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くま クマ 熊 ベアー 作者:くまなの

クマさん、従業員旅行に行く。

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342 クマさん、ミサの体のサイズを計る

「ふふ、それじゃマリナは頑張って、水着を着てミサーナ様の護衛をするんだよ」

 マスリカは笑いながら、そんなことを言い出す。

「マスリカも着るんだよ」

 1人だけ着ないのは許されない。わたしがそう言うとマスリカは首を小さく横に振る。

「わたしもみんなと一緒に行きたいけど。わたしとイティアはグラン様と街に残ることになっているの。ミサーナ様と一緒に行くのはマリナとエルの2人だけよ」

 マスリカの話によれば、グランさんはクリモニアに残るそうだ。それで、マリナたちは二手に分かれることにしたらしい。グランさんは護衛なんていらないと言ったそうだけど。

「2人を護衛するのがわたしたちの仕事だからね」

 マスリカの言葉にイティアも頷いている。
 マスリカとイティアが海に行けないのは可哀想だけど。社会人として、考えたら仕方ないことかもしれない。別にマリナたちは遊ぶためにミサやグランさんに付いて来たわけじゃない。仕事としてやって来た。自分が遊びに行くから、マリナたちも遊びに参加する程度に考えていたけど。マリナたちにとっては仕事なんだよね。
 社会人として、仕事は大切だ。人は働くときは働かないといけない。わたしだって、仕事をするときはしている。そして、だらけるときはだらけることにしている。

「だから、水着はマリナとエルだけでいい」
「ユナちゃんの水着姿が見れないのは残念だけど。マリナとエルから話を聞くとするわ」

 それはそれで嫌だけど仕方ない。カメラなど無く、画像として残らないのはせめてもの救いだ。それから、マスリカとイティアはお茶菓子のお礼を言うと出て行ってしまう。
 なんでも、グランさんに頼まれて、商業ギルドに手紙を届けるそうだ。でも、わたしに会いたかったから、商業ギルドに行く前にミサと一緒に付いて来たそうだ。
 それにしても、4人とも付いて来ると思ったんだけど、少し残念だ。

「マスリカもイティアも一緒に来られれば良かったのね」
「わたしがクリモニアに来られることになった理由の1つに、お爺様がクリモニアに用があったおかげもあるんです」

 ミサの話ではシーリンの街にもミリーラの食材を送れないかの相談らしい。その手の話は商業ギルドの管轄だと思うけど。クリフの許可が必要になるのかな?
 一応、ミリーラの町はクリフの領地の一つだ。話すこともあるのかもしれない。

「でも、お爺様も時間があれば、ミリーラに行くかもと言ってました。そうなればマスリカもイティアもミリーラに一緒に来れると思います」

 それなら、水着を作っても良かったんじゃ。それが分かっていたから、あの2人は逃げたのかもしれない。

「それで、ユナお姉様にお聞きしたいのですが、フィナちゃんとシュリちゃんには会えますか?」
「フィナとシュリ? たぶん、大丈夫だと思うけど」

 会うだけなら問題はない。ただ、問題はフィナがどこにいるかが分からないってことぐらいだ。シュリはティルミナさんと孤児院にいることが多い。
 でも、フィナはいろいろなところに出没する子だ。ティルミナさんと一緒に孤児院にいることもあれば、お店に顔を出したりもしている。さらにわたしのところに来ていることもある。それに昨日のスコルピオンの解体が終わっていなければ、今日も冒険者ギルドにいる可能性もある。本当にフィナはいろいろと動き回って、仕事をしている。わたしが10歳のときと比べると恥ずかしくなってくるほどだ。
 でも、そんな動き回るフィナをわたしは見つけることが出来る。
 居場所が分からないなら、本人に聞けばいいだけだ。
 わたしはちょっと、席を外し、二階の自分の部屋に移動する。そして、1人になったのを確認するとクマフォンを取り出し、魔力を込める。
 フィナにつながれ~ フィナにつながれ~と、わたしはクマフォンに念を込める。しばらく待っているとクマフォンから、フィナの声が聞こえてきた。

『ユナお姉ちゃん?』
「フィナ。今、どこにいるの?」
『孤児院にいますよ』

 これでフィナの居場所の入手が完了する。クマフォンは便利だ。本当はGPS機能があれば、そんなこともせずに居場所が分かるけど。さすがにそんな機能は付いていない。もし、あったとしても、あまり使いたくはない。人として、相手の行動を監視するような真似はやってはいけない気がする。だから、クマフォンで尋ねるぐらいが丁度いい。

「スコルピオンの解体は終わったの?」
『はい、ギルドの皆さんが、凄くやる気になって、1日で終わりました』

 さすがギルド職員だ。過去にもブラックバイパーを1日で解体をしただけのことはある。

「フィナ、これから時間はある? ミサが来て、フィナとシュリに会いたいみたいなんだけど」
『ミサ様が来たのですか? えっと、はい。大丈夫です。もう少ししたら、仕事も終わります』
「それじゃ、終わったら、くまさんの憩いのお店の前で待っていて。こっちはシェリーに水着を頼んでから行くから」
『わかりました。シュリと一緒に行きますね』

