☆1限目☆
「……ありがとうございました…」あれからあたしとルルは、直ぐに新しい家を見つけた。近くに高校もあったし、ペットOKのアパート。あたしもルルも一回見て気に入った。
引越ししたばかりで部屋が段ボールだらけの部屋にあたしとルルは寝転がった。と言ってもルルはあたしのお腹の上で、気持ち良さそうに寝ている。きっと、窓から入ってくる太陽の温かさが気持ち良かったんだ。あたしはルルに向かって、クスッと笑みを零した。
ふと、窓の方に視線を向けると、
「…うわぁ……」あたしの目に入って来たのは、淡い桃色をした、たくさんの桜が宙に舞っていた。
「……ルル」あたしがルルに呼び掛けるとルルは目を開けて、あたしのお腹の上から降りた。
「ニャン」
「ルル…あれみてみ」あたしはルルを抱き上げて、窓を開けた。すると、部屋の中に桜がたくさん入って来た。あたしは一瞬時が止まったようだった。桜が余りにも、綺麗で儚くて、なぜか切ない気がしたから………
あたしとルルはしばらくの間、その桜を見ていた。
「ルル…おいで…」あたしは窓の近くに腰を落としてルルを呼んだ。するとルルはトテトテと歩いて来て、あたしの足の間に座った。
桜はまだ舞い続けている。
「…キレーだね…ルル」
「ミャー」あたし達はその言葉を最後に、深い眠りに入った………
「…ん……今何時…」夜の8時……まだそんな時間か…どうやらルルはまだ寝ているみたい。
「……ご飯…お腹空いた…」
「……ニャー」
「?…ルル」ルルもお腹が空いたらしい。台所に行くあたしに着いて来ている。
「…お前もお腹空いたのか…?」
「ミャァ」
「…そっか。…ちょっと待っててね…」あたしは、ルルにキャットフードを入れた、エサ皿をルルの前に置いた。ルルは余程お腹が空いていたのか、ガツガツとキャットフードを食べている。
「…あたしもなんか食べよ……」引越して来たばかりなので、冷蔵庫も置いてない。食べ物はルルのエサのみ……
あたしはルルを家に留守番させて、食べ物を買う為に近くのコンビニに来ている。
食べ物を買い終わり、ルルの待っている家に帰ろうとしたら
「あっれー?霙じゃん?どうしたぁ?こんな時間に」不良仲間の藍と琉佳と華涛がタバコを吸って、コンビニの入口に座っていた。
「……今日は…何人やった……?」
「全然;;やっぱ、あんたが居なくちゃ、奴らも寄ってこないや;」華涛があたしに苦笑いしながら言って来た。
「……わるいな…俺もいろいろ忙しいから…」あたしは不良仲間と居る時は"あたし"と言わず"俺"と言う事にしている。だって、俺はこいつらの中心だから。俺がしっかりしなくちゃ駄目なんだ。強くならなくちゃいけないんだ。
「あっれぇ〜??霙じゃーん?なに?最近顔出さないと思ったら…もう出てきたのぉ〜?」俺が一人考え込んでいたら、ふざけた女の声が聞こえた。
「……お前ら…また負けに来たのか…?」こいつらは、毎回俺が居る時だけケンカを売ってくる、圭と藍梨と盟を中心とした、全部で20人位いる不良チーム。「ふんっ!!負けんのはあんたらでしょぉ??」
「藍梨ほっとけよ。つーか早くこいつら殺りたいんだけど♪」
「……ふん…かかってこいよ…返り討ちにしてやるよ……」
「っつ!!!なめるなっ!!!」その言葉の後、俺達は奴ら相手に暴れ回った。
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「……だから…言ったろ…あたし達に…なめてかかると……酷いことになるって……な」あれから15分も経たない内に奴らを薙ぎ倒した。
「…ルル…ただいま…」
「ニャア!!」あたしが部屋のドアを開けると、ルルが飛び付いて来た。
「よしよし…お留守番偉かったね…」あたしはルルの頭を撫でながら小さく微笑んだ。ルルはゴロゴロと喉を鳴らしている。
「……あ」よく見れば、あたしはさっきのケンカで服も腕や顔が汚れていた。
「……風呂…入ろ…」
「……気持ち良かった…お風呂……Vv」お風呂から上がったあたしは、ベットの上でルルを膝に乗せて、アイスを食べながら、まだ桜が舞っている窓を見ている。
「……夜に見る桜も綺麗だね…ルル」
「ミャー」明日から学校…次は前みたいな、お嬢様言葉で喋らなくていい。でも…
「…みんな……あたしを怖がらないかな……」あたしの外見は、金髪に灰色のにごった瞳…腕はケンカの時にやられた、殴られたり斬られた跡……
「……あたし…顔…怖くならないかな……」そのうえあたしは、人見知りが激しい。初対面の相手にはどうしても、顔が強張ってしまう。
「……はぁ…」
「ニャア…」ルルがあたしを励ましてくれるように、あたしの膝にほお擦りしてきた。
「…ルル……ありがとう…あたし…がんばる…よ」あたしはベットに横になり、ルルと明日に備えて深い闇に入った……
END |