☆2限目☆
チュンチュン
「……うーん…」
「ニャア…」
「…んー……」
「ニャア」
「うー…」
「ニャア!」
「…ぅん……」
「ニャー!!!」バリッ
「…いっつー…」
「フニャア」
「……ルル…痛いんだけど……」
朝…あたしはルルの強烈な引っ掻きで目を覚ました。
「……もっちょっと……優しく起こして…ね……」あたしは、ルルにエサをあげている間に、昨日買ってきた、パンと苺牛乳を持ちテーブルの隣に座った。
窓を見れば、昨日と同じ桜の花びらが宙を舞っていた。
「……そーだ…学校……」あたしは急いでパンを食べて、初めて着る普通の制服に身を包んだ。
「…ルル…?」あたしがリビングに戻るとルルがいなかった。((……散歩…かな…))あたしは、玄関に置いてあった、スクール鞄を肩に担ぐと、真っ白のスニーカーを履いて、外に出た…
あたしは今日から世話になる学校"夢桜高校"(ゆめざくら)の門の前で立ち尽くしていた。
「……普通の高校は……こんなんなんだ……」ぼーっと立って、高校を見上げているのがそんなに不思議なのか、道行く人達があたしをチラチラ見ている。
霙の知らないところでこんな事を言っている人達もいた。
「ねぇねぇ…あの子すんごい可愛いよ!!??」
「ねー☆ハーフかなぁ?瞳グレーだし…」
「うっわ!!俺、ストライク!!あんなかわいこちゃんいなかったよな!!??」
「そりゃぁ…あんなけ可愛いかったら有名だろ……転入生か?」
あたしがじぃーっとその場に立っていると
「あの〜……」隣から誰かが声を掛けて来た。
「……?…」あたしはその声の方に、顔だけ向けた。そこには、黒髪のショートカットの可愛い女の子と茶髪を一つに纏めた少し気の強そうな女の子が立っていた。
「あのね、君…転入生?」
「みんな…あなたの事見て、かわいいって言ってます〜」
「……そ…だけど…」あたしは急に転入生?なんて聞かれるものだから少し、戸惑いながら答えた。
「あっ!!びっくりしたよね;;ゴメン!!アタシは、風実 くずは(ふうみ くずは)っ♪」彼女は、くずはて呼んで☆とあたしにウィンクを飛ばして来た。
次は黒髪の女の子が口を開いた。
「あのっ…私は繰橋 美弥子と言います…///」
「……紅蓮…霙…だ」みんなあたしが雛殿家の娘だとしったら、きっとまた特別扱いするかもしれない。
だから、わざと名字を変えた。
……貴族の娘だからってなに?
なんで特別扱いされなきゃならない?
あたしはみんなと同じ人間なんだよ?
意味が分からない…
「……れ? …ぞれ? 霙!!??」
「!!!!……なに…」
「いや…急に険しい顔になったから…」
「大丈夫ですかぁ〜?」あたし…そんな顔してたんだ…
「…滅多に顔に……出ないのに…(ボソッ」
「霙?何か言った?」
「……なにもない…ゴメン」
「ふーん…じゃあ職員室行こっか♪」
「そうですね♪霙ちゃんもまだ、場所は知りませんし。」
「……ん」人の優しさに触れるって…あたし…初めてだな…。
場所は変わって職員室。あたしは今このふてぶてしい男の隣を歩いている。
時間は15分前に遡る。
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「……失礼…します……」
あたしはくずは達に連れられて、職員室前に一人で立っている。
くずはは彼氏と教室に。美弥子は委員会があるから、一緒に行けなくなった。だから今あたしは一人でいる。
「………」
「………」
「………」
「………」
「……あのさ」長い沈黙の中、その重い空気に耐えられなくなったのか、そのふてぶてしい男があたしに声を掛けた。
「………なんですか」
「あのさーこの重い空気どうにかならない?俺、こうゆう空気だけは駄目なんだよ〜」
「……なら、一人で喋ったら…いいんじゃないですか」
「あーダメダメ〜独り言言ってたら、鼻毛伸びるんだよ?!」そんなの嫌だーだの、なんか俺痛い人みたいじゃん!!とかギャーギャー喚いてる。
「うるさい…」あたしがギロッと睨んで言うと、水を差したように静かになった。
すると、男が独りこんな事を言った。
「そういや、霙って名前…どっかで聞いた事あんだよなぁ…」
「……有名人の名前ですか?…」あたしはそう聞いて一瞬、あたしが雛殿家の娘だとばれたと思った。
雛殿家はニュースなどの番組に出る事が有るからだ。しかし、その男は
「あっ!!いたよーな気ぃする!!」と全然気付いていなかった。
「……ハァ…」
「おいおい;;ため息なんてついたら幸せ逃げるぞ〜」あたしが安心して息をはくと、男がこんなこと言いやがった。あたしがどれだけ冷や冷やしたか……
そんな事を思っていると、
「着いたぞー。ここが、霙のクラスだ〜」