 わたしはクマフォンを仕舞うと、皆がいる一階に戻る。そして、フィナとはくまさんの憩いのお店でお昼の約束をしていたことをミサに話す。
 嘘も方便だ。クマフォンのことは内緒だからね。

「ユナお姉様のお店ですね。楽しみです。ノアお姉様から話は聞いています。たくさんのクマさんがいるんですよね」

 ミサは目を輝かせている。そんなに目を輝かせても、お店に本物のクマがいるわけじゃないよ。置物だよ。

「あと、そこで働いている子の格好も可愛いんだよ」
「くまさんの格好をしているんですよね」

 ノアとミサがお店の話で盛り上がり始める。マリナとエルは意味が分からず首を小さく傾げている。
 いきなり、働いている子がクマの格好をしていると言われても意味が分からないだろう。

「楽しみです」

 それはクマのお店に行くこと? フィナに会えること?

「だから水着選びはなるべく早く決めてね。フィナを待たせると可哀想だから」
「それなら大丈夫です。水着は決めてあります。ノアお姉様と同じ水着です」
「そうなの?」
「はい。話を伺って、決めていました。でも、色は違うのをお願いしようと思っていますが」

 どうやら、わたしの家に来るまでにノアと話し合っていたみたいだ。それじゃ問題はマリナとエルの水着選びに時間がかかるぐらいだ。でも、エルの水着はマイクロビキニでいいと思う。あの巨乳はわたしの敵だ。ポロリでもすればいい。

 でも、今からシェリーのところに行って、3人のサイズを計って、マリナの水着選びをしていたら、フィナを待たせてしまうかもしれない。それにノアとミサを裁縫屋に連れて行ったら、テモカさんとナールさんに迷惑をかける。
 それなら、水着が決まっているなら、サイズだけ報告すれば大丈夫なはず。

「マリナ。ちょっとお願いしたいことがあるんだけど、いい?」
「なに?」
「わたしたちはフィナに会いにいくから、ミサの水着を頼んでもいい? たぶん、シェリーって女の子にわたしからって言えば作ってくれるから。もちろん、ミサのことはわたしが責任持って預かるよ」
「だが……」

 マリナはミサのことを見る。

「マリナ、わたしからもお願い。フィナちゃんに会いたいの」
「ミサーナ様……。わかりました。引き受けます」
「あと、シェリーのところに行ったら、マリナたちの水着も作ってもらうんだよ」

 マリナの了承を得たわたしはミサの体のサイズをぱぱっと測ることにする。

「ほら、動かないの」
「はい」

 わたしは前回わたしが計られた場所と同じ箇所のサイズを計り、紙に書いていく。
 ミサは先日10歳になったとはいえ、フィナやノアに比べると、小柄の体型をしている。でも、成長期だから、ミサも大きくなっていくはずだ。

「はい。終わったから服を着ていいよ」

 体のサイズを紙に記入し終えると、水着はノアと同じ物とお願いするように書く。

「それで、色は?」
「緑色でお願いします」

 ちなみにノアは青色とのことだ。あと、紙にはマリナたちの水着のこともお願いしておく。それらの、必要事項を書いた紙をマリナに渡す。最後にマリナたちにシェリーがいる裁縫屋の場所を教える。

「それじゃ、行って来る。ミサーナ様のことは頼む」

 マリナとエルはミサのことをわたしに頼むとクマハウスから出ていく。
 わたしたちもフィナに会いに行くため、くまさんの憩いのお店に向かうことにする。

「それじゃ、わたしたちはフィナとシュリのところに行こうか」
「はい」

 ミサは嬉しそうに返事をすると、くまきゅうを抱いたまま外に出て行こうとする。わたしは慌てて止めてる。

「ノアもくまゆるを連れていかないの!」
「え~」

 くまゆるとくまきゅうを昼間に連れ回すと、街の子供たちも集まって来て、大変なことになってしまう。わたしがくまゆるとくまきゅうを送還させると、2人は悲しい顔をするが、こればかりは仕方ない。

「ほら、行くよ。フィナとシュリが待っているよ」
「はい」
「わかりました」

 わたしたちはフィナとシュリに会いに「くまさんの憩いのお店」にやってくる。お店が見えてくると、パンを抱えた大きなクマの石像が見えてくる。相変わらず、大きくて目立つクマだ。

「くまさんです」

 ミサがパンを持つクマを見て嬉しそうにする。
 そのクマの石像の前にはフィナとシュリの姿が見える。石像の前で待っている姿を見ると、どこかの犬の石像のような待ち合わせ場所になった感覚になる。
 ミサは2人を見つけると小走りする。フィナとシュリもわたしたちに気づくと、走ってくる。

「フィナちゃん、久しぶり」

 ミサはフィナの手を握る。

「はい。お久しぶりです」
「シュリちゃんも久しぶり」
「うん、ミサ姉ちゃん」

 3人が再会を喜んでいると、そこにノアも乱入する。嬉しそうにする4人を見ると、わたしも嬉しくなってくる。ミサを呼んで良かった。
 でも、いつまでもお店の外で騒いでいるわけにもいかないので、喜んでいる4人を連れてお店の中に入る。

マリスカとイティアはグランさんの残ることになりました。
でも、ミリーラの町に来させたいですね。
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