小太郎だぜ

「............」

アンジー@天使  アイコンの写真

「ん?.............あ」

小太郎      違うのよ?ちょっと興味本位で

アンジー@天使  部屋に行くね

「............」






+注意+
特に記載なき場合、掲載されている小説はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている小説の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による小説の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この小説はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この小説はケータイ対応です。ケータイかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
小説の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
↑ページトップへ