「……なんで名前で呼んでるんで…<<ガッシャーン>><ドゴーン>>
「こんのぉ…くそがきぃ!!!!」
「うるせー!!!!おまえもくそがきだろーが!!」あたしの言葉を遮り、もの凄い音が教室の中から聞こえた。
「……なんの音…?」声は聞いてみると、女の子と男の声だった。
「男と女子がケンカ…」
「霙……なんで目がキラキラしてんの?;;」「……そんな目してません…」…危ない…雛殿の屋敷に居る時は毎日男女問わずに、殴り合いしてたから…つい;;
「?ふーん…」
「…先生……このクラスは…女と男が…ケンカするのが…当たり前なんです…か…?」あたしがそう聞くと、先生は少し考えて、
「あー…まぁなーこれが普通かなぁ…」
「……普通…ですか…」なんか…このクラス…あたしの仲間がいっぱい居るのかな…?(仲間とは、不良の事です;;)
このクラスに仲間が…
と思っていると、あっ!!と先生が声を上げた。
「…どうかしました…?」
「いやぁ…俺の名前さ、まだ教えてなかったなあと…」
「…そ…ですね…」あたしがそっけなく返すと、先生はコホンと咳を一つ、
「俺は、霙の担任の"沖谷 来栖"(おきや くるす)だ♪よろしくな〜」
「…よろしくお願いします…」あたしは深くお辞儀をした。
「あっれぇ〜?先生と霙!何してんの〜?」隣から聞こえた声の方を見てみると、
「くずはと…?」
「風実と宮節?おまえら何してんの?」
「…宮節…?」
「そ♪アタシの彼氏なの♪」
「こんにちは!"宮節 莱"(みやふし らい)と言います!!えーっと…?
「…紅蓮 霙…よろしく」うん!よろしく♪紅蓮さん!」黒い髪を肩に着くぐらいの長さに大きな黒い瞳…なんか…ちっさい子供みたいだな…くずははこうゆう子が好きなんだな……
「おーい。早く教室はいっぞ〜」先生が手をパンパン叩いて言った。
「はーっい♪行こー莱Vv」
「うん!!くずは!!」くずはと宮節は手を繋いで教室に入っていった。
「じゃあ、霙は俺が喚んだら入って来てな♪」
「…ん…わかった」
ガラッと先生は2年D組のドアを開け、中に入って行った。
「おめぇらうるっせぇぞ〜静かにしろ〜」廊下の壁に背を預けていると、中から先生のだらしない声が聞こえて来た。
「…一応みんな言う事…聞くんだ…流石教師…(ボソッ」寂しく独り言を言っていると、
「な〜に言ってんだよ!!沖谷、さっき女と話してたろ!!」
「人の事言えないね!!ヘッ!!」
「お前ら…聞いてたのか……;;」
(あり?それ…あたしの事じゃん)
「まさか、沖谷!!おまえ高校生と付き合ってんのかぁ!?」
「先生彼女なんか居たんだ!!びっくりだね!!」(…あ?…だれがあんな男の…だれが……)
「そーなんだよーあれがさー可愛くてさー羨ましいだろ!!もう、あんな事やこんな事しちゃってる仲…<<ドゴォ!!!!>>ごえぇぇ!!」
……
………
「…先生がいなくなった」
「あれだろ。きっと、どっかのトラックが突っ込んだんだろ」
「いや…ここ2階なんだけど…」
「いやいや…そうゆう事もあるんだよ。世の中はな、不思議な事が沢山起こるんだよ」
<<シュウゥゥ>>
「あっ!!煙りが薄くなってきた!!」
「…!!女!!??」
「うわぁ…女の子なのに大人の男蹴飛ばすなんて……;;」
「……だ…」
「えっ!?」
「…あたしと…この変態が……付き合ってるなんて…言った奴…だれだ…」
「いっつつ…あれ?何?この状況…;;」殺気が漂う教室の中一人の教師が目を覚ました……
「…起きたな…この変態教師……」
「…?霙?どうし…
「…忘れたとは言わせねぇぞ…覚悟しやがれ…」えっ…ちょっと?霙ちゃん?ちょっ、マジすんませんでした;;いやホント!!なんでもします!!お願いします!!許して下さい!!!霙様!!」
「…黙れ……」あたしが変態教師の上に拳を上げた。殴ろうとしたら、鞄からある者が出て来た。
「…ニャー…」
「…ルル…!?」
「……あり?…殴られてない…?…助かっ!!≪ガスッ≫ギャアアア!!!割れる!!頭割れるから!!」
「…猫?」
「なんであの娘の鞄から…?」
「でも、かわいいよね!!」
「黒猫って不気味だよな…」
ピクッ!!……不気味…?…なにが…?……ルルが…?…不気味だと……?
「誰だ…今不気味っつた奴……」あたしが生徒全員を睨みつけると、
「す、すんませんしたー!!!!」とクラス全員があたしに土下座してきた。しかも一斉に…;;
「フニャア」≪バリッ≫
「…ルル…朝と同じとこ…引っ掻かないで……痛い……何してんの…?」土下座って…あたしが見た先には、ボロボロに砕け散った、元が何だか分からなくなった、教室のドアがあった。
「……あ;;」
転校初日。
あたしはこれからどうなるのでしょう……?
END |