私が無くしちゃったモノ。
それは個性。
髪をストレートにして、
流行りの服を着て、
化粧をし、
皆の見ているドラマを見て、
当たり前の様に携帯電話を持ち、
目立たず、
暗すぎず、
適度に頷き、
笑顔をしてみせ、
友達について歩く。
やってみたいと思っても、
友達がしなければ出来なくなり、
友達が嫌な事は、
自分が好きでもやらない。
そして、ふと、
自分の事が分からなくなる。
確かに、
一人だけ違うのは、
怖いし、
恥ずかしいし、
目立つし、
大変だ。
それよりは皆と同じなら、
楽だし、
平気だし、
怖くない。
でも……本当にそうだろうか?
皆が同じ格好をして、
同じ態度を取り、
同じ考えをするなら、
この地球上に、
なぜ60億もの人たちが必要なのだろう?
一人でいいのではないか?
でもナゼか、
私たちは気づいたらココに居た。
考えてみれば理不尽な話だが、
今、この世に存在しているなら、
仕方ない。
とりあえず生きてみる。
沢山のモノに対して、
一人はあまりに無力で、
ちっぽけで、
弱々しい。
そんな世の中だから、
人のマネをするのも、
流されてしまうのも、
しょうがないって思う。
だったら、
私だったら、
流されながらも、
自分を少し、
ほんの少し、
皆が分からないくらい少し、
主張できたらと思う。
皆初めは、
眩しいくらいの白さを持っているとして、
成長するにつれて、
色々な色に染まっていく。
その時例えば、
沢山の人が、
チューブから出した、
原色の青になりたいと、
自分の色を青に近づけ、
中には完全に染まり、
私もそれに巻き込まれたとしても、
原色ではなく、
それに少し水を加え薄くしたり、
ちょっとだけ、
黄色を足してみたりして、
よく見比べなければ分からない様な、
でも原色でない青になりたい。
私が無くしちゃったモノ、
それは私。
真っ白な所に色を塗ろうとしていた、
あの頃の私。
私が手にいれたモノ、
それは、
周りと同じ様で違う自分になりたいと、
気づいた私。
そう気づけた心。
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